【ライブレポート】<hide Birthday Party>、hideとゆかりの深いアーティストが大集合
幕が上がりDJ-INAのステージが始まった途端、バースデーソングが流れ、TAKA(defspiral)やCUTT(SPEED OF LIGHTS)、義彦(heidi.)らが、バースデーケーキを持ってステージに乱入してきた。hideと誕生日が一日違いのINAへのサプライズのバースデー企画である。照れくさそうに「53歳になっちゃいました」といいながらロウソクを吹き消すINAに、会場中からあたたかい拍手が沸き起こる。そして始まったのはhideの楽曲で観客を踊らせるDJタイム。INAはブースの中で機械を操作するのみにとどまらず、ステージ前面に出て観客をあおったりマイクを持って客席に下りたり、アクティヴに動き回る。ゲストには桃知みなみが参加し「子ギャルダンサーズを募集したいと思います」といって、フロアの観客をステージに上げる。それぞれ華やかにコスプレしたダンサーズが自由にステージの上をダンスしまくり、DJ-INAのステージはたくさんの笑顔に包まれて終了した。
次はhideバンドやhide with Spread Beaver のメンバーとしておなじみのDIEとドラマーMAD大内率いるポジティヴロックユニットKISS THE WoRLDの登場である。ライヴは1曲目から明るく元気なテーマソング「KTW」でスタート。DIE、MAD、ギターのオカヒロが短く歌いながらつないでいき、木村(ZEPPET STORE)も笑顔で歌っている。hideのカヴァー「ピンク スパイダー」では、ゲストヴォーカルにTAKA(defspiral)とCUTT(SPEED OF LIGHTS)が参加。この2人は今年の夏に開催された<MIX LEMONeD JELLY 2017>でもKISS THE WoRLDに参加していて、ファンにとってはおなじみの光景である。残念ながらあと2本のライヴで活動休止が決まっているKISS THE WoRLDだが、ポジティブな大人のロックパワー全開のステージは観客を巻き込んでの楽しい時間となった。
続いて登場したのは、hideバンドやhide with Spread Beaver を重低音で支えて来たCHIROLYN。もともとサポートベーシストとして活躍して来た彼は、現在ソロ名義でシンガーソングライター、弾き語りのライヴ活動も行っている。この日のバンドはスリーピースで、のっけから「DIE or GREED」「Do me favor」とゴリゴリのロックサウンドを披露。2曲終わったところでベースを持ち替えうがいをしたCHIROLYNは「今日、ちょっと声が出ねーの。弱音を吐いても、いい? 一昨日、病院行ったの。今日は死ぬ気でやるから、よろしく」とMC。後半は歌モノで、声が枯れてはいるもののその熱い歌声からは彼の伝えたいメッセージがじわじわと伝わってくる。「人間はみんな孤独。これをロックンロールと呼んでます」とCHIROLYN流人生哲学を話した後、「そういう曲を書きました」という代表曲「君は変わっちまった」を熱唱して、ライヴは終了した。
バンドとして最後のステージを飾るのはMADBEAVERS。hideバンドやhide with Spread BeaverのギタリストKIYOSHIとドラマーJOEが結成したスリーピースバンドである。KIYOSHIがギターを持ちながら歌い、ライヴは「幻想のイマジネーション」で幕を開けた。独特のヴォーカルとタイトな演奏スタイルが印象的なバンドである。2005年の結成当初はベースにCHIROLYNが参加していたが、2007年からは現メンバーのEBIが参加。「SMOKING KILLS」ではEBIがヴォーカルを担当し、KIYOSHIとの息のあった掛け合いも聞かせた。「MADBEAVERS、来年、EBIちゃんが入って10年経ちます。ハッピーバースデー、hide!」とKIYOSHIがMCをして、ラストはミディアムテンポの「半透明の君へ」で締め括り3人はステージを下りた。
そして最後は恒例のセッション。幕が上がるとステージ上には、KIYOSHI、CHIROLYN、DIE、JOE、INAの5人が立っている。CHIROLYNが「一人足りないと思わない?」と観客に問いかけると、間髪入れずにPATAコールが沸き上がる。下手からPATAが手を振りながら出てきて、hideバンドのメンバーが揃った。「ROCKET DIVE」のイントロが始まると銀テープが会場に放射。バックのスクリーンからhideの映像と歌声が聞こえてきて、ステージ上の6人とスクリーンのhideがシンクロして会場を盛り上げている。さらに銀テープと赤い髪のhide人形を振る観客も加わって、会場はあたたかい一体感に包まれた。
「もう一曲聞きたい? もう一曲だけだよ」とCHIROLYNがいって、出演バンドのメンバーを全員呼び込む。サインボールを会場に投げながらメンバーが登場して「TELL ME」の演奏が始まった。フロアにはカラフルなハート形の風船が落下してくる。スクリーンのhideが歌い、hideバンドのメンバーが演奏し、その他のメンバーは思い思いに踊ったり歌ったり観客をあおったり。hideに見守られながらそれぞれが好きなように楽しんでいる。まさにhideと仲間たちの関係をステージ上に具現化しているような微笑ましい光景だった。
ライヴがすべて終了した後、hide永眠後20年を振り返るヒストリー映像の上映と、hideマネジメント事務所である株式会社ヘッドワックスオーガナイゼーション 代表取締役 松本裕士氏の挨拶で、来年の「hide 20th Memorial Project」の一端が発表になった。「2018年4月28日、29日にお台場野外特設ステージにて、hide with Spread Beaver他の出演で野外イベントを開催」「ドキュメンタリー映画の制作」「声と映像によるメモリアルボックス」「初のI.N.A.執筆本の出版」などである。さらにその他にもメモリアルな企画がいくつも進んでいるという。来年につながる壮大なプロジェクトの幕開けで、2017年の<hide Birthday Party>は華やかに幕を閉じた。松本氏は「2018年。こんな年はもうないと思うので、みなさん、楽しみにしていてください」と語っている。
取材・文◎大島暁美
写真◎nonfat creative(HIROYUKI UENO/HITOMI KATADA)
hide 20th Memorial Project 概要
2018年
4月28日(土)東京・お台場野外特設ステージ
4月29日(日祝)東京・お台場野外特設ステージ
[出演]
hide with Spread Beaver(両日)
and more...
■ドキュメンタリー映画
2018年春公開予定
■メモリアルボックス
1998年のhideの貴重な声と映像が20年の時を経て遂に作品化。豪華プレミアムパッケージにて発売。
タイトル:未定
発売日:2018年春発売予定
価格:未定
発売元:(株)エムアップ
■書籍『君のいない世界 ~hideと過ごした2486日間の軌跡~』
hide with Spread Beaver I.N.A. 著
2018年春発売予定
価格:未定
発売元:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
hideと共にすべての楽曲を制作してきた盟友I.N.A.が初めて綴る、hideとの出会い、音楽制作の日々、突然の別れ、そして未来……。
http://www.ymm.co.jp/feature/kimiseka.php
■バンプレストより新商品続々登場
・hideオリジナルぬいぐるみ新バージョン受注販売決定
[プライズに新アイテム登場]
・hide一番くじ 12/10より受付開始
・hide一番キャッチャーON LINE 12月13日よりスタート
・ゲームセンターに新商品登場。2018年4月予定
価格:未定
発売元:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス
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