【機材レポ】B'z、アルバム『DINOSAUR』RECサウンドシステム「また変わりたい」

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【AMPLIFIER編】

ギターアンプは、松本孝弘のギターテックチーム“FAT”による開発モデルFAT10とFAT13をはじめ、Marshall JCM800、Marshall JMP、Bogner Ecstasy Classic、EVH 5150Ⅲ、Peavey 5150、Fender Showman '61が使用された。大別すると、Fender Showman '61とFAT10がクリーン用、それ以外のアンプがディストーション用となる。なお、スピーカーキャビネットはセレッションのヴィンテージ30を4発搭載したボグナー製で、レコーディング使用スピーカーはこの1台のみ。

注目はPeavey 5150。1990年代後半から2000年代初頭にメインで使用されていたアンプだ。松本曰く、「昔の作品を聴いていたら、『ELEVEN』(2000年)のサウンドが太くていいなって思ったんですよ。どんなアンプを使っていたのか調べたら、Peavey 5150だった。それを引っ張り出してきてね」(松本孝弘)とのこと。「やっぱり昔が思い起こされるようなサウンドですし、そういう音を要する楽曲で使用されました」とは機材テクニシャンの弁だ。Peavey 5150のサウンドの感触が良かったことから、その最新モデルとなるEVH 5150Ⅲが急遽用意されるなど、レコーディングの場でイメージを膨らませることも。

今回のレコーディングではMarshallの使用頻度が高いことも印象的だ。Marshall JMPは日本の倉庫に保管していたものとLAのものと2種類(歪みを増強させるモディファイが施されている)が使用されたほか、JCM800はLAで試して導入されることになったもの。なお、使用はされなかったものの、ボグナーのシーバカスタムやカーヴィンのレガシーなど歪みの強いタイプも用意されていたとのこと。

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▲<AMPLIFIER>
上段がディストーション用のFAT13、下段がクリーン用のFAT10。ベーシックなスペックは変わらないものの、音質向上のための試みは繰り返されているとのこと。ちなみにFAT13はヘビ柄のレザーに張り替えられている。FAT10は「Still Alive」、FAT13は「Still Alive」「ハルカ」「声明」「ルーフトップ」「弱い男」で使用。


▲<AMPLIFIER>
上段から、Fender Showman '61、Marshall JMP、Peavey 5150。Fender Showman '61は「Purple Pink Orange」「弱い男」「ルーフトップ」「Queen Of The Night」「それでもやっぱり」「ハルカ」のクリーンパートで使用。Marshall JMPは「Dinosaur」Introductionをはじめ「CHAMP」「Queen Of The Night」「ルーフトップ」で使用。Peavey 5150は「King Of The Street」「Purple Pink Orange」で使用した。

このほか、Marshall JCM800は「Dinosaur」「声明」、Bogner Ecstasy Classicは「Dinosaur」「CHAMP」、EVH 5150Ⅲは「ハルカ」「それでもやっぱり」「SKYROCKET」「ルーフトップ」「弱い男」で使用された。

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【EFFECTOR and more編】

エフェクターは、FAT開発によるFAT514.D (ブースター)やFAT 314.C (コーラス)、ジムダンロップ製TM95 / TAK CRY BABY (ワウ)やデジテックのワーミー、同じくデジテックのドロップ (ポリフォニックドロップチューンペダル)、MXR Phase100 (フェイズ)、Maxon FL-301 (フランジャー)を使用。新導入されたデジテックのドロップは「オクターブ下をハモリで入れるときに、これまではワーミーを使っていたんですが、ドロップのほうがしっかりとした音像が出るので採用しました」(ギターテクニシャン)とのこと。




▲<EFFECTOR>
上段左からFAT514.D、FAT 314.C。中段左からMXR Phase100、Maxon FL-301、Digitech Drop。下段左からDigitech Whammy、Jim Dunlop TM95 / TAK CRY BABY。

