【突撃取材】フラチナリズムが八王子市民に愛される理由とは?

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3店舗目は、ホンダカーズ 八王子東大和田店。いよいよ八王子フラチナ族(ファンクラブ)の隊長・馬場さんとご対面だ。こちらのお店では「ツートンの新規購入者にボディーコーティングプレゼント」というサービスが用意されている。

過去に自動車の販売をしていたというモリがイキイキと車の説明をしてくれたのだが、ひとまずその場は彼らのマネージャー・ちっぷちゃんに任せて、メンバーから離れたところで馬場さんにお話を訊いた。


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──フラチナリズムさんとの出会いを教えてください。

馬場さん:3年前です。肉の山本の社長に「うちの子たち(※)だから応援してあげて」って言われてネットで検索したら、スポンサーになってくれる88ヵ所のお店を探しているところだったので、すぐ応募したんです。それから田村さんと都築さんが打ち合わせに来てくれたんだけど、ピアスしてる人と髪の毛の長い人があまり好きじゃなくて(笑)。でも田村さんが膝小僧を揃えて「崖っぷちなんです」って名刺を渡してくれたときに、これはどうにかしなきゃいけないなって感じたんです。その後すぐにモリくんがCDを持ってきてくれたときには、「お金はいらないです」って代金を受け取ってくれなくて。この1,000円のお返しは必ずしなきゃいけないなって思ったことがいまの活動の原点です。(※山本さんは、4人が共同生活をしていた部屋の大家さん)

──今回のキャンペーンはどのような想いで呼びかけたのでしょう。

馬場さん:「フラチナリズム」っていう名前をみんなに覚えてほしかったというのが一番の理由です。名前を聞いたことがあれば、彼らがテレビに出演したときも「八王子の人だ!」って気がついてもらえますし。

──フラチナ族は何人くらいいらっしゃるんですか?

馬場さん:Facebookで呼びかけてフラチナ族を作ったんですが、入会するたびに会員番号をふっていて、いま925人くらいです。どんどん仲間が増えています。“家族のようなファンクラブ=フラチナ(家)族”というのが名前の由来です。

──すごい行動力ですね。さっきメンバーさんにフラッチー(フラチナ族のマスコットキャラクター)は、バンド発信ではないと聞いて驚きました。

馬場さん:子連れのファンが多いんですよね。子どもが飽きちゃったら、ライブを観ている途中で帰らなくちゃいけなくなるじゃない? 飽きないようにするにはキャラクターが一番かなと思って。あとは、子どもが覚えてくれれば宣伝のひとつになるかなと。なので、フラッチーはお喋りができるキャラクターだし、なおかつ子どもを抱っこして写真を撮るのが好きなんです。

──非公認キャラクターなんですよね?

馬場さん:「公認にしますか?」ってメンバーに言われたんだけど、嬉しくてびっくりして頭が真っ白になってしまって。その当時は、ふなっしーの非公認が大ブームだったので、つい慌てて流行語のような感じで「非公認で」と答えてしまいました。

──一番好きな曲はどの曲ですか?

馬場さん:「幸せのキセキ」。初めて聴いた曲だからスッと入ってきたのよね。でもうちのお店は年中無休だから、なかなかライブに行けなくて。

──さっき、松葉さんも同じことを仰ってました。

馬場さん:だから早くテレビに出てほしいんです(笑)。テレビやインターネットを通してならどこでも見られますからね。

──フラチナリズムさんが街の方に愛される理由ってなぜだと思いますか?

馬場さん:性格がいい! 礼儀正しいし、食べ物もすごくおいしそうに食べてくれるし、見ていて気持ちがいいんです。

──やはり人柄、性格の良さが魅力なんですね。では、メンバーへメッセージをお願いします。

馬場さん:フラチナリズムは、フラチナ族の元気の源です。いつもありがとう! 本当の家族のように思っています。フラチナリズムに出会えたおかげで全国に友達ができて生活が変わりました。私たちの夢のひとつでもあるので、これからも応援しています。

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続いてフラチナリズムコーナーを見学するため店内へと向かった。先の2店舗でも思ったけれど、やはりコーナーの規模が大きい。こちらではフラチナリズムのライブDVDが常に再生され、オリジナルグッズとして車に付けることのできるリボンマグネットや、同じ形のピンバッジの販売も。原価を差し引いた利益はフラチナリズムののぼり旗を設置するための費用にあてているそうだ。



衝撃的だったのは、密閉型の袋に入れられた香水を含ませたコットン、その名も“芸能人の香り”。なんと田村の香水と同じものを染み込ませているらしい。せっかくなので嗅がせてもらったところ、とてもいい香りだった。この発想も女性ならではといったところだろうか。また馬場さんは、街の各個店の店主が先生となって講義をするという事業「まちゼミ」で、フラチナリズムの魅力を伝えるための講義も行なっていると教えてくれた。フラチナリズムのファン仲間が欲しい人は、参加してみるのもいいかもしれない。最後には裏でスタンバイしていてくれたフラッチーも登場し、記念撮影をして取材を終えた。


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馬場さんは、メンバーのことを実の息子のように想いながら応援しているということがわかった。これからもきっとバンドの力になってくれるだろう、この人がいるなら安心だろうと、そう思わせてくれる行動力と企画力を持った、とにかくパワフルで明るい女性だった。

フラチナリズムが愛される理由を探るべく勢いのままに八王子へと突撃したわけだが、答えはすぐに見つかった。一番の収穫は、この人間関係が希薄な世の中でアーティストとファンとの間に生まれた温かい繋がり/絆を自分の目で確認できたこと。街の人たちのバックアップ体制は想像以上に厚くて熱いもので、“知らなかった”じゃもったいないことが多すぎると改めて実感した貴重な経験となった。ご協力くださったみなさま、本当にありがとうございました。

【 完 】

……と締めたいところだけど、アルバムの中身に触れずに終わらせてしまうといろいろとあれなのでもちろんちゃんと訊いてきました。次のページは、店舗間の移動中の車内で繰り広げられたプチインタビュー。

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