【ライブレポート】スティーヴン・タイラー、ソロの大阪公演はベストとも言える豪華過ぎる内容

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▲photo:(c)岸田哲平

スティーヴン・タイラー日本初のソロ公演は、彼のルーツ(過去)と現在を知る事のできる“スティーヴン・タイラー”であり“エアロスミス”のベスト盤とも言える豪華過ぎる内容だった。

◆スティーヴン・タイラー~画像~

2017年4月8日、全世界で1億5千万枚以上のアルバムセールスを記録するモンスターバンド“エアロスミス”のフロントマンであるスティーヴン・タイラーのソロとしてはキャリア初となるジャパン・ツアーの初日を迎えた。

通常エアロスミスであればアリーナ規模でのライブしか行わないが、今回はZepp Osaka Bayside。ライブハウス規模でスティーヴン・タイラーを拝めるとあって、当然チケットはソールドアウト。天気はあいにくの雨模様だったが、朝から大勢のファンが今や遅しと会場に集まっていた。

ライブは18時の定刻を過ぎたあたりで暗転し、スティーヴン・タイラーのヒストリーとも言えるオープニング映像が流れると、早速エアロスミスの大ヒット曲「Sweet Emotion」からスタート。オーディエンスをド頭から熱狂の渦に巻き込んでいくが、曲の後半ではジャム・セッション・パートを盛り込むなど、まさに今回帯同させているLOVING MARY BANDの実力を見せつけるかのようなパフォーマンスで観客を圧倒する。続いて間髪空けずに大ヒットバラード「Cryin’」へ。エアロスミスを代表する名バラードがいつもとは違い、LOVING MARY BANDによりさらに甘く切なく響きわたる。MCでは「ドウモアリガトウゴザイマス」と流暢な日本語で挨拶すると「エアロスミスは好きかい?僕も大好きさ!」といつものスティーヴン節を連発した。


そして「I’m Down/Oh! Darlin~Come Together」とビートルズのカバーを立て続けに演奏。まさにスティーヴンのルーツに触れる豪華過ぎるカラオケ大会のような選曲の後、MCでナッシュビルでのLOVING MARY BANDのギタリスト、マーティーとの出会いやソロ曲を制作するに至った経緯を語り、宇宙戦艦ヤマトの主題歌となったソロ曲「Love Lives」を演奏する。

その後、再びエアロスミスのヒット曲「Jaded」からソロ曲「Love is Your Name」へと続いていくのだが、そこではLOVING MARY BANDのメンバーがそれぞれギターやバンジョー、ピアノを自在にあやつりマルチプレイヤーぶりを見せつけると、続いてジャニス・ジョプリンのカバーである「Mercedes Benz」「Piece of My Heart」を立て続けにプレイ。そこではスティーヴンとLOVING MARY BANDの女性ベーシストとの掛け合いが始まり、若さによるパワーと経験による重みがせめぎ合う。

そしてMCで「次の曲は今のアメリカを象徴している曲」とエアロスミスの代表曲「Living on the Edge」のイントロがスタートする。そこですでにオーディエンスのテンションはフルスロットルであったが、会場はさらに熱を帯び始め大シンガロング大会へ。そこではLOVING MARYはギターのソロパート含めて音源に忠実な演奏を披露。もしかするとここ最近のエアロスミスでは見ることのできない原曲に忠実なパフォーマンスであったかもしれない。

その後ソロ曲「We're All Somebody From Somewhere」では歌詞で「俺はたい焼きが好きなんだ」と英語で歌詞をアレンジするなどのお茶目っぷりをみせつつ、MCで次の日本武道館でのライブに触れ、77年初めて武道館でライブを行った事、次の公演が思い出深いものだと語り名バラード「What it Takes」へと続いていく。そして「My Own Worst Enemy」からエアロスミスの代表曲「Dream on」のピアノの弾き語りが始まるとオーディエンスからは大歓声が。熱気冷めやらぬまま「Train Kept A-Rollin’」を披露し本編が終了する。

アンコールでほどなくして再びステージに戻ってきたスティーヴン。ソロアルバムでもセルフ・カバーとして収録されている「Janie’s Got a Gun」が始まるが、この曲のアレンジがまたエアロスミスでは考えられないようなダークなアレンジが要所で施されている。続いてソロ曲「Only Heaven」を披露すると、袖からスタッフがジャンベをスティーヴンの前に置いたかと思うとジャム・セッションがスタート。パーカッシヴなビートにオーディエンスもノリノリで踊っていると待ちに待った代表曲「Walk This Way」のイントロが! まさに今回のハイライトとも言える瞬間だ。オーディエンスのテンションは最高潮に。

そしてそのまま次の曲が始まったかと思うとなんとレッド・ツェッペリンのカバー「Whole Lotta Love」。ロバート・プラントのパートをスティーヴン・タイラーが歌うという、ファンにとってはよだれもののパフォーマンスでジャパン・ツアー初日を締めくくった。


▲photo:(c)岸田哲平

今回のスティーヴン・タイラー日本初のソロ公演は、まさにスティーヴン自身が肩の力を抜き、より歌う事を楽しみながらその雰囲気をファンと共有するパーティーのようなものであった。4月11日(火)の日本武道館公演では、我々にいったいどんな体験をさせてくれるのだろうか。

Text by 大抜卓人

セットリスト

<Steven Tyler LIVE IN JAPAN 2017 2017/4/8(Sat)@Zepp Osaka Bayside Set List>
1.Sweet Emotion
2.Cryin’
3.I’m Dowm/Oh! Darlin
4.Come Together
5.Love Lives
6.Jaded
7.Love is Your Name
8.I Make My Own Sunshine
9.Mercedes Benz/Piece of My Heart
10.Living on the Edge
11.We're All Somebody From Somewhere
12.What it Takes
13.My Own Worst Enemy
14.Dream on
15.Train Kept A-Rollin’
----Encore----
16.Janie’s Got a Gun
17.Only Heaven
18.Walk This Way
19.Whole Lotta Love

ライブ・イベント情報

<Steven Tyler LIVE IN JAPAN 2017>
東京公演 4月11日(火) 日本武道館
S指定席 \13,000 (税込)
A指定席 \11,000 (税込) Sold out

リリース情報

『サムバディ・フロム・サムウェア (デラックス)』
2017.03.24発売
UICU-1285 \3,672
1 マイ・オウン・ワースト・エネミー
2 サムバディ・フロム・サムウェア
3 ホールド・オン(ウォント・レット・ゴー)
4 イット・エイント・イージー
5 ラヴ・イズ・ユア・ネーム
6 アイ・メイク・マイ・オウン・サンシャイン
7 ジプシー・ガール
8 サムバディ・ニュー
9 オンリー・ヘヴン
10 ザ・グッド、ザ・バッド、ジ・アグリー&ミー
11 レット、ホワイト&ユー
12 スウィート・ルイジアナ
13 ホワット・アム・アイ・ドゥーイン・ライト?
14 ジェイニーズ・ガット・ア・ガン
15 心のカケラ(with ザ・ラヴィング・メアリー・バンド)
DVD
1 ラヴ・イズ・ユア・ネーム(From the TV Music Series“Front and Center”)
2 クライン(From the TV Music Series“Front and Center”)
3 心のカケラ(From the TV Music Series“Front and Center”)
4 ラヴ・イズ・ユア・ネーム(ミュージック・ビデオ)


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