【インタビュー】2(ツー)、もっと人と繋がりたいという想いを突き詰めて完成させた2nd『GO 2 THE NEW WORLD』
The SALOVERSの古館佑太郎(vo)とギタリストの加藤綾太が中心になって2017年春に結成し、活動をスタートさせると同時に大きな注目を集めた2(ツー)。そんな彼らの2ndアルバム『GO 2 THE NEW WORLD』が4月5日にリリースされる。前作から半年という短いスパンで制作されたアルバムでいながら、同作は彼らの新たな魅力が詰め込まれていて、彼らが早くも新たなステージに入ったことを感じさせる。そんな彼らをキャッチして、全員インタビューを行った。
◆2(ツー)~画像&映像~
■四人でスタジオに入って最初に音を鳴らした瞬間に“これだ!”と思って
■パッとP助を見たら彼も同じことを感じていることが分かりました
――2は、どんな風に結成されたバンドでしょう?
古舘佑太郎(以下、古館):元々は、僕が前にやっていたThe SALOVERSというバンドが3年前に解散して、、もうバンドなんか二度とやらないと、いろんな取材で言っていたんです。The SALOVERSは4歳の頃からの幼馴染みとやっていて、僕は彼らとしか音を鳴らしたことがなかったから、他の人とバンドをやるということが想像できなかった。それに、活動の中で疲弊した部分もあって、もうバンドはやらないだろうと思っていたんです。その後、解散から半年くらい経った時に、ちょっと音楽をやるかという話になり、サポートの方達を決めていく中で、ギタリストとして声をかけたのがP助(加藤綾太)だった。元々彼は、僕が一番ホームにしていたライブハウスに出ていた後輩バンドのボーカル&ギターだったんです。16歳くらいからの知り合いで、お互いにライバルであり先輩後輩であるという関係性で、ギターが上手いことも知っていたから、彼にお願いしてみようかなと思って。そうやってP助がギタリストとして僕のソロ活動に関わり始めて、ソロで二作目を出した時には、彼がプロデューサー的な位置にいて、作曲も手伝ってくれていたりした。つまり、僕は彼がいないと音楽活動ができないような状態になっていたんです。それで、これはもうサポートという域を超えているから一緒にバンドをやろうと思うようになりました。
――もう一度バンドをやりたいという気持ちになったんですね。
古館:そう。ソロで2年くらい活動していて、地方に弾き語りライブをしに行ったりしていたんですね。そういう時に、バンド時代に見つけた好きなラーメン屋や飯屋にマネージャーを連れて行くんですけど、“一人で食べても全然美味しくない病”にかかっていて。これは淋しいのかなと思ったりしていた時期だったこともあって、P助にバンドをやらないかと囁くようになりました(笑)。当時のP助はボーカル&ギターで自分のバンドをやっていたんですけど、ちょうどその頃に彼のバンドが活動休止になったんです。それで、“キタッ!”と。ここしかないと思って、より圧をかけるようになり(笑)。でも、最初は渋っていたよね?
加藤綾太(以下、加藤):うん。(古館)佑太郎君はThe SALOVERSが無期限活動休止してから半年くらい休んでいたんですよね。だから、「自分もそういう期間があったでしょう。俺にも休ませてくれ」と言ったんです。なにしろ佑太郎君がバンドをやろうと言ってきたのは、自分のバンドの最後のライブが終わってから3日後とかだったから(笑)。
古館:アハハ(笑)。でも、P助が言ってることは一切聞かずに、バンドをやろう、バンドをやろうと押し切りました(笑)。
加藤:すごく熱心に誘ってくれるし、これも縁なのかなという気持ちになり始めて。僕ももうバンドはやらないだろうなと思っていたけど、佑太郎君となら楽しくできるかもしれないなと思ったし。そうやって、短期間で洗脳されました(笑)。
古館:二人で組むことになったから、メンバーを探そうということになって。何人か候補はいたんですけど、その時から半年くらい前にP助と二人でアコースティック・ライブをしたことがあって。yonigeというバンドに誘ってもらったんですけど、その時にyonigeでサポート・ドラムをやっていたのがyuccoで、すごく良いドラムを叩いていたんです。当時は自分と同世代のサポート・ミュージシャンを探していたから連絡先を聞いて、その時からyuccoとは繋がっていたんです。yuccoは北海道に住んでいて、東京に出て来たいという話も聞いたので、その後サポートをしてくれませんかと何度か連絡したけど、やっぱり渋られて。それで諦めていたけど、P助とバンドをやることになったから、今度はメンバーとして誘ってみることにしたんです。そうしたら、また渋られたという(笑)。
