【インタビュー】井口裕香「前を向いたら素敵な場所に行けて素敵な景色が見られるし前に進んで行ける」

■「もっとこうしたい！ああいしたい！」という気持ちが出てきている時だったから
■次の曲は今まで以上にファンの皆さんと何がしたいかというのがすぐに浮かんで

――カップリングの「JOURNEY」も春らしさのある曲で。

井口：これは『ダンまち』シリーズのスマホゲーム『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか～メモリア・フレーゼ』……略して『ダンメモ』の主題歌なんです。アプリといえどもフルボイスですし、スタッフさんの情熱がギュッと詰まっているアプリなんです。私も声優として参加させていただいているんですけど、歌のお姉さんとしても『ソード・オラトリア』ではなく、『ダンまち』っていうベルくんとヘスティアさまの物語……男の子主人公の感じを冒険とか出会い、ワクワク感で伝えた曲ですね。さわやかさよりは冒険感を重視しています。「頑張ります！」という瞬間や「会社、行ってきます！」のタイミングで聴いてもらえると。勢いがついていいと思います。歌い込めば歌い込むほど、私自身も元気になれる曲なんです。背中を押すつもりが押されていたというくらい、ハッピーに歌うことができた曲です。

――アーティスト盤には「ワン・オブ・ワンダーランド」が収録されていますね。

井口：この曲は井口裕香個人に焦点を合わせていて。実は仮タイトルは「ランランドッグラン」だったんですよ(笑)。

――面白いタイトルですね(笑)。

井口：私の好きなものを歌詞に込めたんですよ。

――めちゃくちゃポップな曲ですよね。

井口：曲が最初にあったんですけど、ライヴで盛り上がって、みんなが一緒に歌えて、みんなで弾けられる曲……ということで作っていただきました。コール＆レスポンスだけじゃなく、みんなと一緒に遊べる曲にしようというところから曲作りがスタートしたんです。私自身、制作に参加している感じがすごくあった曲です。




――そういう風にやりたいことを曲にするのも、ライヴを重ねたからこそですよね。

井口：そうですね。1月にライヴを終えて、このシングルの作成に取り掛かったので、自分ならではの思いもまだホカホカしていたんです。ライヴをやって、満足した気持ちから、ちょっとずつ「もっとこうしたい！ああいしたい！」という気持ちが出てきている時だったから、「次の曲どうしますか？」となった時に、今まで以上に、ファンの皆さんと何がしたいかというのがすぐに浮かんで。

――そのライヴ＜2nd LIVE TOUR 2016 az you like...＞（1月13日に行われた中野サンプラザでのライヴ）を収録したBlue-ray&DVDの発売が予定されていますね。発売日はお誕生日の翌日、7月12日で。

井口：はい。＜2nd LIVE TOUR 2016 az you like...＞が終わってしばらくは、今までにない満足感に包まれていて。一人でステージに立つことの意味や、大切さ、そこにはスタッフさんがたくさん携わってくれていること、今回はバンドさんではなくダンサーさんと一緒にステージに立ったこと……自分の中でいろんなドキドキとワクワクがあったことで、1stライヴよりも2ndライヴのほうが緊張していて。だから、終わった瞬間「やったー！最高！」ってなったんですよ。でも、「RE-ILLUSION」のレコーディングをして、一度ライヴで歌って、それに対しての取材もあって。また改めて、あのライヴから時間が経って、自分自身のステージや歌に向き合ったら、「こんなところで満足しちゃダメダメ！」という気持ちになっていて(笑)。今はまた、再びいろんな人のステージを見たりして、自分の中にインプットしている最中なんです。だから、こういう作品がリリースされることで振り返るのがこそばゆいです(笑)。

――得たものも大きくて、そこでやりたいことが増えたから、なおさらそう思うのかもしれないですね。

井口：まだ映像として編集されたものは見ていないんですが、見る前からこういう気持ちになっているので、見たら本当に穴を掘って入りたくなってしまうかもしれないです(笑)。客観的に見ての照れ臭さはありますけど、その時にできる限りの等身大のものは詰め込んだつもりですし、何よりも私よりみんなが盛り上げてくれて。今回は衣装なんかもチェック柄がテーマだったんですけど、そのチェック柄の一本一本を、みんながペンライトや声援で作ってくれたライヴだったので、そこを改めて、パッケージにして、思い出としてみんなで振り返って見ることができるのは嬉しいことだなと思います。

――韓国から来ていた方もいましたね。

井口：そうなんです。しかも金曜日の平日だったのに、皆さんが私のライヴに予定を合わせて来てくれたというのは嬉しいですね。それでも来られなかった方もいらっしゃると思うので、この映像作品で追体験をしていただきたいです。私ももう一度見て、掘った穴の中で一度冷静になって、今後、できること、できないこと、やりたいけど今ちょっと無理そうなことなどを仕分けして、次にライヴができたら、そこに万全の状態で臨めるように頑張りたいと思います。

――MCでお客さんのことを「みんな」じゃなくて「君」っていうじゃないですか。あんなにたくさんいても「1対1」でやっているという感じがして、すごくいいですよね。キュンとする。きっと、家で一人で見るとより「1対1」になれるのかも。

井口：伝わってくれるといいですね。自分の好きな環境で見られますから。これからも1対1で発信できるアーティストになっていきたいです。

取材・文●大橋美貴子





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