【インタビュー】J、ソロ始動前夜を語る「とんでもない存在になりたいと思っていた」
■LUNA SEAは他の4人と一緒に作り上げた新しいもの
■ソロは俺のロック観を体現するありとあらゆるもの
──そうやっていろんな刺激を受けていく中で、自分のやりたい音楽がもうひとつ生まれていったんですか? バンド=LUNA SEAとは別のところで。
J:いやいや……。
──当時の公式発表は、LUNA SEAの期間限定で活動休止にともなって、それぞれがソロを始めたということでした。実際のところは?
J:当時、バンドを取り巻いている状況はまさにカオスで。ものすごいスピードでバンドも進んでいたから、このまま行ったら空中分解するぐらいのテンションだったんだよね。
──言葉を選ばずに言うと、メンバー全員、我がままですよ。こだわりの塊みたいな5人。
J:そう、全てに関してね。
──しかも妥協はしないでしょ。外側にいた人間がそう思うぐらいだから、バンド内部にいたら相当なもの?
J:でもそうやって個性をぶつけてきたバンドだし、だからこそ何て言うのかな、プレッシャーも重圧もあって、かなりの負荷がバンドに掛かっていたと思う。そんな中でソロをやって、それぞれが力を付けて、また帰ってこようみたいな流れになり始めて。
▲『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』【スペシャルBOXセット】 |
J:いや、ソロを始めたいっていうメンバーも出てきたから。でも、今考えると、最初にソロをやったあの1年間がなかったら、もっと早くバンドはブッ壊れていたと思う。ソロを始めるとなったときが“俺自身の音楽って何だろう”って考えた最初でもあったよ。バンド=LUNA SEAの音楽ではなく、俺自身の音楽というものを。
──20年前の1997年にソロデビューしましたけど、その前にアナーキーのメンバーらとGaZaというプロジェクトもやったでしょ。ソロを始める何年か前から、バンドとは違う誰か、もしくは何かをJ自身、求め始めていたんですか?
J:求め始めていたというよりは、俺自身はどんな状況であれ“LUNA SEAを続けるべきだ”と思っていた人間だったから。ソロというものがどういう作用を起こすのか分らなかった、そのときは。でも、バンドを続けることが叶わなくなったときに、“自分自身の音楽をやるべきだろうな”と。“それはどういう形の音楽なんだろう”と。“俺がカッコいいと思ったことを純粋にやるだけ”と思ったんだよね。LUNA SEAだからとか、バンドマンだからということは置いておいて、自分自身が観て聴いて触れてきた音楽、自分が撃ち抜かれた音楽、もっと言えば流行り廃りではなく自分が一生鳴らしていける音。そういうものであるべきだし、ソロをやるならそういうサウンドを鳴らしたいって。音楽もそうだし、活動スタンスもそうだし、ありとあらゆるものが俺のロック観を体現する。LUNA SEAというのは、他の4人と一緒に作り上げた新しいものであるべきだと思ってたんだよ、それが、自分自身が触れてこなかったものだったとしてもね。で、一人になったときは、“俺はこういう人間です”というものを作りたかった。だから、俺がソロでやったものをLUNA SEAでやりたかったということではない。逆にやりたくないんだよ。
──向かう意識からして全然違うと。
J:違うし、嘘になっちゃうから。なぜなら他のメンバーは俺ではないからさ。それぐらいソロは自分の皮膚に近いというか、身体のパーツに近い音楽をやりたかったんだ。
──それにあたって、刺激されてきた音楽を初期から振り返るような作業とかもしたんでしょうか?
J:した、何度も何度も。“一体、オマエ自身は何なの?”って。いろんな音楽を聴いてきたけど、やっぱり立ち返るのはストレートなロックなんだよね。ほんと直球のスタイルというか。そこに戻っていく。さっきも言ったようにインダストリアルなものも好きだったし、ニューウェーブも好きだったけど、やっぱり本当に好きなのはそこにあるエネルギー。それを自分に吸収していただけなのかなと。でも自分がプレイするとか立つ場所は、ストレートなバンドサウンドというか。何かに例えようもないんだ。
──例えば「TIME IS DEAD」をアルバム『LUNA SEA』の2曲目に据えたのは、後々考えると“絶対の自信があったから”だという話でしたね。Jがソロをやる前夜は、それに近い絶対の自信もありました? それとも不安が常に寄り添っていた感覚も?
J:ひとつの挑戦でもあり、ひとつの挨拶でもありというか、さっき言ったように自己紹介をしているような感覚もあった。もうひとつはいろんなことにトライすることによって、新しい世界をシーンの中で広げて作っていける感覚もあった。ガンズのスラッシュとやったり、レコーディングエンジニアにジョー・バレッシーを迎えたり、アントン・コービンに写真を撮ってもらったり(※上段写真参照)、自分の思い描いているロックというものに対しての挑戦。日本人のひとりのミュージシャンとして、俺はどこまで通用するのかな、どこまで行けるのかなってことを、同時にしていたような気がする。その表現を観てもらったとき「Jってこういうヤツなんだろうな」って思ってもらえるんだろうな、と考えていた。だから不安というものはなかったよ。
──1997年6月、本当の前夜はどういう感じでソロデビューを迎えようとしていました?
J:いや、覚えてないな。そのとき日本に戻ってたんだっけかな。
──あんまり覚えてないということは、そんな大げさな感じでもなかったんですかね。夢にまで見てたソロでもないし、あるべくしてあった感覚なんでしょうか?
