【連載】Vol.008「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
リアル・ロック&ソウルをとことん追求するTHE BAWDIES!新作『NEW』をひっさげてのLIVEを六本木で堪能!DANCE DANCE DANCE!!
ニュー・アルバム『NEW』がリリースされた翌日、2月9日六本木Billboard Live TOKYOでTHE BAWDIESのライヴを堪能した。エンジン全開、ダンス・ダンス・ダンス、ロッキン・ソウルフル・ファンキー・サウンドを会場内に発射でそれはそれはライド・オン!
1年前にあるコラムで“グルーヴ感あふれるジャパニーズ・ロック・グループ THE BAWDIES~今年も転がり続けてくれるぞ”と記したけど、彼らが2017年に入りますますローリング&ロックしていのをこの日のステージで実感。ニュー・レコーディング・ナンバー、懐かしの素晴らしい楽曲(Oldies But Goodies)、そして彼らの敬愛するアーティスト達のカバー・ソングを鏤めながらのステージング。ますますTHE BAWDIESフリークになってしまった。
ROY、TAXMAN、JIM、MERCY、THE BAWDIES 2年ぶりとなる6thアルバム『NEW』は全12曲収録。彼らの基本姿勢であるロックンロール/ロック/R&Bを継承していくというスタイルにしっかり拘りながらのオリジナル作品をエキサイティングなサウンド&もちろん英詞で次々に聴かせる。1960年代中期のブリテッシュ・ビート、60年代後半のサイケデリックな流れ、そしてR&B…。彼らの”凄さ”は、文化継承活動としてただあの時代をコピーするのではなく、オリジナル作品を中心にして彼らなりの”今のサウンド”にしてしまうところだ。ROYとそんなことを話したこともある。僕らが60年代中期にローリング・ストーンズからマディ・ウォーターズを教えられたように、THE BAWDIESファンは彼らからレイ・チャールズやサム・クック、オーティスレディング、キンクスやデイヴ・クラーク・ファイヴを…。これが音楽の素晴らしさ、感謝なのだ。
2月9日のファースト・セットはやっぱりこれでオープニング、『NEW』の1曲目「THE EDGE」。最初から飛ばしてくれるゼ、アップテンポのTHE BAWDIESキンキー・サウンド。同アルバム2曲目がこの日のセカンド・チューン、「HELLO」。アップ・ビートなアメリカン・ロック、ガレージなサウンドなのだ。
3曲目「EMOTION POTION」からROYはヴォーカルにより専念するためゲスト・ベーシストがジョイン。4月に13年ぶりのニュー・シングル「ensemble」をリリースするSCOOBIE DOのナガイケジョー。ヴァリエーションに飛んだ盛り上がり。09年の『THIS IS MY STORY』からのナンバーでROYのシャウトぶりに思わずのけ反る。12年のシングル「LEMONADE」はリズミックなブリティッシュ・ビート・タッチ・ソング。PVでテンプス・ウォークが垣間見られたりしたのを憶えているかな?!ここからピアノで丈青(SOIL&“PIMP”SESSIONS≫が加わる。タイトルも良い、僕らにとってはアーリー・シックスティーズのアメリカン・ポップス。
ここからは3曲カバーが登場。まずは40年代末期から80以上の楽曲をビルボード誌R&Bチャートに送り込んでいる20世紀を代表するアメリカの音楽家、レイ・チャールズの53年作品「MESS AROUND」。レイのアトランティック・レコードにおける3枚目のシングル。こうした隠れた名作を取り上げるなんて、大拍手!映画『Ray/レイ』登場楽曲でもある。続いてはTAXMANのヴォーカルで「ROLL OVER BETHOVEN」。彼のヴォーカルも実にいい味を出していて大好き。ロックンロール創世記、ボ・ディドリー、リトル・リチャードらとともに3大黒人ロックン・ローラーといわれ、ローリング・ストーンズやビートルズのお師匠さん的存在のチャック・ベリーの代表作。56年夏の大ヒットでBB誌R&Bチャート2位を記録。B4ほか全世界で多くのアーティストが取り上げている。ちなみのこの時間、ROYは下手側客席でドリンクしながら“オーディアンス状態”(笑い)。もう1曲カバーが続くところでブラス・セクションもジョイン。トランペットのタブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)とテナー・サックスの栗原健(Mountain Mocha Kilimanjaro, CENTRAL)。「SHAKE A TAIL FEATHER」。アップ・テンポのR&Bスタンダード、もちろんブラスをフィーチャーしてよりファンキーな世界をクリエイト。トゥイストがまだまだ人気を博していた63年にワン・ヒット・ワンダー、ザ・ファイヴ・デュ・トーンズでBB誌R&Bチャート28位を記録。67年には「恋のあやつり人形」でお馴染みジェームス&ボビー・ピューリファイでリバイバル、R&Bチャート15位。80年の映画『ブルース・ブラザーズ』でのレイ・チャールズを中心としたヴァージョンもよく知られている。
そして10年シングルの「JUST BE COOL」&「HOT DOG」。ダンサブルな前者ではオーディアンスも手をあげてダンス。超アップテンポの後者でのROYのダンスがとってもファンキーなのが印象的。TAXMAN、JIMのギターも冴えわたる。エンディングはMARCYのドラミングでびしっとキメル。ここでピアノ&ブラス・セクションはオフ。
