【ライヴレポート】高橋まこと率いるJET SET BOYS、初ライヴで「ただいまLOFT!」
JET SET BOYSが6月4日の東京・新宿LOFTを皮切りに福島、大阪、名古屋、そして最終日となる7月3日の東京・EX THEATER ROPPONGIまで、全5公演のツアー<JET SET BOYS LIVE TOUR 2016「JET SET BOYS」>をスタートさせた。
◆JET SET BOYS 画像
「JET SET BOYSです。イェー!! ははははっ(笑)。ツアー初日、JET SET BOYSのライヴ初日。すべてが“初”ですよ。本当に(笑)。俺、自分でも興奮してるんだけど、すごいメンツだよね」──椎名慶治
元BOOWYの高橋まこと(Dr)、LA-PPISCHのtatsu(B)、元REBECCAやAUTO-MODEの友森昭一(G)。元SURFACEの椎名慶治(Vo)からなるJET SET BOYS。高橋がバンド人生のラストをかけて結成した同4ピースが、初ライヴの場所として選んだのはBO?WYのホームでもある新宿LOFTだった。リストバンドを着けたロックンロールな男たちとフェミニンなワンピ姿の女性たちが入り乱れたフロアは、まだ見ぬJET SET BOYに対する期待感に包まれ、みんな何処かそわそわしている。
SEX PISTOLSやLED ZEPPELINのBGMでレイドバック感満載だった場内に、アルバム『JET SET BOYS』の1曲目「HI!VOIR」が流れ、4人のメンバーが登場。フロアは待ち構えていたようにSEに手拍子を重ね、彼らの初陣を華やかに出迎えた。そのSEを食うように前のめり気味に4人の演奏が始まると、フロアは積極的に自分たちのノリ方を作っていく。このリアクションにはメンバーも大喜びだ。サングラス越しに客席を見つめていた高橋が満面の笑みを浮かべた。そして、2曲目が高橋の“ワンツースリーフォー!”というカウントから勢いよく飛び出した。
ツアー初日なので、具体的なセットリストについては明らかにしないが、ラテンのノリをまとった変速ビートで軽快にリズムをグルーヴさせるtatsu、独特なコード配列と多彩な音色展開で聴き手の予想を次々と裏切る友森など、やはりフロントの弦楽器隊は個性的だ。そんなコアなサウンドをポップミュージックへコーティングしていく椎名のボーカルはブレることがない。そして、“もっといけー。楽しいぞー!”とでもいうようにサウンドの土台を最後方から安定させる高橋。プレイヤー同士のスリリングなやり取りがビートの快楽を増幅させ、体温をどんどん上げていく。“俺ら、こういう者です”と、冒頭3曲でJET SET BOYSが持つカラフルなビートが挨拶代わりに披露された。
冒頭に記した言葉はこれらパフォーマンスの後、初ライヴの最初の言葉として興奮気味に語られたものだ。そして、「バンドでこのステージに立つのは久々」と語った高橋が、「ただいまLOFT!」と威勢よく手を挙げ、「LOFTのみんな、今日会場に集まってくれたお客さん。よろしくお願いします!」と丁寧に挨拶。高橋のこのバンドにかけるまっすぐな気持ちが伝わってきて、その瞬間、LOFTには大きな拍手が響き渡った。
中盤は徐々に艶っぽいムーディーなビートに包まれて、「こういうのが俺の大好物」とミディアムチューンを歌う椎名が、「6/8拍子をまことさんが叩くのはこの曲が“初”なんだって」と語った。初モノはそれだけではない。BARKSインタビューで公言していた甘く切ない新曲まで初披露してくれたのだ。
「新曲を持ってきたってことは、これからも精力的に活動する気満々ってことだから。ただ、まこっちゃんが先にくたばったらゴメンな(笑)」──椎名慶治
そこに高橋が絶妙なタイミングで“チーン”とシンバルを叩き、これにはメンバーも観客も大爆笑。ここからは抑え気味だった椎名の面白トークもどんどん炸裂した。そして、「新曲、もう1曲やっちゃっていいですか?」とフロアに問いかけると、シャッフルビートを織り交ぜた新曲をパフォーマンス。新曲なのに、そうとは思えないコール&レスポンスでフロアが盛り上がった。「お前ら凄い! 歌、上手すぎだろっ!」と椎名。そして、場内のテンションが上がりきったところに痛快な8ビートナンバーが披露されると、拳を上げて身体を激しく揺らしながらオーディエンスがビートに食らいつき、フロアにはむせかえるような熱気が充満した。
「ある日ね、テーブルの上にこの“JET SET BOYS”という、俺らに何も思い入れのない名前が置いてあったわけよ(笑)」──椎名慶治
