【千歌繚乱インタビュー】Chanty、「どんなことがあっても前を向いて進めばいいことがある」
5月23日(水)にGARRET udagawaで開催されるBARKS主催ライブイベント<千歌繚乱 ~Massive Triangle~>に出演するChanty。2017年に一時活動を休止したが無事活動を再開、結成5周年に向けて歩み始めた。今回BARKSではイベントへの出演にあたり、現時点で彼らが音楽にどのように向き合っているかについてのインタビューを行った。
◆アーティスト写真
※本記事は5月23日(水)にGARRET udagawaで開催される<千歌繚乱 ~Massive Triangle~>において、来場者限定で配布される「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。
◆ ◆ ◆
──Chantyは今年9月にバンド結成5周年を迎えますね。
千歳(G):いろんなことがありましたけど、とりあえず前に進むしかなかったかなっていう5年間でしたね。
芥(Vo):どんなことがあっても前を向いて進めばいいことがあると思って。
成人(Dr):計画性のあるバンドじゃないんで、ただガムシャラに走り続けてきましたね。
──じゃあバンドとしての目標も、その都度、目先の目標を立ててという?
野中拓(B):当初はあったんですよ、“何年後にこういうバンドでありたい”って。別にそれがなくなったわけではなくて、まず目先の目標を考えるようになったのかな?
芥:そうだね。もともとO-WESTをソールドさせたいっていうのがずっとあるんですけど、いやぁ〜難しい!今のところ叶えられていないので今年こそはと思います。
芥:僕が勝手に決めちゃったんですよ、毎年WESTでやりたいと。
成人:結成1年目のWESTのライブ中に急に宣言してたよね。
千歳:それから毎年やってるよね。続けることができてるのは嬉しいね。
芥:最近はあまり決め過ぎなくていいのかなって思うようになってきて。
成人:目標があるのは大事だけどね絶対に!っていうことでもなくなってきたね。
──“絶対に!”と思ってる時期もありました?
野中拓:ありましたね。でもなんて言うか、難しく考えずに音楽ができてればいいかなって思っちゃったんですよね。
芥:そう。いろいろあってね(苦笑)、音楽がやれてば幸せだぜって。
──何よりこのメンバーで音楽をやれていることが幸せだと。
千歳:また4人で歩き出してることが嬉しいし、些細なことでも一日一日が楽しいなって確認できてますね。
──Chantyとしてリスナーに伝えたいことも変わってきてますか?
芥:その時々によって変わるんですよ。前はバンドのコンセプトがあったりもしたんですけど、最近俺、ブレてもいいかなって思ってて。やっぱりその時々で考えることややりたいことって変わるから。それをバンドの芯がブレるんじゃないかと思ってたら、なんかつまんなくなっちゃいそうだなと思って。
千歳:可能性とか狭めちゃうよね。“こうあるべき”って決めることで自由じゃなくなる。好きなものはその時のタイミングで絶対に変わるし、今やりたいことを終えたら“次はこういうことがしてみたい”っていうのが出てくると思うし。インプットとアウトプットの繰り返しなので。だから表現したいことも、伝えたいメッセージも、ヘンな話、毎日変わると思うんですよ。何に影響を受けるかによって。それでいいんじゃないかなと。それを“人間らしい”と言ってもらえるんだったら、俺はそれで伝わってるのかなって思うし。
芥:どうですかね…。歌詞は僕が書いてるんですけど、その時々によって解釈が変わってきちゃうんですよね。たとえばファンレターで“こういう歌詞に思えました”と言われて、“ああ、そうかも!ありがとう!”って思うことも多くて(笑)。
──ファンの人から気づかされることもあると。
芥:そう。だから僕からはあまり発信してないんですよ。もらうばっかりで。もちろん歌詞を書いてる時は“こういうことを伝えたい”っていうのもあるんですけど、必ずしもそれが正解じゃなくてよくて。ファンからのメッセージで“こういう捉え方もあるんだ”と思ったら、ライブの時にその世界で歌ってたり。だから自分もChantyのリスナーに近いですね(笑)。
──作品を発表したらリスナーになると(笑)。
芥:“へぇ〜、そんな感じで思ったんだ。じゃあ俺もそんな感じで聴いてみる!”みたいな。
野中拓:(笑)。確かにそういう考え方もありますよね、歌詞を書く人からしたら。
芥:あ、リスナーは俺だけ!?
