【インタビュー】「明確なビジョンを持って海外進出を」──ACE1、世界中のEDMファンに「YES」をもらった新曲「EMPIRE」をリリース

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■ビッグなフェスティバルや著名なDJを見て
■こうなるにはどうすればよいかビジョンを持っている

──EDMというジャンルを意識し始めたのはいつごろでしょうか?

ACE1:4〜5年前ですかね。そのときはいわゆるEDMのDJはやってなくて、まだトランスをやっているときでした。意識はしていましたけど、今後自分のDJスタイルをそうすべきか、悩んでいた時期でもあります。DJスタイルをトランスからチェンジすべきかどうか……葛藤しながらやっていました。結果2〜3年前から徐々にEDMをかけ始めたわけなんです。

──それから世間的に名前がより知られていった?

ACE1:もともとDJ ACEとしてメディアに露出していたので、ACE1というEDM DJ用の名前を使ったことで大きく知名度が上がったということはないと思います。今まで通りやりつつも海外に視野を広げ、徐々にまた新たな人にも知っていってもらえてるという感覚。

──海外に招聘されるようになったのは?

ACE1:海外に呼ばれるようになったのはACE1になってから……というかトランス時代はそういう(海外へ出る)ことをあまり意識してなかったかも。目標となるものがなかったからだと思いますが。今って分かりやすい目標……例えばTomorrowlandやULTRA、EDCといった大きなフェス……そこのヘッドライナーになるという目標もありますし、情報化社会でそういうものが手にとって見やすくなっていますよね。当時は例えばTomorrowlandに匹敵するトランスのイベントがあっても、なかなか目の当たりにする機会がない。だからビジョンが明確になりづらかった。今はいつでもどこでも情報が手に入るからそういう目標を意識しやすい。ビッグなイベントや著名なDJを見て、こうなるにはどうすればいいか、それを逆算するようになる。僕の中ではそれを目にするからできることだったんです。なので、今はよりビジョンを明確にして活動をしています。


──ACE1さんは世界基準の曲作りをしていますが、その秘訣は?

ACE1:海外の人間とやりとりをする機会が多いせいかもしれませんね。アドバイスを受けたり、常に相談できる相手がいる。そういう環境があるからだと思います。クオリティもそうですが、日本人は日本をマーケットにして動いていることが多い。日本を見ている曲なのか、世界を見ている曲なのか、作り方も違ってくると思うんです。僕は常に世界を見て作るようにしています。もともとトランスをやっていたせいもあってヨーロッパっぽい感じを意識して作ってますね。

──今の世界のEDMシーンに関してどういう感想を持っていますか?

ACE1:いまだに、明らかに経済効果はすごい。現状はEDMと呼ばれているものも形が変わってきているし、同じフェスでもだいぶ内容が違ってきている。EDMって今後もいろいろなものが取り込まれていくと思いますが、僕は二極化するのかなと思っています。ポップスによる部分と、アンダーグラウンドな部分。EDMってアンダーグラウンドな人から見ると曲の展開も流れもないし、どうなの?と論議されていますが、EDMは基本的にコンサート。そのままコンサートでいくのか、それはDJとして違うという意見もあるから流れを考えてという方向性なのか……クラブとフェスで違うと思いますが。EDMというカテゴリーは……呼び方はどうあれ、今後も健在だと思う。特に日本はまだまだこれからかなと思います。といいつつも何がEDMなのか分からない部分もありますけど(笑)。

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