ソロ時に使用されることの多いFAT 514.Dは「弱い男」「愛しき幽霊」「King Of The Street」を除く全曲で使用。FAT 314.Cは「Still Alive」「それでもやっぱり」「Queen Of The Night」で使用。Jim Dunlop TM95は「Dinosaur」のIntroductionほか、「ハルカ」で使用。Digitech Whammyは「Dinosaur」「Still Alive」で使用。Digitech Dropは「Dinosaur」のIntroductionほか、「Purple Pink Orange」で使用。MXR Phase100は「Dinosaur」のIntroductionほか、「ルーフトップ」「Purple Pink Orange」で使用。Maxon FL-301は「Dinosaur」のIntroductionほか、「声明」で使用している。

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▲<and more>
シールドはライブラインとFATとのコラボによるもの。ギターテクニシャン曰く「音がクリア」とのことだ。エレキギター用の弦はB'z/ソロ問わず、4~5年ほど前から使用しているSIT製パワーワウンドニッケルS1046ライトで.010~.046のゲージ。アコースティックギター用の弦はフォスファーブロンズP1150プロライトで.011~.050Bのゲージ。ちなみにチューニングは全曲レギュラーだったとのこと。

そして、真っ赤なボトルネックは松本孝弘オリジナル。“玲”ロゴが刻印された部分はフラットに、指を差し込む部分にはコンター加工が施されるなど細部に注目ポイントも。

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取材・文◎梶原靖夫(BARKS)
撮影◎土居政則







■20thオリジナルアルバム『DINOSAUR』

2017.11.29 RELEASE
【初回限定盤 (CD+DVD)】BMCV-8052 / 4,500円(税抜) 4,860円(税込)
【初回限定盤 (CD+Blu-ray)】BMCV-8053 / 4,500円(税抜) 4,860円(税込)
【通常盤 (CD)】BMCV-8054 / 3,000円(税抜) 3,240円(税込)
▼収録曲
01. Dinosaur 映画「ジオストーム」日本語吹替版主題歌
02. CHAMP 「セブン-イレブン」タイアップソング
03. Still Alive TBS系 日曜劇場「A LIFE~愛しき人~」主題歌
04. ハルカ
05. それでもやっぱり
06. 声明 UCC BLACK無糖 TVCMソング
07. Queen Of The Night
08. SKYROCKET
09. ルーフトップ
10. 弱い男
11. 愛しき幽霊
12. King Of The Street コーエーテクモゲームス『真・三國無双8』テーマソング
13. Purple Pink Orange

▼初回限定盤 特典DVD / Blu-ray 共通収録映像
<ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017>
01.さまよえる蒼い弾丸
02.Liar! Liar!
03.さよなら傷だらけの日々よ
04.有頂天
05.裸足の女神
06.イチブトゼンブ
07.Still Alive
08.衝動
09.juice
10.ギリギリchop
11.ultra soul

■<B’z LIVE-GYM 2017-2018 “LIVE DINOSAUR”>

2017年12月14日(木)北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2017年12月16日(土)北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2017年12月17日(日)北海道立総合体育センター 北海きたえーる
2017年12月23日(土・祝)福岡ヤフオク!ドーム
2017年12月24日(日)福岡ヤフオク!ドーム
2017年12月30日(土)ナゴヤドーム
2017年12月31日(日)ナゴヤドーム
2018年01月07日(日)東京ドーム
2018年01月08日(月・祝)東京ドーム
2018年01月13日(土)さいたまスーパーアリーナ
2018年01月14日(日)さいたまスーパーアリーナ
2018年01月20日(土)サンドーム福井
2018年01月21日(日)サンドーム福井
2018年01月27日(土)宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
2018年01月28日(日)宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ
2018年02月01日(木)京セラドーム大阪
2018年02月03日(土)京セラドーム大阪
2018年02月04日(日)京セラドーム大阪
※ナゴヤドーム公演は、カウントダウン公演ではなく、通常公演となります。
※さいたまスーパーアリーナ公演は、スタジアムモードでの公演となります。


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