千歳:そうだね、俺らはプレイヤーかもしれない(笑)。
野中拓:逆にリスナーにもなれるって羨ましいけどね。
──2月28日にリリースされた2ndフルアルバム『Chantyの世界へようこそ2』は、それぞれの想いが詰まっていて、ものすごく熱量を感じるカッコいいアルバムでしたね。
芥:ああ、そうですか。僕は最初、苦手でしたけどね(笑)。
──えっ、本当ですか?
芥:曲順が組み上がった時に、“あ、このアルバムは俺を殺しにきているな”と思って苦手になっちゃったんですよ、曲たちが。自分に突き刺してくる感じがあって。
野中拓:聴いてるとテンションが下がっていくんだよね。1枚目のアルバム(『Chantyの世界へようこそ』)は結構ポップ寄りで聴きやすい感じだったと思うんですよ。でも今作はポップではないから。
──確かにものすごく重かったです。
芥:そう、重いんですよ。当初はもっと違うアルバムにする予定だったんですけど。
千歳:もうちょっとバラエティ豊かなアルバムにね。
芥:復活して一発目なのでドヤ感を出そうとしてたんです。でもみんなから出てくるものがすごい暗くて(笑)!。
千歳:暗かったね〜。暗いというか重たい。音だけでも重さが伝わるっていう。その時の気持ちが詰まってるからだろうね。俺は最初から好きなアルバムだったけど。
芥:本当!?でもさっきの話じゃないですけど、ファンの人のほうが先にアルバムを理解してくれたと思うんですよ。書いてる時は無意識に自分の本心がバンバン出てきたものを形にして、それを受け止め理解する時間がないままワンマンツアーに突入しちゃったから。そんな中、ファンからの手紙とか、ファンと作る景色を通して、ツアーの終わり頃には“すごくいいアルバムだ!”ってやっと思いました。
──“やっと”(笑)。
成人:僕もライブを重ねながら曲をみんなと作り上げていく中でやっと理解できるようになった感じはありますね。
──確かにアルバムで聴いていた楽曲の印象と違って、“えっ、ライブだとこんなノリのいい曲になるの?”と驚いた曲も多かったです。
芥:そうなんですよ。だから今はすごいポップスみたいに感じてきてる。
野中拓:ポップス!?ほぉ〜(笑)。
芥:むしろちょっと明るいアルバムなんじゃないかなって(笑)。
成人:それわかる。
千歳:俺はそんな印象は変わんないかな。
野中拓:俺は最初からええやん!って思ってたけど。
千歳:好きなもの詰め込んだからかもしれないね。
芥:4周年ワンマンで活動再開した後、改めてちゃんとワンマンでツアーができたらいいなっていう気持ちがあって。以前からワンマンツアーを結構やるバンドだったんですけど、1年間半くらい控えて臨むつもりだったんです。それだけに自分たちも今回のツアーに賭けてるところがありましたね。
野中拓:初日が千葉で、その次が北海道で、そっから3週間ずっと出っぱなしだったんですよ。東京に戻ってきたらあとはセミファイナルとファイナルのみっていう状況で。今まで最高2週間だったんで、3週間出っぱなしていうのは初めてだったんですよ。
芥:集中してできたよね。
千歳:常にライブのことしか考えることがないから。
芥:ライブに集中しながら、ごはん焚いてました(笑)。今回、炊飯器を持って行ったんですよ。
野中拓:3週間三食、毎日外食したらエライことになるじゃないですか。それで節約のために炊飯器を持って行って、ライブハウスでごはんを焚いたんです(笑)。
芥:楽しかったね!箱でみんなで同じ飯を食べて。
──まさしく同じ釜の飯を食うですね(笑)。
野中拓:スタッフの子におかずを千円くらいで買って来てもらうんですけど、毎回何がくるのかわかんないのも楽しみだったし。
千歳:納豆があんな美味しいとは思わなかった!
芥:そう、改めて納豆の美味しさに気づいたツアーでしたね(笑)!。
──9月16日にはTSUTAYA O-WESTで5周年ワンマンが決まってますね。
野中拓:バンドの誕生日なわけじゃないですか。それはね、大切にしないといけないなと。
芥:産んでくれてありがとうございます!みたいなね。
──Chantyとして約5年、各自その前のバンドから数えたらさらに長くヴィジュアル系シーンで活動していますが、最近のヴィジュアル系シーンに感じていることってありますか?
