【インタビュー】Anly、「EMERGENCY」で味わった書き下ろし曲の醍醐味。“これほんとヤバイ!”
沖縄のちいさな島で生まれ、エリック・クラプトン、ZZトップ、CCRなど洋楽ロックを幼少時のサウンドトラックとして育ち、アコースティック・ギターをかき鳴らしてしなやかなナチュラル・ボイスを響かせる歌姫。その名はAnly。待望のサード・シングル「EMERGENCY」は、危険な愛と復讐のサスペンス・ドラマとして話題をさらった『僕のヤバイ妻』オープニング・テーマとして起用されている。
◆Anly 画像
これでデビューから3作連続ドラマタイアップになるが、今回はアコギをエレキに持ち替え、思い切りグラマラスにハードにぶちかますロック・チューンで、新たな魅力をしっかりとアピール。高まる周囲の期待に応えて急速に成長する19歳、彼女はまさにこれからが旬の女性アーティストだ。
■書き下ろしで曲を書くと、絶対経験しないであろうストーリーをもとに歌ができていくことが、すごく面白い
▲「EMERGENCY」 |
Anly:はい。ありがたいことに。
──この「EMERGENCY」は、ドラマのオープニング・テーマとして作ったもの?
Anly:台本をいただいて、歌詞を書き下ろしました。でも曲のタネみたいなものは、17歳ぐらいの時に、フェスで歌えるロックな曲がほしいなと思っていて、その時に作ったデモがあったんですね。台本を読んだ時に、心の葛藤というか──今回のドラマは奥さんとダンナさんのドロドロの夫婦関係なので、正直19歳には難しい内容だなと思ったんですけど(笑)。奥さん側の心の葛藤を表現するんだとしたらロックかな? と思って、昔の曲を引っ張り出してきた感じですね。
──すごいテーマ、もらっちゃいましたね。ドロドロの夫婦関係って。
Anly:そろそろ命が危ないんですよ。毒を盛ったりして、めっちゃ怖いです(笑)。曲を書いてる時は、台本が2話分しかなかったので、このあとこうなってほしいという気持ちを歌詞に込めたりしたんですけど。今は、なかなかすごい方向に進んでるなと思います。
──さすがに想像できなかった(笑)。
Anly:ここまでは想像できなかったですね。まさか毒を盛りあうとは(笑)。だから本当に非常事態なんですよ。
──あはは。うまい!
Anly:だから今は、意外とドラマと合う曲ができたと思っています。だんだん合ってきました(笑)。最終回がどうなるかも全然知らないので(※最終回は6月14日。今回のインタビューはその10日前に収録)、ドラマを見るたびに“これほんとヤバイ!”と思いながらハマってます。火曜日の10時が楽しみです。
──そもそも「EMERGENCY」というタイトルは、どこから?
Anly:台本を読んだ時に、この状況はなかなかの非常事態だなと思ったので。この人たちはそもそも、愛があって結婚生活を送っているんだろうか?と。でも奥さんには、ちょっと歪んでるけど愛はあるんですよ。でもダンナさんのほうは、計算高いというか、チャラいというか、一言でいうとポンコツなんですよ。(笑)
──あはは。バッサリ言うなあ(笑)。
Anly:だってお金があるところにしか行かないんですよ! 奥さんのほうは、ちょっと歪んでるけれど愛はあって、やっぱりダンナさんのことが好きなんです。“ただ愛してほしいだけなのに”ということはわかるので、そこを歌詞に書いてみました。ドラマでは毎回“ヤバイ”がどんどん回って行って、奥さん、ダンナさん、次は隣の人がヤバくなったりとか、非常事態がいろんな家庭に起きてる感じだなーと思って。“EMERGENCY”という言葉は自分の中では出ていたので、そこをキーワードにして書いてみました。
──面白い経験しましたね。ある意味タイアップの醍醐味。
Anly:書き下ろしで曲を書くと、絶対経験しないであろうストーリーをもとに歌ができていくことが、すごく面白いなと思ってます。前回の「笑顔」という曲もドラマの書き下ろしだったんですけど、その時もストーリーをもとに、自分と重ねあわせられた曲でもあったので。そこが面白いなと思いましたね。
──「笑顔」を聴いて、次にこれを聴いた人は、びっくりするかも。せつなくてフォーキーな感じの曲を歌う人かな?と思ったら。
Anly:同一人物だとは思えない(笑)。路線変更したのかな?というぐらいの幅が、前回と比べてあると思うんですけど。でも自分の中では、これもルーツなんですね。私のルーツ・ミュージックがにじみ出ているシングルだと思います。
──プロデューサーの根岸孝旨さんの、グラマラスでハードロックなアレンジがばっちりです。
Anly:根岸さんは私が好きな音楽を、デビュー・シングルの時からリサーチして、わかってくださっていたので。何も言わずともこういう雰囲気になって、歪みがもうちょっと多いほうがいいかな?とか、リフがもっと耳に残るほうがいいかな?とか、いろいろ相談させてもらいました。あと、今回は藤井謙二(The Birthday)さんにギターソロを弾いていただいたんですよ。根岸さんが“かっこいいギター弾く人連れてきたから”って、それが藤井謙二さんで、おおっ!と思って。昔っぽいルーズなギターソロになっていて、かっこいいなと思います。しかも16小節も。
──今は、あんまりないですよね。これだけ盛ったギターソロは。
Anly:もっと長くてもいいと思ったんですけど。ZZトップ的な、歌とソロが同じぐらいある感じがいいかなと思ったんですけど、それはなかなか難しいということで(笑)。でも16小節たっぷり弾いてもらってます。
──T・レックスっぽいリフがあったりして、ほんとかっこいい。ライヴではもう歌っている?
Anly:はい。この間<METROCK2016>で初披露して、私がエレキギターを弾いてるところを初披露しました。ピンクのギターを。
▲<METROCK2016>にて |
Anly:そうです。フェンダーの1968年(テレキャスター)の復刻モデルで、すごくかわいいなと思って、今回はこのギターで弾きました。“エレキも似合いますね”と言われて、よかったなと思いました。エレキはあと一本、父からもらったものがあるんですけど、これをメインで行こうかなと思ってます。
──エレキを弾く時って、アコギとは気分が変わる?
Anly:変わりますね。心が変わるというか。フェスにエレキは似合うなと思いました。アコギのライブも好きなんですけど、同じぐらいエレキも好きです。
◆インタビュー(2)へ
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