「木と布」デザインのオーディオシステム登場、新生ティアックが「NEW VINTAGE」をキーワードにネットワークオーディオ製品を発表
ティアックが10月19日に新製品発表会を開催、「NEW VINTAGE」をキーワードに、新しいフラッグシップラインとなる「Reference 7」シリーズのネットワークCDプリメインアンプ「NR-7CD」、「木」と「布」をテーマにデザインしたオールインワンネットワークハイレゾオーディオシステム「WS-A70」を発表した。
ティアックは、今年4月に新企業理念と新タグライン「Recording Tomorrow」を発表し、「新生ティアック」として新たな歴史をスタート。この「リアクティベーション(再生)」の一連の動きの中で、「NEW VINTAGE」をキーワードに、新しいフラッグシップライン「Reference 7」シリーズと、ワンランク上の新たなMusic Lifestyleの提案するオールインワンネットワークハイレゾオーディオシステムを送り出す。
「NEW VINTAGE」は、時代と感性に寄り添い、質と芸術性を兼ね備えた本物のオーディオを作るという情熱と「最高を追求」し、長く愛され続ける製品を届けるというティアックの哲学を表すキーワード。「オーディオ機器としての基本。“いい音”である事」「『いいデザイン、技術』は継承され価値を失わない」「日本のモノづくり、“匠の技”に拘る」を基本に、「今だからこそできる新しい楽しみ方」を提供する。
■アップコンバート回路搭載、LDACにも対応する「NR-7CD」
Reference 7シリーズ初のモデルとなる「NR-7CD」は、ティアックがこれまでハイエンド・オーディオやプロオーディオ機器の開発で培ってきたハイレゾ再生のノウハウを、ネットワークCDプリメインアンプというカタチに昇華させたモデル。
D/Aコンバーター、プリアンプ、パワーアンプの全段でデュアルモノ構成とし、さらにフルバランス伝送を実現。熟練の職人がはんだ付けから組み立てまでを一貫して行う、こだわりの日本製で、フラッグシップにふさわしいサウンドを実現している。
ネットワークプレーヤー部はOpenHome互換で、最大DSD5.6MHz、PCM192kHz/24bitまでのハイレゾファイル再生に対応。専用アプリを使用することで直感的で快適な選曲が行える。また、独自のアップコンバート回路により、BluetoothやCDなどすべてのPCM音源を最大DSD12.2MHz、PCM384kHzまでアップコンバート。CDもハイレゾクオリティにアップコンバートすることで、限りなくアナログに近いなめらかな波形に補間して再生する。
Bluetoothレシーバーはハイレゾ音源の伝送が可能なLDAC他、aptX、AAC、SBCコーデックに対応。LDACへの対応はソニー製品以外では初となる。このほか、NAS、USBストレージからの再生、TIDAL、Qobuzなどのストリーミングサービスにも対応する。発売は2017年1月下旬、価格は税込42万円前後となる見込み。
▲背面は左右にスピーカー出力端子を配置、アナログライン入力、コアキシャル/オプティカルのデジタル入力、LAN、USB端子を用意(左)。デュアルモノーラル仕様で内部基板も左右完全にセパレート、左右対称に配置される(右)。
■ライフスタイルあわせてコーディネートできる「WS-A70」
▲個性豊かな布製のフロントグリルで着せ替えが楽しめるWS-A70。
一方の「WS-A70」は、「木」と「布」をテーマとしたシンプルかつこだわりのデザインが魅力のネットワークミュージックシステム。キャビネットには大量生産が難しい180度円形曲げ処理を行ったエンクロージャーを採用。高級感のある天然のウォルナット使用の突板には、木そのものの風合いを生かしたオイル仕上げを施している。
さらに注目は、着せ替え可能なフロントスピーカーグリル。自然素材や織りにこだわった有名テキスタイルデザイナー、須藤玲子氏プロデュースのブランド「NUNO」とのコラボにより制作。日本製の布を使用することで、季節の移り変わりや気分、インテリアなどさまざまなライフスタイルに合わせてコーディネートできる。また、コントロール部もデザイン性の高い仕上がり。最小限のボタンとLEDイルミネーション付きコントロールでカンタンに操作が可能。ティアック独自のユーザーフレンドリーなアプリも用意する。
スピーカーはフロントに同軸2Wayスピーカーを左右2基、背面にパッシブラジエーターを2基搭載。アンプにはICE PowerクラスDアンプを採用。USBストレージ、LAN経由の再生に加え、ネットワーク再生はWi-Fi、AirPlay、LDACを含むBluetoothに対応。また、GoogleCast AudioやSpotifyなどのストリーミングサービスにも対応する。発売は2017年春で、価格は未定。
▲フロントグリルを取り付けた状態(左)。天面のコントロール部はシンプルな構成。
■オープンリールアンサンブルがパフォーマンスを披露
▲ティアック株式会社新製品発表会にはゲストも登場。左から麻倉怜士氏、関口シンゴ氏、石川次郎氏。
発表会には、特別ゲストとしてオーディオ・ビジュアル評論家の麻倉怜士氏が登場。「新生ティアックに期待する」と題したプレゼンテーションを行い、「ティアックの子会社エソテリックと業務用機器で定評のあるTASCAMのノウハウを活用すればTEACのイメージは格段に上がる」と期待を語った。続いてティアックサポーターとして、雑誌「POPEYE」「BRUTUS」などの立ち上げで知られるエディトリアル・ディレクターの石川次郎氏、ギタリスト/プロデューサーの関口シンゴ氏が登壇。石川氏は参加者が持ち寄ったレコードをReference 501/503シリーズでハイレゾ音源とともに楽しんだ自身主催のレコードナイトでの様子を紹介。関口氏はターンテーブルとマイクロコンポH101を使用、H101について「コンパクトさとはぜんぜん違うイメージのちゃんとした音が鳴る」「想像をはるかに超える音」と気に入ったポイントを語った。
▲5台のテープレコーダー、キーボード、ミキサーを駆使して演奏したオープンリールアンサンブル。TEACのレコーダーは楽曲の土台となるビートを担当。
ラストには、オープンリールテープレコーダーを楽器として演奏するオープンリールアンサンブルが登場。ISSEY MIYAKEのパリコレクションの音楽担当、SONARへの出演などで知られる3人組だ。TEAC製を含む5台のレコーダーを駆使し、リールをターンテーブルのスクラッチのように動かす、テープに直接触れる、つかんで再生ヘッドを高速で行き来させる、その場でテープに録音した声をサンプラーのように扱い早回しや逆回転再生させるといった、ユニーク&ある意味乱暴な手法でパフォーマンス。ティアックの倉庫から出てきたという、70年代にティアックからオープンリールテープとしてリリースされていた音源を使った演奏も交え、来場者を大いに沸かせた。
製品情報
価格:オープン(市場予想価格 税込42万円前後)
発売日:2017年1月下旬
◆WS-A70
価格:未定
発売日:2017年春予定
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