【ライブレポート】マジパン、佐藤麗奈ラストライブ「アイドルで学ぶことは全て学んだと思っています」

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マジカル・パンチラインのメンバーである佐藤麗奈の卒業公演<DANCE DANCE ROMANCE: PART II>が4月8日(火)に東京・新宿ReNYにて開催された。

◆マジカル・パンチライン 画像


“さとれな”、“レナ”こと佐藤麗奈はマジカル・パンチラインにとって発起人であり、中心メンバーでもあった人物だ。マジパン発足前にはアイドリング!!!NEO期生として2年3ヶ月ほど活動し、2015年10月末に卒業したのち直ちにマジパンを始動させ、リーダーとして2年5ヶ月活動した。10代のアイドル活動のちょうど前半と後半でその立ち位置を明確に変え、「アイドルで学ぶことは全て学んだと思っています」と宣言して10代最後の年にアイドル活動へ自ら終止符を打つという彼女の進み方には鮮やかな美意識が感じられる。マジパンからの卒業発表はラストライブ一ヶ月前というスピーディーなものだった。

マジパンのワンマンライブは、1stワンマンから今回の3rdまで一貫して公演ごとに物語性を重視したVTRと歌唱パフォーマンス中心。今回の3rdワンマンではその中心ストーリーに佐藤麗奈の卒業が据えられ、導入から各メンバーのインタビュー映像がドキュメンタリー調に綴られていった。リーナ(小山リーナ)、ヒマワリ(清水ひまわり)、アンナ(浅野杏奈)、ユーナ(沖口優奈)ら他メンバー4人は突然のリーダー卒業に衝撃を受けながらも、彼女の新しい道を応援するという意志をそれぞれに口にしていた。1曲目は最新シングルからドラマティックなイントロの「私が私を燃やす理由」。序盤から「万理一空 Rising Fire!」などの盛り上げナンバーも入れ、「最後のライブということで、精一杯盛り上がっていきましょう!」というレナの声に満員の観客席から大きな喝采が湧き起こる。

メンバー紹介ソングでもある「Prologueは摩訶不思議」から、「謎から謎めくMystery」ではオーディエンスが左右にゆれる。間に挿入されるVTR明けには5人が衣装を変えて出てくるのだが、これも最新シングルから一つずつ前の衣装へとさかのぼり、マジパンの過去リリース楽曲をほぼ網羅したセットリスト同様総力戦となった。「おやつの時間だ!」というMCからお菓子をばら撒いた「Happy New Kitchen」やタオルを回す「ミカガミ・ラビリンス」、本編ラストの「Never Ending Punchline」ではユーナが「進む道は違っても、私達は進み続けます!」と声をあげ、5人がラストに背を向けて高々とピースを掲げる。観客達が彼女たちと同じ方向を向きながら一斉にピースを掲げる風景は力強い一体感に満ちていた。




アンコールでは、ファンからの感謝の垂れ幕が観客席のフロントに飾られ、5人がデビュー時の衣装で登場。レナ・リーナ・ヒマワリの3人がユニットとして猫耳をつけ、わーすたの「いぬねこ。」をカバー。続いてレナ・アンナ・ユーナの3人でロック色が強いベイビーレイズの「JUMP」をカバーし、5人揃ったあとにはアイドリング!!!の名曲「さくらサンキュー」をカバー披露する。桜の季節の別れと旅立ちを歌い上げるこの曲ではユーナの涙が止まらず、大サビ前にそれを見たレナも涙を浮かべて歌い上げた。曲後にユーナが「これめっちゃいい曲やんなー! 歌い出す前に歌詞を頭にまとってたら泣いちゃった」と感動を伝えようとする姿には、レナや他のメンバーもツッコミをいれながら和やかな空気になる。

ここで、メンバーそれぞれから直接想いが語られる。「初めてレナちゃんが卒業するって聞いたときには本当にショックで、これからやっていけるのかなって不安もあったんですけど、でも卒業するって言われたからこそもっと頑張ろうって、レナちゃんがいなくても大きなグループに成長させていきたいなって思いました。レナちゃん、何もわからなかった皆にいろんなことを教えてくれて本当にありがとう。時には怒らせちゃったり迷惑かけたりしたこともあったけど、それでもいつでも優しくしてくれて、困った時には助けてくれて、本当に頼れるリーダーでした」とリーナ。

「今になって、もっとレナちゃんと思い出を作っておけばよかったと思っています。全員で、全力でやっていきたかった。ただどうあがいても今日の日が来ることは変わりがなくて、それならやらない後悔よりやって後悔しようと思って、このワンマンまで一生懸命リハして、5人で今日の日を迎えられたことは嬉しいです。私が最初レナちゃんを見た時は“めっちゃオーラキラキラしてるー怖い”(会場笑)と思ってたけど、同じグループで過ごしているとすごい楽しくて。これからは私達4人は同じ道を進んではいかないけど、レナちゃんはレナちゃんの行きたい道を頑張って下さい。応援してます」とヒマワリ。