J:ずっと存在していたものがオープンになったという感じはする。みんなが見れるようになった、みんなが聴けるようになった、俺自身の音楽というものを。俺は楽器を持ったときからミュージシャンとしても、いちロッカーとしても、とんでもない存在になりたいと思っていたヤツだから、ソロはその第一歩だったと思うし。でもソロを始めたからといって、それが達成されたとも思ってなかったし。俺にとってはもうひとつの旅の始まり。そんな感覚だったんだ。
取材・文◎長谷川幸信
■『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』
【2CD】TCD-20062~3 3,800円+消費税
【2CD+DVD (MUSIC VIDEO)】CTCD-20058~9/B 6,000円+消費税
【2CD+Blu-ray (MUSIC VIDEO)】CTCD-20060~1/B 6,000円+消費税
【スペシャルBOXセット(2CD+DVD+BAND SCORE+PHOTO BOOK)※初回生産限定盤】CTZD-20054~5/B 12,000円+消費税
【スペシャルBOXセット(2CD+Blu-ray+BAND SCORE+PHOTO BOOK)※初回生産限定盤】CTZD-20056~7/B 12,000円+消費税
【F.C.Pyro.×mu-moスペシャルBOXセット(2CD+DVD+BAND SCORE+PHOTO BOOK)※初回生産限定盤】CTC1-20064~5/ B 12,000円+消費税
【F.C.Pyro.×mu-moスペシャルBOXセット(2CD+Blu-ray+BAND SCORE+PHOTO BOOK)※初回生産限定盤】CTC1-20066~7/ B 12,000円+消費税
※“F.C.Pyro.×mu-moスペシャルBOXセット”は、スペシャルBOXセットにシリアルナンバープレートが装着されたFC会員限定仕様
<DISC-1>
01. BURN OUT (2011 Mix Version)
02. PYROMANIA (2011 Mix Version)
03. Die for you (2011 Mix Version)
04. Feel Your Blaze (2011 Mix Version)
05. Sixteen (2017 New Vocal Version)
06. GO with the Devil (2017 New Vocal Version)
07. break
08. Evoke the world (2017 New Vocal Version)
09. Go Charge
10. RECKLESS
11. addiction
12. Vida Rosa
13. here we go
14. If you can see me
15. NEVER END
16. one reason ※新曲
<DISC-2>
01. ACROSS THE NIGHT (2017 Re-Recording Version)
02. Heaven (2017 New Vocal Version)
03. Graceful days (2017 New Vocal Version)
04. Tomorrow (2017 New Vocal Version)
05. NOWHERE (2011 Mix Version)
06. When You Sleep
07. Blank
08. Mirage #9
09. walk along -Infinite mix-
10. ray of light
11. white
12. baby baby
13. Endless sky
14. Everything
15. I know
<DVD / Blu-ray>
※新曲+全MUSIC VIDEO作品収録
01. BURN OUT
02. BUT YOU SAID I'M USELESS
03. alone
04. go crazy
05. Feel Your Blaze
06. Go with the Devil
07. NOWHERE
08. GET READY
09. break
10. Fly Away
11. TWISTER
12. walk along -Infinite mix-
13. RECKLESS
14. SALVAGE
15. I DON'T KNOW
16. Vida Rosa
17. BURN OUT -2011 ver.-
18. here we go
19. NEVER END
20. I know
21. one reason ※新曲
<BAND SCORE>
※リクエスト投票で各カテゴリー1位となった12曲と新曲「one reason」の計13曲収録
01. ACROSS THE NIGHT (2017 Re-Recording Version)
02. Die for you
03. Graceful days
04. Go with the Devil
05. NOWHERE
06. Evoke the world
07. Mirage #9
08. addiction
09. Vida Rosa
10. Endless sky
11. NEVER END
12. I know
13. one reason ※新曲
<PHOTO BOOK>
※最新撮り下ろし写真に加え、デビューから20年の歴史を彩ったアーティスト写真やライブ写真を未公開ショットも交えてパッケージしたフルカラー写真集
■<J 20th Anniversary Live Tour 2017 W.U.M.F.>
16:30 / 17:30
2017年5月13日(土) 高崎 club FLEEZ
17:30 / 18:00
2017年5月14日(日) 柏 PALOOZA
16:30 / 17:00
2017年5月21日(日) 札幌 cube garden
16:30 / 17:00
2017年6月03日(土) 高松 DIME
17:30 / 18:00
2017年6月04日(日) 岡山 IMAGE
16:00 / 16:30
2017年6月10日(土) 金沢 AZ
17:30 / 18:00
2017年6月11日(日) 名古屋 CLUB QUATTRO
16:15 / 17:00
2017年6月17日(土) 福岡 DRUM Be-1
17:30 / 18:00
2017年6月18日(日) 広島 CAVE-BE
16:00 / 16:30
2017年6月24日(土) 仙台 Rensa
15:15 / 16:00
2017年6月25日(日) 東京 EX THEATER ROPPONGI[FINAL]
16:00 / 17:00
▼チケット
前売¥5,300(税込/ドリンク代別)
■<F.C.Pyro. NIGHT vol.14>
17:30 / 18:00
2017年5月07日(日) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
16:00 / 17:00
▼チケット
前売¥4,800(税込/ドリンク代別)
※ファンクラブ会員限定公演のため、チケット一般発売はございません。
■<J 20th Anniversary Live 2017 W.U.M.F -Special 3 Nights->
OPEN 18:00 / START 19:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
2017年8月12日(土) 赤坂BLITZ [FC限定公演]
OPEN 17:00 / START 18:00
(問)F.C.Pyro. 03-5759-1488(平日14:00~18:00)
2017年8月13日(日) 赤坂BLITZ
OPEN 17:00 / START 18:00
(問)SOGO TOKYO 03-3405-9999
▼チケット
前売¥5,300(税込/ドリンク代別)
一般発売日:2017年6月24日(土)~
※8月12日はファンクラブ限定公演のため一般発売はありません
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