【インタビュー】井口裕香「前を向いたら素敵な場所に行けて素敵な景色が見られるし前に進んで行ける」

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声優アーティストとして活躍する井口裕香が5月24日に『RE-ILLUSION』を発売する。この楽曲はTVアニメ『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか外伝』のオープニングテーマとなっている。春らしいサウンドと出会いの季節にぴったりの言葉に心も弾むような楽曲だ。また7月12日には1月13日に行われた中野サンプラザでのライヴ「2nd LIVE TOUR 2016 az you like...」を収録したBlue-ray&DVDの発売。両作品について井口裕香に話を聞いた。

◆井口裕香~画像&映像~

■声優ではあるけれど、そこから枝分かれした「歌のお姉さん」として
■新たな一歩を踏み出すのに大切な作品と出会えたなと思います


――出演されていたアニメ『Lostorage incited WIXOSS』、とても面白かったです。結構ハマって観ていました。

井口裕香(以下、井口):ありがとうございます。

――オープニング・ナンバーの「Lostorage」もすごく合っていましたし、単なるカードバトルの話ではないところが特に。登場人物たちの人間模様が面白かったですね。

井口:そうですね、人格が変わってしまった登場人物だったり、登場人物がみんな人間的なんですよね。基本的にみんな、人間としての欲がすごい出ていて。そういう人間のいやらしさもしっかり描いている作品だったと思います。演じていてもすごく楽しかったです。

――なかなか深いアニメでした。新曲の「RE-ILLUSION」は、TVアニメ『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか外伝』のオープニングテーマですが、今作には出演はされてないんですよね。

井口:はい、そうです、こういうアプローチの仕方は意外と少ないんです。とはいえ、以前、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(以下、ダンまち)には声優として参加させていただいているので、世界観を分かった上でオープニングを担当させていただけるということがとても光栄だなぁと思っています。


▲「RE-ILLUSION」<アーティスト盤>


▲「RE-ILLUSION」<アニメ盤>


▲「RE-ILLUSION」<通常盤>

――主題歌となると責任重大ですよね。

井口:そうなんですよね。人気の作品だからこそ、今回の『外伝』ができたと思うので、視聴者の方やファンの方の期待も大きいだろうし、そういう作品の主題歌ということになるとスタッフさんたちの情熱もより強くなっていると思うので。私もデビューから4年という月日を経て、アルバム制作やライブを経験させてもらって、得たものをしっかり込めて行きたいなと思いました。私はもちろん声優ではあるけれど、そこから枝分かれした「歌のお姉さん」としての新たな一歩を踏み出すのに大切な作品と出会えたなと思います。

――「Lostorage」とはまた趣がガラッと違う、明るいタッチの楽曲ですよね。

井口:はい。一回聴いただけで、楽曲やアニメ作品の世界観までもスッと伝わるハッピーな音楽を作ろうということでこの曲ができました。「Lostorage」の時は、「Lostorage incited WIXOSS」の主題歌ということもあったので、「強さ」を打ち出していたり、少しダークで色味やメッセージ性も濃い楽曲でしたが、今作はリリースも春ですし、女の子が主人公の『ダンまち外伝』(『ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか外伝』の略式愛称)の雰囲気に合わせています。プラス、新たな井口裕香を見せて行こうということで、春っぽく。

――イントロのストリングスからすぐに春感が伝わりますよね。

井口:そうなんですよね。個人的にストリングスが入っているアレンジって、すごく好きなんです。最初のデモはピアノだったんですが、そこからさらにバージョンアップしたバージョン2でストリングスが入ったのを聴いて、今までにない音の使い方だし、音の厚みもあるし、爽やかだし、一気に好きになりました。いろんな音が入っているので、それが登場人物たちの心情にも当てはまる気がして。オープニングのアニメがついた時に、いろんなキャラクターたちが華やかにいろんな表情を見せてくれるんだろうなぁとすぐに想像できました。一回聴いただけで世界が広がったんですよ。

――歌詞の中では「RE-ILLUSION」という言葉が何度も出てきて、ここがすごく印象的で覚えやすいですよね。

井口:はい。ここは私も意識して、印象に残るように発音に気をつけて歌いました。

――「RE-ILLUSION」という言葉以外にも「鮮やかなパレットで君の色貰った」というフレーズも耳に残りますね。誰かと関わることで自分が変化していくというようなことが歌われていますが、ここらへんはストリートもリンクしていく部分?

井口:「Hey World」では、「(「ダンまち」の登場人物)ベルくんと神様ヘスティアちゃん」の物語という感じで、もうちょっと個人的というか、リスナーとの距離感が近い作品だったんです。今回は、「ダンまち外伝」の主人公の「アイズちゃんとみんな」「私とみんな」っていう世界が広がっているお話なので、みんなと出会って、私が変わっていくというところでのアイズちゃんの心情でもあり、歌のお姉さん・井口裕香として「私と君」だけじゃなく、「私とみんな」という感じに広がった一曲になっています。私もライヴでみんなからいろんなものをもらって、今ここに立てている。そういう思いを、作詞作曲の渡辺翔さんも私のライヴから感じ取って歌詞にしてくれているのかも。私の等身大であり、作品にもリンクしているんです。

――春という季節も出会いの季節ですから、季節感も出ていますよね。

井口:はい。春にピッタリの曲になるといいなぁと思います。まさに歌詞の一番最初の通り、新生活ってドキドキして、「あれも足りない」「これもできない」ってうつむいちゃったり、自分に自信がなくなったりしますよね。新学期でまた最初から始めるときは、そういうドキドキや不安もあるけど、うつむいてばかりじゃダメだし、もっと前を向いたら素敵な場所に行けて、素敵な景色が見られるし、もっともっと前に進んで行けるメッセージがこもっています。振り返らずに前だけを見ている歌詞なので、新生活にドキドキしている社会人や学生さんにも届くといいですね。

――ライヴでもすぐにみんなで口ずさめそう。

井口:そうなんです。楽曲を作ってくださっている渡辺翔さんは、何度も私の楽曲を作ってくださっていて、私のライヴも見てくれているので、ライヴでも、一度歌ったら、みんながすぐに口ずさめるような感じになっています。3月25日行われた<アニメジャパン>でも一度披露させていただいたんですよ。私のファンの方達の自慢の一つなんですけど、すごくお行儀がよくて、本当にいい人たちばかりで、だから、「RE-ILLUSION」は乗れる曲なんですけど、みんな心地よく聴いてくれていたんです。でも、お便りを読むと「本当はペンライトを振って、すごい盛り上がりたかったんです」って言ってくれていて(笑)。私と同じで照れ屋さんが多いし、リリース前の初披露だったので、次の機会では、遠慮しないでペンライトを持ってきて、盛り上がってほしいですね。

――ちなみにどこで盛り上げてほしいですか?

井口:まずはサビですね。ここはそれぞれ、みんなそれぞれ好きなようにノッて欲しいです。あとは落ちサビからのラスサビですね。グッと盛り上がっていくところがポイントではないかと思います。当然、「RE-ILLUSION」のところは、みんな一緒に歌って欲しい。あえて繰り返しが多めにあるので、耳に残る、一度聴いたら口ずさめる曲になっています。

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