【インタビュー】Anly、「EMERGENCY」で味わった書き下ろし曲の醍醐味。“これほんとヤバイ!”
■私が一番最初に作った曲です。
■シンガーソングライターになりたいんだったらちゃんと曲を作らないと、と思い始めて。
──2曲目「虹」は、アコギもエレキも入っているし。両方がうまく混ざったさわやかな曲調で、「EMERGENCY」とはまた違った魅力がある曲。
Anly:この曲は、私が一番最初に作った曲です。16歳の時に、シンガーソングライターを目指すぞ!と決めた頃に。部活が忙しくて、その合間に書いていた曲です。
──あ、前のインタビューの時に言っていた、“1曲目は明るいカントリーっぽい感じ”という?
Anly:それです。根岸さんは、“イーグルスの「Take It Easy」的な雰囲気があるね”と言ってくれました。このレコーディングは17歳ぐらいの時にやったんですよ。miwaさんのフロントアクトをやらせてもらった時に、見てくださっていたスタッフさんが“東京でレコーディングしてみない?”って言ってくださって。初めて東京に来て、何曲かレコーディングした中の1曲がこれです。アレンジも何もせず、ミュージシャンの方とセッションして作った感じなので。ドキドキしたんですけど、ドラムの小田原(豊)さんが、アイコンタクトで“大丈夫、いい感じ”みたいなことを伝えてくださったことが、思い出に残ってます。今思えば、なんて豪華な人たちとやったんだろうという感じなんですけど、初々しさが溢れる音になってると思います。
──これは、その時の音源のまま?
Anly:はい。歌は録り直していますけど、演奏とコーラスはその時のままです。今と昔のコラボレーションという感じですね。
──記念すべきシンガーソングライター1曲目。何を思いながら書いた歌詞か、覚えてます?
Anly:中学生ぐらいの時に、付箋に思いついた言葉をどんどん書いてノートに貼っていくという作業をやっていたんですけど、その中で輝いていた言葉を集めてサビにしました。それから、シンガーソングライターになりたいんだったらちゃんと曲を作らないと、と思い始めて、全体を作りました。その時の葛藤というか、やりたいことがあるのに一歩を踏み出せないという、そういう自分の背中を押せるようにと思って書いた曲ですね。
──その感情は今も自分の中にある?
Anly:そうですね。一番最初の<虹を追いかけてたころはもっと素直に言えていた/言葉を忘れてしまった君>という歌詞を歌うと、すいませんって思います(苦笑)。“すいません、そうでした”という感じ。
──原点ですね。そんな大事な曲を世に出せるとは。
Anly:あの頃の自分が聞いたら、えっ!と言うと思います。うれしいです。
▲「EMERGENCY」 |
Anly:インディーズの頃からいろんな洋楽をカバーしていて、次は叫んで歌うような曲がいいねという話をスタッフさんとしていた時に、出てきたのがこの曲です。最初はこんな難しい曲はちょっと、と思ってたんですけど、ロックが好きなら一回は通っておこうかなと思った曲だったので、挑戦してみました。ギターは二日ぐらいで弾けたんですけど、歌とギターが合わないのが難しかったんですよ。本物の歌は、すごい適当なタイミングで入ってくるんで。
──適当(笑)。確かにロバート・プラントの歌には、独特のリズムがあるから。
Anly:自分が思ったところで歌が入ってくるから、それを覚えてしまうと、そんなところじゃ入れないよ、という拍で歌わないといけないのが難しくて。ギターも、途中からテンポが変わっていかないといけなかったので、一発録りがすごく緊張して大変でした。ギターはデビュー前に録っていたんですけど、歌はもう一回歌い直して、語るように歌いたいなと思ってやってます。
──語るように歌って、後半はすごいシャウト。特に<To Be A Rock And Not To Roll>のところは、鳥肌ものですよ。あれはほんとかっこいい。
Anly:ありがとうございます。全体を通していろんな声を使い分けていて、この曲が、あなたはこういう声が出るんだよって教えてくれてるのかな? と思ったりしました。自分がこんな声が出るんだなーとか、意外と声が続くんだなとか、この曲はいろんな発見がありました。
──ちなみにツェッペリンは、小さい頃から聴いていた?