最後の2曲は『NEW』から。まずは「SHAKE,SHOUT & SOUL
」。小刻みなビートの中でまさにROYはshout shout shout。そしてラストはアルバムでもやはり最後に収録されている「NEW LIGHT」。ミディアム・テンポの哀愁感を漂わせる。実に心地よい世界。ROYはこのタイプの楽曲も実にうまく纏めあげる。まさにシックスティーズ・ポップスなんだけど、「そこにエイミー・ワインハウスのエキスを加味して今のフィーリングを醸し出す」と、終演後にバックステージでROYの説明をもらった。
アンコールは2曲。まずはROY&丈青でスロー・バラード「BRING IT ON HOME TO ME」。もう何の説明も不要だろう、若くしてしてこの世を去ったサム・クック(1931~64)の62年の大ヒット。BB誌R&Bチャート2位、同誌HOT100で13位。下手KBD前から動かず切々とソウルフルに歌い上げるROY。感動だ。曲後、08年にBillboard Live TOKYOでのオーティス・クレイの思い出を語る。偉大なる伝説のソウル歌手と同じステージに立てたことをとても素直に喜んでいた(昨年この会場でのドン・ブライアントLIVEでROYとセイ・ハローした)。そしてファイナル・チューンはこの日の出演者全員の揃い踏みで「LAND OF 1000 DANCES」、「ダンス天国」。オリジナルはクリス・ケナーだけど、日本でもエキサイティングなステージを披露してくれたことのあるウィルソン・ピケットの66年の大ヒット。R&Bチャート1位、HOT100で6位。60年代のソウル・レビューの雰囲気をダイレクトに感じさせるステージング。もう一度シャウトさせていただく、ライド・オン! そしてWASSHOI!!
*ライヴ写真
Photo:Yuma Totsuka
提供:Billboard Live TOKYO
*THE BAWDIES直筆サイン入りポスターのプレゼント!
メンバー4人が直筆サインしてくれたポスターを1名様にプレゼント。プレゼントのコーナーをチェック・イット・アウトですよ。
*NEW BEAT TOUR 2017
http://www.thebawdies.com/live/
☆☆☆☆☆
*LIVE インフォメーション
【ザ・テンプテーシンズREVIEW featuring デニス・エドワーズ】
R&B史にその名を残すモータウン・サウンドの代表的コーラス・グループ、テンプテーションズが日本に帰ってくる。60年代後半にメンバーとなったデニス・エドワード率いるテンプス。代表作「My Girl」をはじめ90近いソウル・チャート・イン・ナンバーから何が登場するか今からドキドキ。マイ・リクエストは「Since I Lost My Baby」「(I Know)I’m Losing You」「All I Need」「I Wish It Would Rain」「I Could Never Love Another(After Loving You)」…。テンプス・ウォークもしっかりレッスンしておこう。
◆Billboard Live TOKYO:
2017/3/20(月・祝日)
1stステージ開場15:30 開演16:30
2ndステージ開場18:30 開演19:30
2017/3/21(火)
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
◆Billboard Live OSAKA
2017/3/22(水)
1stステージ開場17:30 開演18:30
2ndステージ開場20:30 開演21:30
INFO PC: www.billboard-live.com
INFO MOBILE: www.billboard-live.com/m/
【マイルスElectric Band】
このところ映画『MILES AHEADマイルス・デイヴィス空白の5年間』でも話題になっているジャズの帝王と称されたマイルス・デイヴィス。1970年のLP2枚組『ビッチェズ・ビリュー』は僕らロック&ソウル・ファンの間でも人気を呼んだ。81年の新宿西口でのコンサートは印象深いものがあった。そんな素晴らしきジャズマン、マイルスのスペシャル・プロジェクト公演。『デコイ』『ユア・アンダー・アレスト』『オーラ』といったアルバムにその名を残すマイルスの甥のヴィンス・ウィルバーン・Jr.、マイルス・ファンにはよく知られるロバート・アーヴィング3世を中心に20年以上にわたりローリング・ストーンズのサポート・メンバーでもあるダリル・ジョーンズ。P-FUNKフリークには馴染み深いブラックバード・マックナイト。そのほかジョン・ビーズリー、DJロジック…。マイルスをリスペクトする敏腕ミュージシャンによるMDトリビュート。楽しみだ!
◆Billboard Live TOKYO:
2017/4/7(金)
1stステージ開場17:30 開演19:00
2ndステージ開場20:45 開演21:30
2017/4/8(土)
1stステージ開場17:00 開演18:00
2ndステージ開場20:00 開演21:00
◆Billboard Live OSAKA
2017/4/10(月)
1stステージ開場17:30 開演18:30
2ndステージ開場20:30 開演21:30
INFO PC: www.billboard-live.com
INFO MOBILE: www.billboard-live.com/m/
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