yucco:……ごめんなさい(笑)。その時は古館君のことは全然知らなくて、The SALOVERSのことも知らなかったんです。対バンした時に初めてお会いして音楽を聴いたんですけど、弾き語りなのでバラードチックというか、しっとりした曲をやっていたんですね。そういう人がバンドをやるということは、静かな曲をやるんだろうなと思って。私はハードな音楽が好きなので、この人の後ろかぁ…と思って渋っていたんです。
古館:僕からしたら、サポートはともかくバンドとなったら快諾してくれると思っていたんですよ。yonigeは僕が前にやっていたバンドを気に入ってくれていて、僕が作った曲をSEで使ってくれていたりするから。だから、当然「本当ですか? やったぁ!!」みたいな反応を予想していたのに違ったから拍子抜けして、僕は若干イラつき始めて(笑)。そこからは、もうyuccoのことは“北海道の女”呼ばわりするという(笑)。それで、他のドラムを探すことにしたんですけど、良いと思う人は他でバンドをやっていたりして、P助とこれは無理だねという話になって。そうなった時に、P助がもう一度北海道の女に声をかけてみようと言うんですよ。それで、ダメ元で連絡したら、今度は全くリアクションが違っていたんです。
yucco:そう。「ええっ、マジすか!?」みたいな(笑)。一度断った後にThe SALOVERSを聴いてみようと思って聴いてみたら、めっちゃカッコ良かったんです。それで、こういうバンドだったら叩きたいという気持ちに変わったけど、一度断ってしまったから、こっちからやりたいですとは言えなくて。そうしたら、もう一度連絡してくれたので、東京に行きますと即答しました。
古館:そうやってドラムが決まって。ベースはなんとなく考えていたのが、P助が前にやっていたバンドの(赤坂)真之介だったんです。それで、P助に真之介はどうだろうと言ったら、「全然良いけど、俺からは誘えないから、自分で会ってみて欲しい」と言われて。その時も当然快諾してもらえると思っていたのに、また渋られたんです(笑)。
赤坂真之介(以下、赤坂):いや、P助と同じで、その時は前のバンドが終わってから2ヶ月後くらいで、次のバンドをやろうという気持ちになっていなかったんです。それに、僕は東京出身で上京というものを経験したことがないから、逆のことをやりたいなと思っていたんです。自分が気になっている地方に行って、そこでゼロから生活してみたいなと。
――上京と同じような経験をするのであれば、海外などに行くのが一般的な気がしますが。
一同:そうそう! そうなんだよな!(笑)
赤坂:いや、海外も選択肢の一つだったけど、まずは地方に行ってからと思っていたんです。
古館:なんか、アサラトというアフリカの民族楽器があって、それを探す旅に出たいとか言っていて。こっちとしては、「うるせぇよ!」と言いたいわけですよ(笑)。それで、でもバンドをやったら絶対楽しいよと言ったら、1ヶ月くらい時間をくれみたいなことを言われて。いや、そんなに待てないと。3日以内、最長でも1週間で決めてくれと言ったら、少しずつ気持ちが傾いた感じになってきて。そうしたら、真之介は最後にタワレコに今から行こうと言うんですよ。もう我慢できなくて、「いや、行かねぇよ」と言いました(笑)。タワレコに行く暇があるなら、今返事くれやと(笑)。
赤坂:アハハ(笑)。その時は返事をしなかったけど、帰り道ではもう頭の中が“Yes”の状態になっていたんです。それで、とりあえずP助と話をして、その後すぐに佑太郎君に連絡して、やると言いました。
――イメージしていたメンバーが揃って良かったですね。
古館:その過程で、僕はだいぶ自信を喪失しましたけど(笑)。そうやって2017年の3月にメンバーが決まって、課題曲を決めて四人でスタジオに入って、最初に音を鳴らした瞬間に“これだ!”と思って。パッとP助を見たら、彼も同じことを感じていることが分かりました。そこからのスピード感は異常に早かったですね。すぐにP助が12曲書き上げて、1ケ月後にみんなで合宿に行って、12曲を完成させて、2か月後に大阪で初ライブをして。ライブから戻ってきて、即レコーディングして1stアルバム『VIRGIN』(2017.10.4リリース)を作って、それが完成した時に2nd用の曲ができていたので、また合宿に行って、帰ってきてレコーディングして、今回の『GO 2 THE NEW WORLD』に行きつきました。
◆インタビュー(2)へ
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