Anly:いえ、そんなに聴きこんではいないです。クラプトンとZZトップとCCRばっかり聴いて育っちゃったので、ツェッペリンは自分の中では意外と新しいです。でもこの曲は本当に有名だったので、知ってたんですよ。教科書に載ってました。ピアノの楽譜で。
──音楽の教科書にツェッペリンが載ってる? 今やそんな時代なのか。
Anly:教科書にはビートルズとかツェッペリンとか、載ってましたね。ジャンルを教えるためだと思うんですけど。でもピアノになるということは、なかなか、クラシック扱いですよね。
──これをきっかけにこの曲を知る、若い世代もいるかもしれない。
Anly:沖縄のインストア・ライブで歌った時に、若い人や、おじいちゃんおばあちゃんもいたんですけど、不思議な顔して見てましたね。普通の曲を聴く時よりもすごく集中してました。この曲は何だろう?みたいな感じで。昨日も歌ったんですけど、Anlyのことを初めて聴いたという若い子が、涙を流して聴いてくれて。英語だし、複雑な構成の曲なのに、この曲の力はすごいなーと思いましたね。複雑なのに覚えやすいというか。現代の音楽って、覚えやすくしようという傾向が強いですよね。でもいいメロディは、どんなに複雑でも覚えることを、この曲で学びました。
──今回のシングルは、すごくアグレッシヴ。ルーツでもあり、同時に新しい魅力満開のシングルだと思います。
Anly:「EMERGENCY」も、どこまで声が出るか?という実験的な部分がありました。今回は挑戦がすごく多かったけれど、意外と統一されてるかもしれない。60年代のロックやブルースという、自分のルーツ・ミュージックが出ていたりするので、まとまりがあるシングルになったなーと自分で思います。
──さあ、そして6月28日には、渋谷eggmanでワンマンライブが、シングル・リリースの2週間後に。どんなこと、やります?
Anly:今いろいろ考えてます。バンドでやって、エレキも披露したいとか、アコースティック・セットもやりたいなとか。16歳から曲を書き始めて、今19歳なんですけど、この3年間の集大成が見えるようなライブにしたいなと思います。
──めっちゃ楽しみにしてます。前のインタビューで、東京は沖縄と違って、音の刺激が多いから、メロディからできることが最近は多いかもという話をしたの、覚えてます? いろいろ変化していく真っ最中にいるAnlyさんが、すごく興味深いなと思って見ているので。
Anly:やっぱり沖縄は曲ができやすいんだなって、最近帰ってまた思いました。景色が全然違っていて、たとえば沖縄の夕暮れは、空の色が面白いんですよ。台風前が一番きれいなんですけど、ピンクとか紫とか、いろんな色があって。東京の夕暮れはだいたい同じで、黄金色なんですけど、たまに見える夕暮れに特別感があったりしますね。ビルの間にチラッチラッと目に入ってくるのがいいなあと思います。沖縄にいると、常にいますからね。
──あー。太陽が。
Anly:暑い!って感じなので(笑)。東京で見る太陽は、チラッチラッと見えるチラリズムがいいなと(笑)。沖縄本島と伊江島とでもまた違うし、そういうところが面白いなあと最と思います。
──これから、♪ビルの合間で、とか歌い始めたら、あー東京で書いたねとすぐわかる。
Anly:わかるかもしれないですね(笑)。今の時期は、混ざり合ってるんだろうなと思います。東京と沖縄を行き来してるんで、その時期しかない曲ができそうですね。都会っぽいメロディと、沖縄っぽいメロディが混ざりあうのが、自然にできたらいいかなと思います。
──そんな曲を楽しみにしてます。
Anly:はい。頑張ります!
取材・文●宮本英夫
Anly 3rd Single「EMERGENCY」
初回生産限定盤 SRCL-9087~9088/¥1,389+tax
通常盤 SRCL-9089/¥1,111+tax
【CD】(初回生産限定盤・通常盤 共通)
M1.EMERGENCY
M2.虹
M3.STAIRWAY TO HEAVEN
M4.EMERGENCY-instrumental-
M5.虹-instrumental-
【DVD】(初回生産限定盤盤のみ)
EMERGENCY Music Video/ EMERGENCY Music Video Making
<Anly EMERGENCY LIVE at SHIBUYA eggman>
チケット発売中
http://eggman.jp/daytime/schedule/2016/06/28anlyemergencylive-at-shibuya-eggman.php
■イベント情報
http://www.naraken.com/musik/musikplatz/platz04.html
7月9日 ピースフルラブ・ロックフェスティバル @ 沖縄市野外ステージ
http://peaceful-love-rock.com/
7月30日 GIRLS FACTORY@代々木第一体育館
http://www.fujitv.co.jp/otogumi/GIRLFOLK2016/
8月13日 ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016 @ 国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)
http://rijfes.jp/
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