【インタビュー】HIPPYが語る、広島県の魅力 〜食・観光・精神〜

ポスト

■広島でやる以外選択肢がないというか、広島を出る意味がないです

──HIPPYに形成されたその広島愛は、どのように育まれたものなんでしょう。

HIPPY:もちろん生まれ育った場所だからですけど、「原爆が落ちた街だから」というのもあるんです。原爆が落ちた時は夢も希望も無かった街と聞きますし、家族も人も失って50年は花も咲かないだろうって言われてた。けど、それをはねのけ、すごく住みやすく最高で大好きな街を作り上げてくれた先輩方へのリスペクトが、はんぱなく大きいんです。原爆を知らない世代の僕は「被爆体験伝承者」という活動もしているんですけど、もう被爆された方の生の声が消えようとしている。終戦から73年、10歳で被爆した方も83歳ですから。僕はこの10年間で生の声を集めているんですけど、聞けば聞くほど広島で活動することで広島の人をワクワクさせることができるのなら、そんな幸せはないと思う。広島でやる以外選択肢がないというか、広島を出る意味がないです。アルバム収録曲の「ひろいしま」っていう曲は、この地球をひとつの広い島と捉えて、自分の部屋からひとつの島が繋がっているイメージで書いたんですけど、広島にいるからこそのマインドだと思っています。だから、広島に来てくれるっていうのはめっちゃ嬉しいんですよね。

──自分の作品の話より広島の魅力を語るほうが活き活きしてる(笑)。

HIPPY:あははは(笑)、時間ができたら広島にぜひぜひ。いいところなんで。

──広島って素晴らしいアーティストもたくさん輩出していますよね。

HIPPY:めっちゃいますね。被爆された方は今でも差別に悩まされるとも聞きますから、そういう反骨精神みたいな部分はあるかもしれませんね。

──広島出身のアーティスト同士の繋がりってありますか?

HIPPY:同じ出身っていうことで、話しやすいっていう部分はありますね。HUSKING BEEの磯部正文さんも広島出身で、何度か対バンをやらせてもらった。磯部さんも「8.6」っていう原爆の日の歌を歌われてたりするので、そういう部分では意識的に繋がる部分はあります。今、同じレーベルにいることで運命すら感じちゃう。

──広島と言えば、吉田拓郎、浜田省吾、矢沢永吉から始まって、世良公則、ユニコーン、ポルノグラフィティ、Perfume、BABYMETALのSU-METALも広島出身ですよね。人口比率からすると凄いことで、土地柄なのか…空気がいいのかな、水がいいのかな。

HIPPY:何がいいんですかね。ちょうどいい感じがいいかもしれないです。人も多すぎず少なすぎず、欲しいものがいい感じにあって、海や自然もあって。

──素晴らしい環境のもとで、音楽を中心にしながらもMC業やタレント業/YouTuberなど、多彩な活動をしていますよね。音楽で食っていく難しさをどうみていますか?

HIPPY:音楽を長く続けるため、というのは課題ですよね。MCの仕事はたくさんのアーティストと出会う機会があるんですけど、最近ちょうど、音楽を長く続けるために行動されている方と出会ったんです。LITEの武田さんなんですけど、彼は行政書士をやられてるんです。武田さんは、バンドをやるため/音楽を続けるために行政書士になったって。

──それは、カッコいい。

HIPPY:めっちゃカッコいいでしょ。メンバー交代もせずバンドを続けていくために行政書士になって、いろんな補助金のもらい方を知りながら模索してやっているって聞いて、すごく感銘を受けた。武田さんのセミナーも受けたんですけど、そこにすごいたくさんバンドマンが集まっているんですよ。めっちゃおもろいでしょ?最高でしょ?今、音楽続けるためにみんな模索しているんです。そこで武田さんが「不動産転がしましょう」って(笑)。

