【ライブレポート】TUBE、30,000人が歓喜「ようこそ、28年目の横スタへ！」

毎年恒例となったTUBE夏の野外スタジアムライブ＜TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2016 -RIDE ON SUMMER-＞が8月20日、神奈川県・横浜スタジアムで開催された。

◆TUBE 画像

記念すべき横浜スタジアムライブ初開催は1988年8月17日のこと。以降、神奈川県出身のTUBEにとって地元である横浜スタジアムでの野外ライブは毎年恒例となっており、2016年で通算28回目、26年連続（※1990年のみ千葉マリンスタジアムで開催）となる。自身が持つ横浜スタジアムでのアーティスト単独ライブ最多・連続開催記録を2016年も更新した。

2015年にデビュー30年を迎えたTUBEはこの日、メインステージに“新しいステージに向かって羽ばたく”ことをイメージしたかのような5つの気球（バルーン）を設置、デビュー31年目以降のチャレンジにも意欲を感じさせる。なお、同公演のチケットはSOLD OUTとなったプレミアライブとあって、3万人のファンで埋め尽くされた場内には熱気が立ち込めている。そしていよいよメインステージにメンバーが登場した。

「ようこそ、28年目の横スタへ！」──前田亘輝（Vo）

という前田のMCに歓声が上がる中、ロックナンバーを10曲ノンストップで繋ぐ、約25分間のロングメドレーでライブがスタートした。このヒストリーを辿るメドレーは、メンバー個々の音楽的ルーツがハードロックであることを感じさせるもの。彼らの原点が垣間見えるオープニングとなった。


また、同ツアーは長年のファンにも、初めてライブに来たファンにも楽しんでもらえる選曲が魅力だ。3rdシングル「シーズン・イン・ザ・サン」をはじめとする誰もが知る夏のヒット曲はもちろん、久しくライブで演奏していない懐かしいナンバーの数々も用意されていた。

さらには、通算60枚目となる最新シングル「RIDE ON SUMMER」（「クノール(R)冷たい牛乳でつくるカップスープ」タイアップソング）も披露。前田亘輝の声帯手術を経て2016年に初レコーディングされた同曲は、“毎朝目覚めるたび、新しい自分に変われるチャンスは誰にでもある”という始まりの朝を予感させるポジティブなメッセージソングであり、パワーアップした歌声がファンに直接届けられた。

後半に用意されていたのは、ギタリスト春畑道哉のソロコーナーだ。ソロデビュー30周年の節目として、11月にフルアルバム発売と4年振りの全国ソロツアー開催が決定している彼のステージでは、サッカーJ1リーグで兵庫を本拠にするヴィッセル神戸のために書き下ろした新曲「WE ARE ONE」（11/9発売アルバム収録）をパフォーマンス。エネルギッシュなギタープレイが展開され、ドラマチックなサウンドに新曲のタイトル通り会場がひとつになった。



そして、冬の女王・広瀬香美による楽曲提供曲「おかげサマ―」では、メインステージ真ん中に置かれた“気球”に前田が乗り込むと、どんどん高度を上げて空高く浮かんでいく。気球から伸びた6本のロープを固くスタッフが手に持ち、メインステージからアリーナへとゆっくりと誘導。前田は歌いながら観客の頭上を空中移動し、アリーナ後方に設けられたサブステージへと降り立った。

無事に前田がサブステージに到着したのを見届けると、アリーナ席を左右に分けていたセンターラインに空気で膨らませた“エアウォーク”が登場。これがメインステージとサブステージを繋ぐ橋となり、続けて春畑、角野が演奏しながらエアウォークを渡ってサブステージの前田と合流。このサプライズ演出にファンは大興奮となった。また、本編ラストとなるMCでは、前田が声帯の手術をし、無事に回復したことを改めてファンに報告した。

「今日は久しぶりに歌えることの喜びを噛みしめながら、楽しいステージが出来ました。本当にありがとう」──前田亘輝

本編最後は2015年末、冬のシングルとして発表した「灯台」だ。“様々な困難や苦悩・挫折がありながらも、それを乗り越えながら今日まで30年歩んでこれたのは、ファンのみんながいつも自分たちの行く先を、照らし続けていてくれていたから”というファンへ対する感謝の気持ちと、“これから先もファンと共に歩んでいこう”という想いが綴られたバラードで会場が感動に包まれ、大サビでは野外ライブ恒例の噴水が上がった。

アンコールで披露された「SKY HIGH」はTUBEならではの炎や打ち上げ花火などの特効ショーによるダイナミックなパフォーマンスが。そして、「あー夏休み」をアンコールのラストに、圧巻のステージで観客を魅了した。



しかし、鳴り止まない声援に応えてダブルアンコールも。最後のMCではメンバーがオリンピックカラーのTUBEロゴが入ったTシャツを着て登場し、「頑張れ！ニッポン」と海の向こうのオリンピック選手たちにエールを送った。また、「思い起こせば、パイプラインという名前で、今はなき横浜シェルガーデンというアマチュアのステージに立ったのが最初でした。今はその何倍も沢山の人に聴いてもらえるバンドになりました」と改めてファンにお礼の気持ちを伝えると共に、海と大切な横浜の街への想いを語り、ライブ＜TUBE LIVE AROUND SPECIAL 2016 -RIDE ON SUMMER-＞は「海のバラード」で感動のフィナーレを迎えた。





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