【インタビュー】「明確なビジョンを持って海外進出を」──ACE1、世界中のEDMファンに「YES」をもらった新曲「EMPIRE」をリリース

■「DJ」なのか「プロデューサー」なのか、
■日本人がいない立ち位置を目指したい

──韓国の著名クラブ「オクタゴン」でもDJプレイをなさっていますが、客層はいかがですか？

ACE1：オクタゴンは観光ガイドに載っているような観光地なので、いろいろな国の方が──もちろん日本人含め、多いですね。アジアでプレイしているというより、欧米でプレイしているという感覚です。


──日本でプレイするときと選曲の違いは？

ACE1：かなり違います。オクタゴンでやったときは海外でのフェスっぽいプレイ……日本でやるときはイベントにもよりますが、通常クラブでやるときは、少し日本のお客さんに寄せたような選曲になります。「攻めた」選曲をしてもお客さんに響かないときが多い。なので海外では僕が考える「攻めた」プレイを、日本ではアンダーグラウンドになりすぎないようなプレイをするようにしています。

──言い方が悪いですが、日本では妥協してプレイしているところもある？

ACE1：本当に流したいものをかけられているかというとそうではない。これもDJとしての自分の考え方によりますが、「DJ」なのか「アーティスト」なのか、その違いはあると思います。「アーティスト」であるならば自分の曲を流せば流すほど知ってもらえる。「DJ」としてならお客さんが盛り上がることを考えてプレイすべきだとも思います。いろんな理論がありますよね。そこをせめぎ合いながらプレイしている。僕としてはSPINNIN'Recordsからリリースをさせてもらえたし、いまは「アーティスト」の面を強く打ち出していきたいと思っています。日本人でその位置にいる人がいないので、そこを目指したいんです。

──新曲「EMPIRE」がSPINNIN'Recordsのタレントプールで1位というのはどんな感想を持ちましたか？

ACE1：率直に結果としてすごくうれしかったですね。いろいろな国の方が投票している中なので。実は曲が出来てからリリースまで少し時間が空いたんです。いいものができたので、どこでどうやってリリースするか、悩んでいたところもあって……海外のレーベルとやりとりをしていたらすごく時間が経ってしまった。曲って出来も大事ですがタイミングもすごく大事。だから音の内容的にもちょっと遅かったなという印象だった。でも投票をしてもらって1位を取れたので、世界でもそれなりに評価を得られたのだというのが僕の解釈。ただ、今回ワーナーからリリース出来たものの、SPINNIN'Recordsからのリリースにいたらなかったので、次の課題もできた感じですね。学んだことがたくさんあります。

──では今後、楽曲制作に力を入れていこうと？

ACE1：その気持ちはあります。がんがんリリースをしていこうというよりは、常に戦略を考えていて……いつ、どういうものを、どこからどう出すか……DJもやりながら制作もやりたいので、そういうことをいろいろと考えてます。


──ファッションブランドの話を聞かせてください。

ACE1：学校を卒業して、最初はセレクトショップを立ち上げたんです。いわゆる渋谷系です。で、1年もしないうちにブランドを立ち上げました。「黒っぽい」「男っぽい」感じのブランドで、そのスタイルのままズーッとやっています。会社内では2〜3のブランドを持っていましたが、僕がディレクションをするのは一貫してそのブランド一本です。

──アパレルとDJは、スタイルとしてリンクしていますか？

ACE1：この服がこの音なのかっていうのは難しいですけど（笑）、僕がアイコンだからつながる、そういうことだと思ってます。

──今後もDJをしつつ、ブランドをやりつつで活動をしていく？

ACE1：僕はDJとして前に出ます。当然ファッションもDJの要素のひとつだと思ってます。新しいブランド「STRAITE」があるんですが、どうせ前に出るんだったら自分でエクステリアも作って着て、自分がいいと思うスタイルで前に出たい、そしてそれを共感して共有して一体感を感じたい、そういう感覚なんです。音楽もファッションも僕のライフスタイルですね。

──今年の目標を教えてください。

ACE1：まだ決まっていませんが、大きな契約の話があります。今年は本格的な海外進出を目指しています。

取材・文＝BARKS





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