芥:ありますね。最近はSNSとかでシーンの文句を言ってる人が多くて、それは違うんじゃないかって個人的には思います。大人が悪いとか、誰それが悪いとか、別にそんなこと言わなくていいのになって。“わかった、わかった。じゃああなた何かします?しないじゃーん!”と思って(笑)。自分たちが信じていて楽しいと思って音楽をやってればそれでいいのになって思ってますけどね。持ちはわかるけどやってる側がそんな夢の無いこと言ってても仕方ないと思うんです。
──なるほど。
芥:僕は一時期、人のブログを見にいくのが好きで。お客さんのではなく、全然知らない一般の方の。“普通の女の子がこんなこと考えてるんだ?俺は昔こんなこと思ってなかったけど”とか考えたりして。
野中拓:芥さんっぽいね(笑)。
芥:日記とか人の気持ちを見られるものってもっと秘密裏であっていいと思うんですよ。SNSとかで誰かに刃を向けても何か変わるわけでもないし。ただ人の目に突き刺さって一瞬で終わる。それより音楽とかライブとかでじわじわと感じられるもの…たとえばライブでファンの人たちと直接言葉を交わすわけではないけれど、その中で作られていく信頼関係とかってシンプルだけど一番強い。そういう奥ゆかしさが大事かなって思ってますね。
芥:Jin-Machineさんと一緒にやるのは初めてなんですよ。
成人:前にお誘いをいただいた時はスケジュールが合わなくてね。
芥:だから未知数なんですけど。ずっと昔、Jin-Machineさんの「うんちどっさり」っていう曲のミュージックビデオを友達が観せてくれたんですよ、「すごいカッコいいし、面白いよ」って言われて観たら、確かに凄まじくて。それから5、6年経ってやっとお会いできるのですごく楽しみですね。Initial’Lさんとは何度か対バンしています。先日BIGCATで対バンした時、一番最後にやってた曲がめっちゃカッコよくて。楽屋にいたので音しか聴こえないんですけど、場内は今こういう雰囲気なんだろうなっていう景色が観える感じ。めちゃくちゃエモーショナルな曲で!今回の対バンでそれが生で観られるといいなと思ってますね。
──タイプの違う3バンドなので観応えあるイベントになりそうですが、Chantyは対バンの時はライバル心を持って臨む感じなんですか?
成人:うちはあんまりないですね。
野中拓:楽屋でも逃げ場所を探すメンバーたちなんで(笑)。楽屋にドーンとソファがあっても、僕らは絶対に寄りつかないタイプです。輪に入れない。人見知りなんですよ。もちろん友達もいるんですけど、初めて会った方とガッツリ友達になることはほぼないですね。
芥:嫌とかじゃないんですよ。“(ハイタッチで)うぇ〜い!”とかする仲になりたいんですけど。
野中拓:憧ればっかりが膨らんで体がいかないんです。頭の中では仲良くなるイメージはできてるんですよ、番号交換して飲みに行って…とか。でも、現実はないんですよ〜(笑)。
芥:5月23日は入りから“(ハイタッチで)うぇ〜い!”ってやってみる?でも避けられたらトラウマになるよね…。
──その日のライブにも影響が出そうですね(笑)。
成人:でもせっかく一緒のイベントに出るんだからね。
野中拓:一回やってみたいよね。
千歳:早めに入りして“うぇ〜い待ち”しとけばいいんじゃない?10分前に入りしてみんな肩を回しておきます!(笑)。
取材・文◎牧野りえ
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Chantyが出演する<千歌繚乱 ~Massive Triangle~>は、5月23日GARRET udagawaにて開催。現在、イープラスにて一般チケット受付が行われている。
<千歌繚乱 ~Massive Triangle~>
出演:Initial'L/Chanty/Jin-Machine
会場:GARRET udagawa
料金:【先行チケット】3,800円 【一般チケット】4,000円 【当日券】4,500円 ※ドリンク代別途
【先行チケット】
受付終了
【一般先着受付】
4月17日(火)12:00~5月22日(火)18:00
[イープラス]
チケット購入ページURL:http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002257610P0030001
<自家製生誕祭 ~野中拓の日~>
OPEN 18:00/START 18:30
前売¥3,500/当日¥4,000(Drink代別)
[出演]
Chanty
[チケット]
2018年2月25日(日)発売
イープラス
購入ページURL(パソコン/スマートフォン/携帯共通)
http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002251323P0030001
(問)四日市CLUB CHAOS 059-354-9011
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