【インタビュー】CIPHER [D’ERLANGER]、「いちばん大きかったのは死と向き合ったこと」

■“これが人生だ”ということを言うにあたって
■ベクトルが上を向いている言葉を掲げたかった

──もしかして今回のアルバム・タイトルというのは、“死”というものを意識し、そうしたことについて考えてきたからこそのものなんでしょうか？

CIPHER：そうですね。自分としては“これが人生だ”ということを言うにあたって、諦めて開き直っている感じではなく、もっとベクトルが上を向いている感じの言葉をここに掲げたかった。そんな時、知人を介してこの言葉に巡り合うことができたんです。それもまた何かの縁かな、と思っていて。

──自分の人生を愛し、謳歌している。それは自分の人生に関わるすべてを受け入れているということでもあるはずだし、“心底好きなことを遠慮なく堂々と”という先ほどの言葉とも重なってきます。ある意味、CIPHERさん自身の快感原則に忠実な曲たち、ということにもなると思うんですよ。で、そういう曲というのは、それこそこのバンドが心底好きな人たちにとっても、生理的なレベルで気持ち良く感じられるものであるはずで。

CIPHER：嬉しい言葉ですね。そうであってくれればいいな、と思っています。

▲8thアルバム『J’aime La Vie』

──話は戻っちゃいますけど、先日のライヴでもそれを感じたんですよ。もちろん往年の楽曲もちりばめられていましたけど、オープニングの「dummy blue」からアンコール最後に披露された「バライロノセカイ-Le monde de la rose-」に至るまで、このバンドはこの10年間という流れのなかで、しっかりと自分たちならではの新たな代表曲を作ってきたんだな、ということを。

CIPHER：そこを見てもらえるとありがたいですね。結局この10年、何を必死にやってきたかといえば、そこですから。何故そこまで必死にならなければならなかったかというのは、話し始めると長くなりますけど。

──そのあたりについては『MASSIVE Vol.26』(5/26発売)でもうかがいますが、とにかく今作は世の中に紹介される時には“再結成10周年記念アルバム”という打ち出し方になるんでしょうけども、それ以上の意義を持ったものになっているんじゃないかと思います。この作品が生まれたことによって、バンドが次に向かうことができる。

CIPHER：そうですね。そこが大事なのかもしれない。

──だからこそ、これから先もたくさん作っていただかないと。

CIPHER：ワ～オ！（笑）いや、ホントに毎回アルバムを出すたびに言ってますけど、そろそろ向こう5年ぐらいアルバムを作らなくてもいいんじゃないですかね？

──ということは、『J’aime La Vie』のツアーを5年間続けてくださるわけですね？

CIPHER：うーん、さすがにそういうわけにもいかんか（笑）。やっぱり“5年に1枚”は言い過ぎでしたかね。

──ええ（きっぱり）。だって5年後ということは、再結成15周年アルバムということになってしまいますから。節目にしかアルバムを出さないというのも嫌じゃないですか。

CIPHER：ですよね（笑）。まあでも…今を生きて…です。

取材・文◎増田勇一







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