【インタビュー】Rayflower短期連載第三弾、Sakuraが語る「俺自身は変わらない」

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■L’Arc〜en〜Cielだったんでしょと言われるより
■RayflowerのSakuraは凄いと言われるように

──そ、そうですか。では、こちらから挙げますが、たとえば「彩戯心」の間奏後のフィルや「Garbera」のギターソロ後半のフィルなどはSakuraさんらしいなと思いますし、「Runaway Brain」のエンディングのドラムソロも聴きどころです。

Sakura:なるほど。「彩戯心」は、レコーディングの時はタムを増やしていたんですよ。でも、『Color & Play』の時は、1タム2フロアだったというのがあって。音源を再現する気なんてハナからなかったから(笑)。もちろん音源の感じは再現するけど緻密に再現する気はない。

──前回のツアーでは、タムをたくさん並べたセットは使っていなかったんですね?

Sakura:そう。今のセットはちょっとRayflowerとは関係なくて……自分でドラムイベントをやっているんですよ。俺はドラム楽曲というのを何曲か書いていて、そうするとビートを刻むことよりもタムを並べてメロディーを奏でるという発想になるんだよね。今はタムを7個並べたセッティングで、キックやスネアも含めて音程を決めている。キックがD(レ)で、タムは低いほうからB(シ)、C(ド)、D(レ)、E(ミ)、F(ファ)、A(ラ)、オクターブ上のB(シ)、それにスネアがG(シ)というチューニング。スネアがGという以外は、暫定的なチューニングなんだけどね。で、タムの深さは全部同じにして、それらタムを並べるために、ハイハットはタムの外側にセットしている。

──凄いですね…。

Sakura:ただ、あくまでも自分のドラムイベントとドラム楽曲のために考案したセッティングだったんだ。でも、Rayflowerではないバンドで、あのセットでツアーを廻ったことがあって。そのタームでRayflowerのリハがあったから、そのままあのセットを持っていったら、都に言われたんだよね。「ごめんなさいSakuraさん。失礼ですけどやっぱり上手ですね」と(笑)。シンプルなセットの時はそれが分からなかったんだって(笑)。それでRayflowerでも使うことにした。

──導入は大正解だったと思います。タムに音階がついているということは、フィルを叩く時にもタムのチョイスを意識したりしますか?

Sakura:する。BPMが速い曲でバァーっと叩いたりする時は隣同士のタムを使うけど、普段は楽曲の調に合わせて使うタムを選ぶから。それで離れたところのタムを使うことが結構多いんだ。たとえば、『TOUR 2015~Color & Play~@品川ステラボール』はシンプルなセットだから違っているけど、「Soul survivor」のBメロはスネアとタムを同時に叩いていて、そこはEとBのタムを使っている。そうするとGmaj7の和音になるから。「U-TOPIA」の間奏ではタムの6連回しがあるんだけど、そこもコードを踏まえてBとFとDを使っている。そういうことをそれぞれの楽曲に合わせて考えるようにしているんだ。

▲撮影◎Sakura/2016.9.7@長野CLUB JUNK BOX

──叩くのが難しくなるとは思いますが、叩いている姿もカッコいいです。

Sakura:自然と派手になるからね。でね、これも都の言葉を根に持っているわけじゃないけど(笑)、タムとかを使ってメロディックなフレーズを叩くと、みんなが上手いですねと言うんだ(笑)。そういう意味では分かりやすいんだろうね。俺は性格的に、分かりやすくするということに天邪鬼なところもあるけど、周りのみんなが喜んでくれるのはいいことなんじゃないかなと思って。本来の俺の美学としては、最小限のものだったり、その場にあるもので全てを出せるべきだというのがあるけどね。与えられた道具が筆なのか、ボールペンなのか、鉛筆なのかによって絵が変わっちゃいけないと思う。

──それは分かりますが、ずば抜けたテクニックを駆使するプレイヤーは、それを発揮するのに適した楽器を使ったほうがいい気がします。それにライブを観てSakuraさんはメロディーがしっかりした楽曲があって、凄腕のメンバーが揃っているRayflowerのようなバンドで自由にドラムを叩くのが本当に似合うなと思いました。

Sakura:今、俺は有名無名は別として、5つのバンドをやっているんだけど、その中でRayflowerというのは、一番エンターテイメント性が高いバンドだよね。でも、さっきも話したように、どのバンドでも俺自身は変わらない。だから、どれを褒められても凄く嬉しいんですよ。自分の居場所というのは何ヶ所もあって、それぞれが自分にとって心地いい。周りの人達も、Rayflowerいいねと言ってくれる人もいれば、ZIGZOいいねと言ってくれる人もいるし、gibkiy gibkiy gibkiyが好きだと言ってくれる人もいる。それには、素直にありがとうございますと思っている。ただ、俺が持っているドラマーとしてのスキルを全部出すことに対して、それを全部受け止められるだけの寛容さをRayflowerのメンバーは持っているというのはあるかもしれない。

──受け止めたうえで、わたり合っている感覚はRayflowerの大きな魅力です。Rayflowerのようなバンドはあまりいないこともあり、もっと多くの人に知ってほしいなと思います。それがSakuraというドラマーの面白さについて、より多くの人が知るきっかけになると思いますし。

