伊藤万理華「お気に入りの10曲」/【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュ
音楽家/プロデューサーのトベタ・バジュンが毎回素敵なコンシェルジュをお迎えし、オススメの10曲のプレイリストを紹介していく【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュ、17回目のコンシェルジュにお迎えしたのは乃木坂46の伊藤万理華(2017年12月23日の握手会@仙台をもって乃木坂46を卒業予定)だ。
伊藤万理華のプレイリストは「お気に入りの10曲」がテーマになっている。インタビュー後に「好きな曲について語る機会がなかっただけで話したかった」と語るように、映画『あさひなぐ』の撮影エピソードや主題歌『いつかできるから今日できる』の楽しみ方はもちろん、好きな音楽や「制作に関わりたい」と話す映像に強く興味を示す姿が印象的だった。
●伊藤万理華「お気に入りの10曲」
(1)ウェンズデイ / Galileo Galilei
(2)親愛なるきみへ / Galileo Galilei
(3)今夜はから騒ぎ / 東京事変
(4)MEWTON / ハル(DIALUCK)
(5)The Greatest / シーア
(6)Drive It Like You Stole It /シング・ストリート
(7)A Night To Remember / ハイスクール・ミュージカル3
(8)1984 / andymori
(9)Snow Men / 星野源
(10)Handel's Sarabande / マクシム・ムルヴィツァ
◆ ◆ ◆
(1)ウェンズデイ / Galileo Galilei
Galileo Galileiが最後から2番目に出したアルバム『Sea and The Darkness』に収録されている曲なんですけど、解散する直前でした。この曲をしっかり聴くきっかけになったのが、去年の秋ごろにやっていた舞台『墓場、女子高生』で、(演じたのが)自殺して生き返る女の子の役なんですけど、全てがこの子に近い曲だなって思って。
(2)親愛なるきみへ / Galileo Galilei
自分がいろいろと悩んだ後、決心がついたときに誰かに伝えたいっていう歌詞で、自分ですごくしっくりきました。「こういう自分も認めてほしい・信じてほしい…それを誰かに伝えたいけどはっきり言えない」っていう繊細な気持ちを表現してくれてると思います。
(3)今夜はから騒ぎ / 東京事変
東京事変さんや椎名林檎さんの曲って、結構ジャズ調の曲も多いじゃないですか。そういう曲調が、私、結構好きみたい。この曲は、MVも含めて自分の好きな世界観を表現してくれていると思う曲です。
(4)MEWTON / ハル(DIALUCK)
以前PS4用ゲーム『GRAVITY DAZE 2』のウェブCMに出演したときのオリジナル楽曲なんですけど、やっぱり思い入れが深くて。あのときを思い出して「あのときの撮影楽しかったな」っていうアガる曲。すごくいい声ですよね。自分が猫を抱えて空に落ちていく瞬間に流れるんですけど、ムービーに合わせて盛り上がっていく感じで、すごくいいなって思います。
(5)The Greatest / シーア
これはMVを見て衝撃を受けて、毎日聴いてるくらい大好きな曲です。海外で襲撃事件が起きたときに亡くなった人のために作られた曲で、MVも実際にそういう事件があったことがわかるようなものになっています。シーアさんのMVにいつも出てるダンサーの女の子がいて、その子のダンスが大好きなんです。ずっと見ていたいなと思う曲です。
(6)Drive It Like You Stole It /シング・ストリート
映画『シング・ストリート』の中の「Drive It Like You Stole It」という代表曲で、ずっと聴いてます。バンドを結成する男の子たちの映画なんですけど、主人公の男の子が、自分の理想の世界の中で歌ってる。すごく勇気をもらえるし、ライブ前によく聴きます。
(7)A Night To Remember / ハイスクール・ミュージカル3
これは映画『ハイスクール・ミュージカル3』の中の曲で、高校のプロムっていうパーティーでみんなでダンスして歌ってる曲です。『ハイスクール・ミュージカル』は大好きでDVDもCDも全部持っています。ダンスがすごい好きで、乃木坂46に入る前から学校から帰ってきたら合わせて踊っていました。その中でも一番アガる曲がこれ。これもライブ前に聴きますね。テンション上げたいときによく聴きます。
(8)1984 / andymori
高校生の頃を思い出す曲。まだ学校に通ってたころからずっと聴いてたな。(今聴いて)懐かしいなって感じる曲です。
(9)Snow Men / 星野源
メロディーが好き。星野源さんの曲の中で一番好きな曲です。メロディー、曲調も含めてすごい大人な曲だなぁと思うんですけど、聴いててオシャレな気分になるというか、落ち着く。雰囲気に合わせて夜聴くことが多いです。
(10)Handel's Sarabande / マクシム・ムルヴィツァ
乃木坂46に入る直前までクラシックバレエを習ってたんですけど、そこの教室の楽曲セレクトが最高で、ジャズ調でバレエを踊るんです。その中でも一番思い入れが深い曲です。
◆ ◆ ◆
――『あさひなぐ』の撮影はいかがでしたか?