──ぶはは、最高だ。

HIPPY:「ミュージシャンには時間とお金が必要で、不動産を転がすにしても僕たちに合うやり方がある」っていろいろ詳しく教えてくれた。「僕たちが音楽を続けることができる手段はまだあるぞ」って。セミナーもね、「頼まれたからやってるわけじゃなくて、知らなければ損だという思いもあるし、音楽を続けてほしい仲間がたくさんいるからやっている」って。そういう出会いがあるから、MC業は僕の糧ですよ。いろんなアプローチを知りアウトプットの仕方を考えながら、楽しくできたらなと思っています。

──そういう情報共有こそ大事ですね。

HIPPY:そうなんです。情報共有がすげぇ楽しかったり、ツアー回りながら物件探すなんてすげぇ楽しそうだな、とか(笑)。ワクワクすることや楽しむ方法って、知らないことがまだまだたくさんある。僕たちは人生のなかで、地球上にあるものを1%も知ることもできないでしょうから、なるべくおもしろいものを知って、いい仲間と楽しく過ごせたらいいなあ。

──そういう経験が曲になったり。

HIPPY:そうだと思います。今回の作品に関しては、変わらず自分がいいなと思ったことを曲にできていると思うので、たくさん聴いてもらえたらいいなあと思います。

──HIPPYの作品を聞いていると、年中楽しそうで(笑)笑顔がこぼれますよ。

HIPPY:あはは、ほんまっすか?暗いときもあるんですけどね(笑)。でも元気になっていく人を見て、僕も元気をもらいますから。

──「デブでもいいんだ」ということも分かったし(笑)。

HIPPY:デブ最高っすよ(笑)。

──カレーが空気だとは思ったことないけど。

HIPPY:あれは“境地”っすよ。モチベーションの問題の話であって、そこまでいけたらすげぇなあみたいな。カレーを空気のように吸う吐くしたらやばくないっすか(笑)?

──それはもう、人間じゃないわ(笑)。

HIPPY:ぜひ広島に来てくださいね。広島の旅行プランを考えているの見てると、楽しそうでうらやましいですよね。「広島人じゃなくなって、広島に旅行に行く」という経験をしてみたい!

──それだけは叶わないですね。

HIPPY:できない。あーいいなあ、広島に旅行できるって最高だなあ(笑)。

──もちろん旅行中のBGMは「きんさいや」で。

HIPPY:「きんさいや」のミュージックビデオは、宮島とか原爆ドームのシーンも入ってるんで、旅行前にぜひ。広島は本当にいいところですよ。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也


▲『HomeBase ~ありがとう~』

2nd Album『HomeBase ~ありがとう~』

2017年3月29日(水)発売
CRCP-40502 / ¥3,241+税
[DISC1(CD)]
1.花言葉
2.ひろいしま feat. 財部亮治, ABTVnetwork
3.きんさいや / TEE&HIPPY
4.君に捧げる応援歌
5.かあさんへ
6.泣き虫Good Day 笑ってGood Night
7.さよならマリンブルー
8.ポップンラブリー
9.HITSUJI
10.意識の高いデブ
11.今夜も君を
12.ウィルキンソン

[DISC2(DVD)]
1. きんさいや / TEE&HIPPY (Music Clip)
2. 泣き虫Good Day 笑ってGood Night (Music Clip)
3. 意識の高いデブ (Music Clip)
4. NICE TO MEET YOU feat. TEE (Music Clip)
5. 君を想う日々の中で feat. TEE (Music Clip)

■リリースイベント情報

<HIPPY 「HomeBase ~ありがとう~」リリース記念ミニLIVE&CD購入者特典会(サイン&写真撮影会)>
4月1日(土)広島・イオンモール広島府中
16:00スタート
ゲスト:財部亮治、ABTVnetwork

4月2日(日)広島・アリスガーデン
13:00スタート
ゲスト:財部亮治、ABTVnetwork

4月2日(日)広島・イオンモール広島祇園
17:00スタート
ゲスト:TEE、財部亮治、ABTVnetwork

この記事をポスト

この記事の関連情報