【インタビュー】第一興商が強力プッシュするD-PUSHアーティスト2017年 第1弾アーティストにBRADIOが決定!
■鮮度というものを大事にしたくて一度も練習せずに歌録りに臨んだんです
■今回はフリーな状態で録ったからその時の感覚を活かせたテイクが録れました
――続いてプレイについて話しましょう。『FREEDOM』を録るにあたって、それぞれプレイ面や音作りなどで意識したことは?
有希:前回のアルバムから1年ぶりのレコーディングだったので、その間に培ったものを表現できれば良いなというのがありました。あとは、シンプルだけど、そこに一本筋が通っているドラムということも意識しましたね。プレイで印象が強いのは「Get Money」です。実は、僕は20歳過ぎくらいの頃はメロディック・パンク・バンドをやっていて、その頃のことをフと思い出したりして楽しかった(笑)。さっき話が出た間奏とか、後半は結構やっちゃっているので、ぜひドラムにも耳を傾けて欲しいです。
――同感です。ドラムに関しては、曲によって大らかなビートと細やかなビートを使い分けていることも見逃せません。
有希:僕は体格の良いドラマーではないので、繊細なところで色を出せたら良いなと昔から思っていて。なので、そこに気づいてもらえたのは嬉しいです。まだまだ吸収することはいっぱいあって、両方の幅を広げていきたいですね。あと、今回は音色にもこだわって、曲のキーに合わせてチューニングしたり、曲調に合わせてシンバルを使い分けたり、エンジニアの人と相談してマイクの種類を変えてみたりしたんです。煌びやかな音にしたい時はコンデンサ・マイクで録って、逆に暗い音にするためにフロア・タムを録るようなマイクで録ったりとか。音作りの面でも勉強になることが多くて、今回は本当に良いレコーディングになりました。
亮輔:このアルバムを録るまでは、プリプロでベースを100パーセント作ってしまって、それをガッツリ練習して本番に臨むことが多かったんです。今回は時間がないというのもあったけど、ちょっと自由にやってみたいなと思って。さっき話した「思い通りにならない世界」と同じように、歌詞の世界をイメージしながら弾いたり、景色を見ながら弾いてみたりすることができたんですよね。それを、いろんな曲に散りばめられたというところで、自分の中に達成感があります。
▲『FREEDOM』【初回生産限定盤】
▲『FREEDOM』【通常盤】
――有希さんのドラムと同じように、王道的なファンク・ノリやモータウンっぽいグルーブ、ニューウェイブっぽいプレイなど、幅広いグルーブを見せていますね。
亮輔:分かってもらえましたか? メッチャ嬉しいです(笑)。その辺は本当に、意識的に使い分けているから。全曲同じカラーでいくんじゃなくて、それぞれの曲で出したいベースの色を明確にしてから取り組みました。
――それに、カッコ良いフレーズも満載です。
亮輔:フレーズでは負けたくないという気持ちがあるんです。うちは結構個性的なプレイヤーが揃っているから。みんなと渡り合いたいという気持ちがあるし、ベースだからといって埋もれるのもすごく嫌なんですよ。音楽に詳しくない人は曲を聴いても、どれがベースなのか分からなかったりしますよね。ベースの魅力をもっと知らしめていきたいという気持ちがあるので、今後はもっとベースが前面に出ている曲とか、スラップしまくりの曲とかもやってみたいなと思っています。
聡一:今回はどっちかというとギターがどうとかは、あまり考えていなくて。それこそベースがどう来るのかとか、鍵盤やブラスがどう来るか、メロディーとコーラスがどう来るかということに対して、居心地が良いところを探していった結果がこれ…みたいな感覚でアレンジしていきました。それでやりたいと思ったことができなかったというのはないけど、ギタリストとしてのプライドを良い意味で持っていなかった気がしますね。ただ、ギターが入っているのか入っていないのか分からないような作品にはしたくなかったんです。それは、BRADIOは違うんじゃないかというのがあるから。めちゃめちゃギターが前に出ている曲もあれば、サウンドに溶け込んでいる曲もあるということを、楽曲マターで考えることができたかなと思います。