アンナは集まってくれたファンやスタッフへの感謝を最初に伝えながら「このライブまでの一ヶ月間、不安なことがいっぱいだったんですけど、自分自身を見直したり、皆さんの大切さを感じられて良い時だったなと思っています。レナちゃん、マジカル・パンチラインが佐藤麗奈の作ったグループであることに変わりはないので、これからも見守ってくれると嬉しいです。本当にありがとう」としっかりした様子を見せた。

最年長でレナと一番歳が近かったユーナは「レナがすごいしっかり考えて決めたんやなっていうのが伝わってきて、それならユーナも見送りたいなと思いました。ユーナがアイドルになれたのはレナがこの場を作ってくれたからだって本当に思っているから。これからレナが色んな所で自慢できるぐらい立派なグループにしていこうと思います。……っていうのはマジパンのレナに対してで、レナは親友とも言ってくれて、それが残ってて。マジパンとしてレナは卒業してしまうけど、これから、相談もふざけたりもいっぱいすると思う。これからもレナの側を離れるつもりはない(会場笑)」としながらも「レナのこれからの道を応援してるし、これからもよろしくお願いします」と涙ながらに締めた。

アンコールラストは、マジパンの楽曲から「パレードは続く」。観客席はレナのメンバーカラーである紫一色に染まった。レナはここで舞台袖からピンクのバズーカを持ち出し、観客席に向けて自ら金テープを発射。最後までアイドルとして魅せるパフォーマンスでマジパンでのライブを締めくくった。

「前に進む卒業ということで、いろんなことがあったけど、それがあったから今があるって感じで、アイドルで学ぶことは全て学んだと思っています。なので卒業して新しい世界に出て、もっといろんなジャンルに挑戦できる佐藤麗奈になるように頑張っていきたいと思います。これからも佐藤麗奈、そしてマジパン新体制4人を応援の程、よろしくお願い致します。皆さんに、支えてくれたメンバーに、スタッフさんに本当に感謝しています。今日はお集まり頂き、本当にありがとうございました!」──佐藤麗奈

マジパンの5人がステージを去ったあと、会場には最後のVTRが流れた。『今後のマジカル・パンチラインについて』というインタビューに対し、彼女は「今までのアイドルにないほど個性を出してほしいし、自分を信じ周りを信じ、頑張って欲しいと思います」とリーダーらしい言葉を残した。新体制の4人は佐藤麗奈のアイドル人生の半分を同じグループのメンバーとして共有した。彼女から学んだものが、これから試される。

なお、このライブと1stワンマンライブを映像作品として一括収録したLive Blu-rayがマジパンSHOP限定の完全受注生産商品としてリリースされることもあわせて発表となった。こちらの予約締切は2018年5月7日(月) 23:59までとなっている。

新体制となったマジカル・パンチラインは今後、TOKYO FMホールにて4月22日(日)から毎月の定期公演が予定されている。

Photo:林晋介


■セットリスト<DANCE DANCE ROMANCE: PART II>

2018年4月8日(日)新宿ReNY
1. 私が私を燃やす理由
2. 終わらざりしミスリル
3. 万理一空 Rising Fire!
4. Prologueは摩訶不思議
5. 謎から謎めくMystery
6. 108 煩悩 BOMB
7. Happy New Kitchen
8. マジック☆ガール
9. 小悪魔Lesson 1・2・3♪
10. リインカーネーション
11. 手のひらがえし
12. ミカガミ・ラビリンス
13. 那由多不可思議ソウルライブツイスター
14. マジカル・ジャーニー・ツアー
15. Magiかよ!? BiliBili☆パンチライン
16. Never Ending Punchline
EN1.いぬねこ。(わーすた カバー)
EN2.JUMP(ベイビーレイズ カバー)
EN3.さくらサンキュー(アイドリング!!! カバー)
EN4.パレードは続く

東京アイドル劇場アドバンス<マジカル・パンチライン 定期公演 >

【公演日】
Vol.1:2018年4月22日(日)
Vol.2:2018年5月20日(日)
Vol.3:2018年6月23日(土)

【会場】TOKYO FMホール
〒102-0083 東京都千代田区麹町1丁目7−1 FMセンター2F
http://www.tfmhall.jp/accsess.html

【公演時間】
開場17:45 /開演18:05
詳細はコチラ⇒http://magipun.com/news/3213/

◆マジカル・パンチライン YouTube公式チャンネル
◆マジカル・パンチライン オフィシャルサイト
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