【ライブレポート】KNOCK OUT MONKEY、東京ワンマンで「今日を人生で一番楽しい日に」

KNOCK OUT MONKEYが10月6日(金)、恵比寿LIQUIDROOMにて＜TOUR 2017 “HELIX”＞の東京公演を開催した。同ステージのレポートをお届けしたい。

◆＜KNOCK OUT MONEKY TOUR 2017 “HELIX”＞画像

＜TOUR 2017 “HELIX”＞は、5月6日の名古屋CLUB QUATTROを皮切りに12月9日の大阪･なんばHatchファイナルまで、全国20ヶ所を回るもの。9本目となる恵比寿LIQUIDROOMはゲストを招いて行われたそれまでの公演と異なり、本ツアー初のワンマンとなる。そのステージ上で、「前回、ここ(恵比寿LIQUIDROOM)で見た景色を、また見たくて”と語ったw-shun(Vo&G)の目に何が映ったものは前回以上の絶景だったようだ。


ライブの幕開けはアルバム同様「Louder」から。w-shunの「遊ぼうぜ東京！」という掛け声が会場のボルテージを一気に上げ、キレ味鋭くヘヴィなナオミチのドラム、全身で絞り出すようにしなやかでタイトな亜太のベース、力強く色彩豊かなdEnkAのギターが絡み合い、分厚い4ピースサウンドを構成していく。続く「Scream & Shout」ではフロアにモッシュやダイブが沸き起こり、会場全体が拳を掲げるなど、序盤からの異様な盛り上がりはファンの渇望感を表すもの。毎月全国各地でライブを行なっているKNOCK OUT MONKEYだが、東京ワンマンは実に1年3ヶ月ぶりとなる。

加えて、ダンサブルな「Open your mind」ではリズムに合わせ、桂三枝のモノマネでオーディエンスを煽ったほか、5曲目「Flight」の演奏が終わると、「メジャーバンドの中で最も短いワンマンライブ、ありがとうございました！」(亜太)との挨拶の後、メンバーがステージ袖へ。しかし、即座にステージへ戻ったメンバーは「ここからアンコールを始めさせていただきます」とサプライズともドッキリともいえる仕掛けで盛り上げる場面も。もちろん、関西ノリ全開のMCを含め、爆笑シーンの連続も彼らのライブの醍醐味のひとつだ。





「前から後ろまで、全員かかってこい！　跳べ!!」──w-shun

という合図と共に「Do it」「Reverse thinking」「The large world」へ。「夏っぽいことしませんか？」というw-shunの言葉に続いて始まった「cloud 9」では秋の長雨を忘れさせるような灼熱を会場内に描き切った。亜太の激しいシャウトとナオミチの深いバスドラサウンドに導かれた「1:48」が、dEnkAとw-shunの絶妙なツインギターを浮かび上げ、メンバー個々の確かな技量と膨大な熱量がフロアにサークルモッシュやヘドバンを誘発していく。

そのままの勢いで中盤にハードなロックチューン「Dog」、軽快爽快でリラックスムードの「Wake Up」を披露。そしてミディアムチューン「ピエロの仮面」へ。この3曲の流れが実に見事だった。様々な音楽的要素を織り交ぜたKNOCK OUT MONKEYサウンドは楽曲バリエーションが多彩であり、それだけで十分に魅力的だが、これらの鮮やかな配列がセットリストに大きな起伏を生んでステージにドラマを描く印象的なワンシーンとなった。続いて演奏された「fall down」「Run」といったアルバム収録曲も然り。アッパーな楽曲はよりハードにアグレッシヴに、切ない楽曲はよりエモーショナルにライブの場で再現される。



「時間は金では買えない。今を大切にしたいし、悔いのないようにしたい。だから今日を人生で一番楽しい日にしたい」──w-shun

と熱く語った想いは後半の狼煙。会場を巻き込んでの掛け合いコーラスが盛り上がりを加速させた「Burning」、w-shunと亜太のアクロバットなパフォーマンスが繰り広げられた「Paint it Out!!!!」、「昔の曲、やります」と披露された名曲「PLAY」など、雪崩れ込むような楽曲連打に息をつく間はない。「Our World」ではステージの端から端まで走り回る亜太など、終盤にも関わらずメンバーもボルテージを上げ続けた。



ラストナンバーの「Bite」を終えても会場の歓声は鳴り止まない。最後まで力強い歌声を届けたw-shunは「これがHELIXだ！」と大きく叫んでライブの幕を閉じた。少し肌寒い気候を見事に灼熱へ一変させたKNOCK OUT MONKEYの＜TOUR 2017 “HELIX”＞は、12月9日の大阪･なんばHatchファイナルまで、まだまだ続く。

撮影◎岸田哲平