【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第5回ゲスト:DURAN
■大御所のステージに感服しながら
■いつも睨みつけてますけど──ASH DA HERO
──でも日本ではフェスが盛り上がってますよね。フェスの場では、その日を丸ごと楽しんじゃおうっていうオープンマインドなノリが強いと思うんですよ。
ASH:DURANもけっこう出ているよね?
DURAN:今年はそこまで多くなかったけど、去年はけっこう多かった。
ASH:確かにフェスではみんながオープンマインドで、音楽好きがたくさんいると思う。そこに出て知ってもらうというのは、すごく嬉しいことだし、いいチャンスだなとはいつも思ってますよ。
DURAN:フェスは自分のバンドで出るのと、サポートメンバーで出るのでは、感覚がちょっと違うかな。どっちで出ても、ケータリングで酒をいっぱい飲めるのは好きだけど(笑)。
ASH:あとフェスでは、観れるアーティストはなるべく全部観ようと思ってる。それは楽しむためというよりも研究するためですね。“こうやるといいんだ”とか、“この人達はさすがだな、ここがいいな”とか。それで自分になにが足りないのか。バリューのあるアーティストや人気あるバンドを、間近で観れるチャンスってなかなかないし。だからフェスに出るときは、その場にいるお客さんを思いっきり奪い取るという気持ちと同時に、他の人達と自分はどれぐらい差があるんだろうって、自分を計る場所にもなっているかな。フェスに出れば人気のある人達ばっかりだし、ASH DA HEROのことを知らない人のほうが多い。同じ出演者でも、僕のことを知らない人もいるわけでしょ。1回、バタバタしてる所でケーブルを渡されたことありますからね(笑)。
DURAN:スタッフだと思われて(笑)? それは、さすがにヘコむ(笑)。
ASH:「はーい、了解です」とその場では言ったけど(笑)。
──同世代のミュージシャン達で、フェスによく出ている人達というと?
ASH:けっこう同世代が多いですよ。それこそcoldrainとかSiMとは世代が近い。シシド・カフカちゃんもフェスによく出ているけど、年齢はわりと近いよね?
DURAN:近い。確かに同世代のミュージシャンとフェスで出会う機会も多いね。
ASH:ここ最近のフェスのメンツって、どう思う? 先輩方とか。
DURAN:やっぱりお客さんが観たいってのもあるから、だいたい同じようなメンツが揃うってのはしょうがないところはあると思う。
ASH:確かに。やっぱりすげぇカッコいいしね。とくに大御所の人達って、ライブを観ると感服するところある。でも感服しながら、いつも睨みつけてますけど。
DURAN:なんとかしなきゃって。
ASH:なんとかしないとなとは思うよね。要は日本のロックシーンの世代交代がうまくなされていないのかな。90年代からあまり変わってないような気がする。90年代にバーンと行った人達が、20年経った今もずっと上に居続けてくれるっていうか。ロックの流れが2000年代からちょっと変わったのもあると思う。商業思想なものとはちょっと外れて……。
──ライブやツアーを軸にした活動になりましたからね。
DURAN:だから分かりやすいのかなって。ミュージシャンだし、ステージで演奏してなんぼじゃないですか。
ASH:そういった点においてはフェスというのは貴重な場だと思う。要するにCDを売りさばくための場所ではなくて、純粋に演奏やステージの……良くも悪くも見本市みたいなものだから。ステージを観てもらって、コイツはヤベーとか、コイツはイマイチだなとか、ダイレクトに感じてもらう場所だっていう。
DURAN:手応えを感じるときもあるからね。一番分かりやすいのが、次にライブをやると、動員数が全然変わっていたとかさ。そのときが一番フェスの影響力を実感するけどね。
ASH:僕は今までいろいろ出させてもらったけど、個人的な手応えはまだって感じかな。ライブの時間は一気に熱が上がっているというのはダイレクトに感じているし、終わった直後は手応えあったかなと思う。でも、その後に他のアーティストのステージを観ると……。
DURAN:ああ、そういうことか。
ASH:うん。“まだまだ全然だな、もっとやらないと倒せないな”とか。“ここに集まっているこのお客さんは、今までどこにいたんだ”とか。“ああ、自分はまだ知られてないのか、悔しいな”って。
──観客側としては、知らなかったアーティストや観たことのなかったバンドと出会えるという良さが、フェスにはありますけどね。それもフェスの楽しみでもあって。
ASH:確かにそれはありますよね。現にフェスで出会ってくれた方も、ファンの中にはいっぱいいますからね。
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