――ギターも幅広さを見せていますね。たとえば、「KAMISAMA」の間奏では、ちょっとアラン・ホールズワースを思わせるソロを弾かれています。
聡一:「KAMISAMA」は、正直誰にも気を遣わなかったです(笑)。この曲は1コーラスのデモをフルコーラスにしていく時に、中間で違う世界に行きたいという話になって。そうしたら、亮輔がキーを間違えてベースを弾いていたんですよ。なんか変だなと思ったけど、それが面白くて。それで、このままいこう…みたいな(笑)。だったら、ギターも変わったハモリを入れて変な世界にしようと思って、ああいう風に仕上げました。この曲は、すごく楽しかったです。
――「Get Money」同様、バンドの柔軟さがよく分かります。「ギフト」や「蝙蝠」のエモーショナルなギター・ソロも聴きどころです。
聡一:その2曲のソロは、本当に気に入っています。特に「ギフト」は良いニュアンスを出せたし、音も良いと思う。レコーディングのトラックが良過ぎて、ライブで弾くのがメチャクチャ難しいです(笑)。「蝙蝠」は“ちょうど良い”がテーマだったので、やり切らないし、やらなさ過ぎない…みたいな。いるけど、いないみたいなことをやりたくて、それが上手くできたかなと思います。
貴秋:今回は歌ううえで重要になってくるメンタルとフィジカルのバランスが、すごく良かったなと思っていて。前回は、がんばり過ぎて届かなかった部分もあったんです。今回は、歌うのは楽しいなと思いながらレコーディングすることができて、それが良い結果を生んでいるんじゃないかなと思います。
――アッパーな曲の歌はすごく躍動感に溢れていて、スタジオのブースで歌っているとは思えません。
貴秋:今回はすごく鮮度というものを大事にしたくて、一度も練習せずに歌録りに臨んだんです。今まで凝り固めてから録っていて、それが本番でできなくてメンタルが落ちていったりしたんですよ。今回はフリーな状態で録ったからそういうことはなくて、その時の感覚を活かすことで、良いテイクが録れました。
――それぞれ自分に合うレコーディングの仕方が分かってきたんですね。歌に関しては、熱いイメージがありつつアルバムの半分ほどは繊細な歌を披露していて意外でしたし、そういう歌の良さに惹き込まれました。
貴秋:ありがとうございます。実際ゆったりしたもののほうが好きだったりするんですよ。今回は、それも含めて自分の幅広さを出せました。「KAMISAMA」とか「Revolution」とかは気が触れたようなボーカルが録れたし、「ギフト」とか「思い通りにならない世界」「Colors」辺りは繊細な歌になっていて。要らない力が抜けたというか、リラックスして歌えたことが本当にデカかったです。
――さらに、『FREEDOM』のリリースに伴う全国ツアーが3月から4月にかけて行われます。
貴秋:ツアーは、とにかく楽しみです。今回のアルバムでBRADIOはファンキーなだけじゃないということを出せたことは、バンドとしても、自分が生きていくうえでも本当に大きなことだなと思っていて。今度のツアーでは、今まで以上にいろんなものを伝えられると思うんですよ。それはすごく素敵なことだし、人に寄り添うことで大きなパワーを発するだろうし。僕は、ライブに来てくれた人がBRADIOというフィルターを通して、人生というものを見出してくれると良いなと思っているんです。なぜ自分は生きているのかとか、なぜツラい思いをしても生きるのかといったことは、誰しもが考えます。今度のツアーは、それに対する僕らなりの答えをしっかり用意して臨みたいと思っています。
聡一:アルバムを作る作業というのは本当に大変だし、クローズされた空間で行なうので、ストレスが溜まるんです。そうやって一つ形ができあがったものを披露しに行くというのは、僕にとってご褒美的な感覚があるんです。だから、ツアーは本当に楽しみですね。それに、今回は今までやってきたツアーよりも本数も多いし、キャパシティーも数百から数千ということで、『FREEDOM』を体現したようなツアーだなと思うんです。上も下も広くて、横も広くて…みたいな。だから、本当に一本一本が違う公演になる予感があってそれを楽しみにしているし、いろんな感情をぶつけていきたいと思っていて。ライブに来てくれた人には、それを大いに楽しんでもらいたいです。