Sakura:そうだね。俺はいまだに「元L’Arc〜en〜Cielの人でしょう」と言われるんですよ。俺は別にそれを隠しもしないけど、でも一番大きな誇りだとも思っていなくて。Sakuraって昔L’Arc〜en〜Cielのメンバーだったんでしょうと言われるよりも、RayflowerのSakuraというドラマーは凄いと言われるようになりたいね。俺の中にはRayflowerというものを、もっと多くの人に正しく理解してもらいたいという気持ちがあって、そのためにはRayflowerの俺はバンド内の5分1の要素でいいんだ。Rayflowerが俺のディープな部分まで知るきっかけになるとかいうことはどうでもいい。で、Rayflowerを理解してもらう上で必要なファクターが今回のライブアルバムかなと。そういう意味で、このアルバムはより多くの人の耳に届いてほしいと思っているよ。

──ここにきてRayflowerが一層注目を集めるようになってきていることもあり、いいタイミングのリリースだと思います。

Sakura:そういう状況になっているのかどうかは分からないけど、Rayflowerという名前をもっと浸透させたいという気持ちがメンバーにも出てきたのかなとは思う。6月に対バンイベントをやったり、こうやってBARKSで個人インタビューを受けたりするというのは、俺の発案だったんだ。今までパーソナルインタビューはあまりしてこなかったんだよね。たしかにRayflowerには肩書があるよ、スーパーバンドだとか元何々だとか。でも、そこに驕ることなく、自分達から「RayflowerのSakuraです」というところに打って出ていかないとダメ。誤解なくRayflowerというものを伝えるためには、もちろんライブとかもするけど、メンバーが発言しないとダメだなと。だから、今後はどんどんメンバーそれぞれが発信していくことになると思う。

──楽しみです。さて、今は<Rayflower TOUR 2016~Bloom Moment~>が始まったところですが、どんなツアーになりそうですか?

Sakura:うーん……野心を持ってどうこうというのはないからな。希望とか欲求はあるんだ。今日は昨日よりも良く、明日は今日よりも良くしていきたいという風に。あとはどうだろう?……よく俺が口に出していて、メンバーも受け入れてくれていることがあるんだけど、俺はどの公演も初日であり、ツアーファイナルだと思って臨んでいるんだ。だってツアーに一度しかライブに来れない人にとっては、それが初日でありツアーファイナルなわけだからさ。それと同じ気持ちで自分達も日々ライブをすることで、さらに高いところに行けるんじゃないかな。だから、今回もそういうスタンスで毎回ライブをしようと思ってる。

取材・文◎村上孝之
撮影◎Hiro Sato

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■ライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~ @品川ステラボール』

8月24日リリース
【通常盤・2CD】LNCM-1156~7 3,800円+税
【Loppi・HMV限定盤・2CD+DVD】LNZM-1153~5 5,800円+税
*デジパックパッケージ仕様(通常盤、Loppi・HMV限定盤 共通)
●CD収録内容:バンドとして更なる大きな飛躍を遂げた<Rayflower TOUR 2015〜Color&Play〜>より、2015年11月6日(金)品川ステラボールでのLIVE全20曲を完全収録
●Loppi・HMV限定盤 DVD収録内容:全国9都市にて行われたTOUR 2015 ~Color &Play~ライブ映像も織り交ぜたファン必見のドキュメンタリー作品

■<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>

2016/08/24(水)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
18:30open/19:00start ※SOLD OUT
2016/08/27(土)名古屋E.L.L
17:15open/18:00start
2016/08/28(日)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
16:45open/17:30start
2016/08/30(火)岡山 IMAGE
18:30open/19:00start
2016/09/01(木)福岡 BEAT STATION
18:30open/19:00start
2016/09/06(火)金沢 AZ
18:30open/19:00start
2016/09/07(水)長野 CLUB JUNK BOX
18:30open/19:00start
2016/09/21(水)仙台 darwin
18:30open/19:00start
2016/09/28(水)神戸 チキンジョージ
18:30open/19:00start
2016/09/29(木)京都 MUSE
18:30open/19:00start ※SOLD OUT
2016/10/13(木)札幌 cube garden
18:30open/19:00start
2016/10/20(木)東京 赤坂BLITZ
18:00open/19:00start
▼チケット
スタンディング前売:¥5,000-/当日:¥5,500- (税込)
※入場時ドリンク代別途必要 ※未就学児入場不可
一般発売:2016/6/26(日)AM10:00~

■ライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~ @品川ステラボール』リリース記念イベント

08/26(金)19:30〜 名古屋 HMV栄店/トーク&握手会
08/29(月)19:30〜 岡山 HMVイオンモール岡山/握手会
08/31(水)19:30〜 福岡 HMV&BOOKS HAKATA/トーク&握手会
09/20(火)19:00〜 仙台 HMV仙台 E BeanS/トーク&握手会
09/27(火)19:30〜 兵庫 HMV三宮VIVRE/トーク&握手会
10/12(水)18:30〜 札幌 音楽処/トーク&握手会
10/17(月)19:00〜 東京 HMV&BOOKS TOKYO/トーク&握手会

◆Rayflower オフィシャルサイト
◆Rayflower オフィシャルYouTubeチャンネル
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