伊藤:今回は、舞台と映画の二大プロジェクトで、原作があるものを乃木坂46がやるとどうなるのかっていう試みだったんです。自分がどちらかに出られたらいいなっていう気持ちはあったんですけど、映画のほうに出られたのはすごい勉強になりました。映像作品がすごい好きなので。
――演者と歌手では、モードが変わりますか?
伊藤:そうですね、全然違います。普段は乃木坂46として出ていますけど、演じることにも興味があります。…というか、映像作品の制作現場が好きなんです。
――映画では部長(野上えり)の役ですよね。演じてみてどうでしたか?
伊藤:役を聞く前に原作漫画を読んでいて、すごくハマっちゃったんですけど、「野上えりちゃん役は、絶対私じゃないだろうな」って思っていたので意外でしたし、務まるのかという意味では「ちょっと難しいんじゃないの?」っていう気持ちでした。
――撮影は苦労しました?
伊藤:とりあえず形から入るしかないと思って、結構長かった髪をえりちゃんと同じくらいの長さに切りました。そこから入ったら変わるかなと思って。
――まずは形から。
伊藤:ちゃんと原作に忠実でありたいと思って。私もマンガが好きなので、もし自分の好きなマンガが映画になったら、やっぱり忠実であってほしいと思っちゃうから、どんなに顔が似てなかったとしても、ちゃんと「その子」であるように意識しました。えりちゃんはこうだろうと自分の中で決めつけることはせず、あくまでマンガを参考にしてやってました。
――完成してみて、どうでしたか?
伊藤:いや~…初号は正直フラットには見られなかったです。自分でダメ出しをしまくって、そればっかりで集中できなかった。そのあとに、キャストの二ツ坂高校の6名と一緒に話しながら見たんですけど、こうだったね、あぁだったねって話しながら見ると「あ、このシーンすごいいいんじゃないか」って思ったりもしました。でもやっぱり、客観的な意見もすごい気になります。
――見どころはどのあたりでしょう。
伊藤:なぎなたというスポーツがメインになっているんですけど、主人公だけじゃなくひとりひとりが持つ苦手意識に対し、ちゃんと自分と向き合って克服していくところです。
――スポ根ですね。
伊藤:そうですね。ちょっとは恋愛要素があったりするけど、まずは弱い自分自身と向き合う。見てくださる人も、10代、20代のころを思い出して「自分もこういう痛い思いしてきたな」とか、共感する部分はきっとあると思います。マンガはもちろんですけど、映画でも心理描写も多く、こだわって作ってあるので。
――面白そうですね。
伊藤:ただ練習して強くなったとかじゃなくて、いろんな人間関係があって、ここまで成長してここまでやれるようになったっていう。「いつかできるから今日できる」という楽曲のタイトルもそうですけど、頑張ればできるみたいな。
――私でも強くなれる?
伊藤:それが、ただの綺麗事じゃない風に聞こえると思います。
――主題歌の聴きどころはどうでしょう。
伊藤:やっぱり映画とともに感じてほしいなと思います。もちろん曲だけ聴くのもいいんですけど、映画が終わってエンドロールが流れるときの、イントロがすーっと入っていく感じが良くて。最初に聴いたときはよくわからなかったんですけど、ツアーで初披露させていただいたときにようやく沁みついたように感じました。気持ちも入ってしっかり歌えましたし、映画もやっている分、気持ちも強く入った気がします。
――今後の目標/夢は?
伊藤:今回の『あさひなぐ』もそうなんですけど、こういう現場が好きで「この空気をずっと味わっていたいな」って思ったので、映像関連には携わっていきたいです。
――女優として?
伊藤:映像を作るのが好きなので、そういう表現活動は今後も積極的にできたらいいな。
――ミュージシャンのMVに出演したり?
伊藤:いいですね、めっちゃやりたいです。やっぱり音楽が好きだし、そういう制作に関わりたいですね。
――自分で撮りたいと思いますか?
伊藤:撮る技術はないので、仲良くなった信頼できるクリエイターさんたちといつか作ってみたいです。
インタビュー:トベタ・バジュン
乃木坂46 19thシングル『いつかできるから今日できる』(映画『あさひなぐ』主題歌)
2017年10月11日発売
SRCL-9580(通常盤)¥1,050(税込)
◆乃木坂46オフィシャルサイト
◆【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュまとめ
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