同MCではJET SET BOYSというバンド名の成り立ちについて触れ、マネージャーが提案したバンド名であることを明かした椎名は、さらに「後で聞いたら、“JET STREAM ATTACK”っていうのも候補としてあったらしいよ(笑)。……ガンダム? 俺は疎いから分かんないけど」というエピソードも披露され、これにはオーディエンスも驚きと爆笑で応えた。
「JET SET BOYSはくたばるまでやるので、ウチのまことが(笑)。この後もツアーは続きますけど、俺らのこの先になにがあるのか分からない。そんな道のりを歌った曲です」と大陸的な広がりを持ったロッカバラードを届け、最後はとびっきりのパンキッシュチューンで挑発的にフロアを煽って本編が終了した。
オーディエンスからのアンコールを受けて、再び姿を現したメンバーは、「楽しい」を口々に連発。アンコールでは、もはやJET SET BOYSの代表曲となった感のあるアッパーチューンを再演奏するというサプライズに観客が狂乱。本編で演奏したときにはなかった“タオル回しアレンジ”を椎名の提案でやってみると、これが予想以上に大ハマり。フロアのそこかしこから「楽しい!」「もう1回!」との声が上がった。椎名は「ウチのまことを殺す気か!」と笑いを交えながら、「お前ら初日なのに盛り上がりすぎだわ!」と感謝の気持ちを伝えた。
こうして、ステージとフロアが一体感に包まれた後、最後は4人がステージ前方に出て固く手をつなぎ、記念すべきJET SET BOYSの初ライヴにしてツアー初日が幕を閉じた。この先、強者たちがどんなビートを鳴らすのか。最終日となるEX THEATER ROPPONGI公演までツアーは続く。
取材・文◎東條祥恵
■オリジナルアルバム『JET SET BOYS』
HHCL-0001 ¥3,000+税
01.HI!VOIR
02.ZIPPER DOWN-album mix-
03.LEVIATHAN
04.ROOM 504
05.STRAYED
06.PASTA
07.HI!CENTER-interlude-
08.PROMENADE
09.BAD COMPANY
10.GET SET
11.STANDING THERE
12.SAYONARA
13.THE THEME OF JET SET BOYS
■「ZIPPER DOWN」配信情報
iTunes、レコチョクほか各音楽配信サービスにて
作詞:野口圭
作曲:友森昭一、椎名慶治
編曲:JET SET BOYS
■ツアー<JET SET BOYS LIVE TOUR 2016「JET SET BOYS」>
16:30 OPEN / 17:00 START
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
06月11日(土)福島・Iwaki PIT
16:30 OPEN / 17:00 START
(問)キョードー東北 022-217-7788
06月17日(金)大阪・梅田CLUB QUATTRO
18:00 OPEN / 19:00 START
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
06月18日(土)愛知・名古屋アポロベース
16:30 OPEN / 17:00 START
(問)ジェイルハウス 052-936-6041
07月03日(日)東京・ EX THEATER ROPPONGI
16:00 OPEN / 17:00 START
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12時~19時)
チケット一般発売:2016年5月14日(土)10時~
▼席種
オールスタンディング(※入場整理番号付)
※6/11 全自由席(※入場整理番号付)
※7/03 全席指定
▼チケット代:¥6,000(tax in)
※D代別(6/11福島公演のみD代無し)
※3歳以上チケット必要
▼プレイガイド
・チケットぴあ http://t.pia.jp/
・ローソンチケット http://l-tike.com/
・イープラス http://eplus.jp/ [PC・携帯共通]
◆JET SET BOYS オフィシャルサイト
◆JET SET BOYS オフィシャルTwitter
◆JET SET BOYS オフィシャルFacebook
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