【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.16「機材車」

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先月メタルイベント<HAMMER BALL 2016>に出演するために札幌まで遠征してきました。移動はハイエースなのですが、人間椅子には機材車がないため毎回レンタカーを借りています。借りるまでどんな車に当たるか分からないわけですが、何と今回のはカーステレオが壊れていました。CDをかけようとしてもペッと吐き出してしまいます。無理にぐいぐい押し入れても音が鳴らないうえに、イジェクトボタンで取り出すこともできません。長い時間かけて、一度エンジンを切ると取り出せることだけは判明しましたが、もう怖くて再びCDを挿入する気にはなりませんでした。最初の一枚だけは鳴ったのです。Steve Winwoodのベスト盤でした。「いまいちだな」などと言いながら途中で抜いたらそれ以降だめになってしまいました。Steve Winwoodの呪いです。BGMなしでの北海道往復は退屈で苦行のようでした。

この道中のためにTHE NEW CACTUS BANDの「Son Of Cactus」を買って聴かずに持っていきました。このアルバムはCACTUSが空中分解した後にオリジナルメンバーが一人もいない状態で発表され発売と同時にバンドが解散した、とライナーに書いてありました。聴く前から全く期待できません。ツアーから戻って今聴いているところなのですが、意外にも良いです。予想通りCACTUSの片鱗さえ残っていませんが、僕好みのいなたい匂いがぷんぷんします。元IRON BUTTERFLY、Mike Pineraの出す匂いに違いありません。彼がそれ以前に活動していたBLUES IMAGEに曲調が似ているからです。こちらも大好きなバンドなので期待していなかった分なんだかとても得をしたような気分になりました。


しかし今回ここで皆さんにお勧めするのは本家のCACTUSの方です。「Cactus」「One Way...Or Another」「Restrictions」「'Ot 'N' Sweaty」の4枚のアルバムを出しているのですが、どれもかっこいいブルースハードロックでいっぱいです。特にドラムのCarmine AppiceとベースのTim Bogertのからみが最高です。どちらも凄まじく巧いのですが、この組み合わせがいいのです。さしずめロック界の「相棒」です。CACTUS解散後に結成したB.B.A.でもこの二人のバトルとも言えるからみ合いを聴くことができます。

BGMのない退屈な移動はもう避けたいです。早く自分達の機材車が欲しいです。そして新しく入手した車ではSteve Winwoodをうっかり聴かないように気をつけます。

●今回のおまけのマイベストテープ~車の曲

A1.Highway Star / DEEP PURPLE
A2.Detroit Rock City / KISS
A3.(We Are)The Road Crew / MOTORHEAD
A4.On The Road Again / CANNED HEAT
A5.Road Racin' / RIOT

B1.Motorcycle Man / SAXON
B2.Heading Out To The Highway / JUDAS PRIEST
B3.Death Alley Driver / RAINBOW
B4.Slow Ride / FOGHAT
B5.Demon Speeding / ROB ZOMBIE

<秋のワンマンツアー「地獄の季節」>

10月29日(土)水戸 mito LIGHT HOUSE
10月31日(月)神戸 Chicken George
11月2日(水)博多 Be-1
11月4日(金)広島 BACK BEAT
11月5日(土)高松 Olive Hall
11月7日(月)名古屋 Electric Lady Land
11月8日(火)京都 KYOTO MUSE
11月10日(木)大阪 umeda AKASO
11月13日(日)青森 Quarter
11月15日(火)札幌 cube garden
11月17日(木)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
11月19日(土)渋谷 TSUTAYA O-EAST
*全公演チケット発売中!

■メルダック、徳間の旧譜作品13タイトルがHQCDで再発決定

13作品 / 2016年11月2日(水)発売 /全作品 税込2,500円 / TKCA-10173~TKCA-10185
(1)「人間失格」(1990年7月21日)
(2)「桜の森の満開の下」(1991年3月13日)
(3)「黄金の夜明け」(1992年6月21日)
(4)「羅生門」(1993年10月21日)
(5)「二十世紀葬送曲」(1999年3月25日)
(6)「怪人二十面相」(2000年6月21日)
(7)「見知らぬ世界」(2001年9月21日)
(8)「修羅囃子」(2003年1月22日)
(9)「三悪道中膝栗毛」(2004年9月29日)
(10)「瘋痴狂」(2006年02月22日)
(11)「真夏の夜の夢」(2007年8月8日)
(12)「未来浪漫派」(2009年11月4日)
(13)「此岸礼讃」(2011年8月3日)
*( )内はオリジナル作品の発売日

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