亮輔:ずっとバンドをやって来る中で、100時間練習するよりもライブを一本やったほうが得られるものは大きいと言われることが何度もあって。正直よく分からない部分があったけど、今やっているワンマン・ツアーで、それを強く感じるようになったんです。それを踏まえて『FREEDOM』の曲達と一緒に廻るワンマン・ツアーというのは、すごいことになるんじゃないかなという期待感があって。上手く演奏するとかいったことよりもずっと先にあるものを伝えられるライブになるんじゃないかなと。そういう自信があるので、ぜひ会場に足を運んで欲しいです。
有希:今廻っているワンマン・ツアーで、BRADIOが駆け出しの頃からすごく良くしてもらっていた地方のライブハウスに帰ることができて。そういった方々への一番の恩返しは、元気にステージに立っている姿を見せることだと思うんですよ。皆さんのお陰で自分達は今でもこうやってステージに立つことができるという気持ちを忘れずに、ファイナルの中野サンプラザまでいけたら良いんじゃないかなと思っています。良いツアーになると思うので、期待していてください。
取材・文●村上孝之
『FREEDOM』
【初回生産限定盤】CD+DVD
HRME-1013 3500円+税(店舗販売限定)
【通常盤】CD only
HRME-1014 2500円+税
[CD]
M-1.Back To The Funk
M-2.-Freedom-
M-3.彼女ハリケーン
M-4.蝙蝠
M-5.ギフト
M-6.Revolution
M-7.KAMISAMA
M-8.HOTELエイリアン
M-9.思い通りにならない世界
M-10.Get Money
M-11.All I Need Is You
M-12.Colors
[DVD]
2016/7/17 開催「ファンカジスタツアー 2016 ~レインボービックバン編~」赤坂 BLITZ 最終公演ライブ映像6曲収録
曲目:FUNKASISTA、感情リテラシー、Golden Liar、ギフト、スパイシーマドンナ、Ride On Time
※全6曲のLIVE映像に加え、MCやオフショットが入った約60分に及ぶボリュームたっぷりの映像をDVDに収録
ライブ・イベント情報
3/5(日)東京:赤坂BLITZ
【INFORMATION】ホットスタッフ 03-5720-9999
3/10(金)広島:セカンドクラッチ
【INFORMATION】夢番地 082-249-3571
3/12(日)香川:高松DIME
【INFORMATION】DUKE 087-822-2520
3/19(日)富山:SOUL POWER
【INFORMATION】キョードー北陸 025-245-5100
3/22(水)鹿児島:SR HALL
【INFORMATION】キョードー西日本 092-714-0159
3/24(金)福岡:DRUM LOGOS
【INFORMATION】キョードー西日本 092-714-0159
3/26(日)新潟:LOTS
【INFORMATION】キョードー北陸 025-245-5100
3/31(金)北海道:Penny Lane 24
【INFORMATION】ウエス 011-614-9999
4/2(日)宮城:仙台RIPPLE
【INFORMATION】RIPPLE 022-246-8186
4/8(土)大阪:なんばHatch
【INFORMATION】サウンドクリエーター 06-6357-4400
4/22(土)愛知:名古屋DIAMOND HALL
【INFORMATION】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
4/30(日)東京:中野サンプラザ
【INFORMATION】ホットスタッフ 03-5720-9999
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