【座談会】オムニバス盤『Agitation Clysis』、「雨の日にひとり、家で聴ける音楽を」

■音楽って娯楽だと思っているんです
■その娯楽にふとした時に救われる

──まだ、完成音源を聴いてないとか？

MEMIcream：私たちジャミーメロー自身、こうしてオムニバスに参加するのは初めてなんです。まだ作品を聴いていないんですけど、完成したものを聴くのが楽しみですね（笑）。

STEVIE：うちはもう好き勝手にやるから、あとは責任とってくれって感じです（笑）。そういう意味で、須賀君には全幅の信頼をおいてますので。

Ange：Carnationsもこうした作品に参加するのは初めてで。ジャミーメローのMEMIちゃんはよく知っていますけど、知らないバンドの方たちが聴いた時、どういうふうに思ってもらえるのかな？っていうのは楽しみでもありますね。

▲Carnations

──今回はテーマとして「雨の日に、家で聴きたい音楽」ということでしたが、それぞれ自分たちの曲以外で、雨の日に聴きたい曲というと？

STEVIE：僕は、クラムボンとかですかね。結構ひとりで聴いていますね。あとはアシッドジャズ系を。キャラに似合わず聴いていますね。

MEMIcream：私もクラムボン好きですね。北欧かどこかの、おもちゃみたいな音がする音楽とか。CDショップじゃなくて、商店街の奥の方で音楽好きな店主が自分の好きなものを集めているようなショップみたいなところに売ってるような。

STEVIE：段々、MEMIcreamさんに一枚プロデュースしてほしくなってきた（笑）。

MEMIcream：ふふ。Klimpereiとかすごく好きで。静かで薄暗い感じの日に、部屋で聴きたくなるような。

──Angeさんは普段はどんなものを？

Ange：スウェディッシュポップが好きなので、カーディガンズや、あとはカーペンターズとかを聴いていることが多いですね。日本の方だとトクマルシューゴさんとか、やくしまるえつこさんとか。あとはジャズですね。最近はディアンジェロのライブに行ったりとか（笑）。そういうところから大人の色気をいただいたりしています。

──平塚さんは、普段聴くものやルーツというと？

平塚：僕は歌謡曲がすごく好きで、言葉の意味を解釈していくのが好きなんです。お酒を飲みながら、ここはこうだなとか、村下孝蔵さんの「踊り子」で一日いけるみたいな。

──昭和ですね。

平塚：「踊り子」って、聴く人によってひとりひとり曲の解釈がちがうじゃないですか。誰かそういうのを語れる相手がいればいいんですけど、友だちがいないので。Youtubeのコメント欄とかみて、ああこいつは間違ってるなとか、そうやって楽しんでます。やくしまるえつこさんとかも面白い歌詞を書いてますよね。なので音楽というよりは歌詞なんです、曲作りも歌詞からはじめるので。歌詞、というのが根本にありますね。本がすごく好きだし。

──なかなか同年代と話を合わせるのが大変ですね。

須賀：だから友だちがいないのか。

平塚：そうです（笑）。なのでスナックに行っておばちゃんと話をしたり……無料にしてくれるくらい通い詰めたりしてます。昔の曲をリクエストされて歌ったりとか、それで友だちが増えて言って。昔の人って歌詞を大事にするじゃないですか。僕も言葉の威力は武器にしていきたいなと思って、自分のなかで静かに言葉を磨いています。

▲Dr.Comet Panda

──みんなどこかひねくれている感じがありますね（笑）。須賀さんの音楽の根底にあるものというとどんなものですか。

須賀：ひねれくてないと、この歳まで音楽やってないと思うんですよ（笑）。僕は音楽って娯楽だと思っているんです。音楽は崇高なものだという人もいますけど、僕にとって所詮は娯楽で、どこまでやれるかが楽しいところ。その娯楽にふとした時に救われるとか、そういうところがいいんですよね。それ以上のものではないっていうのが、僕の根底にある原動力なんです。

STEVIE：まさに同じことを思ってるから、今、言われてびっくりした（笑）。

──娯楽であり、楽しいものだからこそ、いろんなことができる。

須賀：例えば音楽を売っていくにはこうしないといけない、という考え方もあるのかもしれない。それは宣伝方法としては理解できるけど、音楽自体に言われることではないですよね。自由にやったらいいじゃないと。で、自由にやってる人たちの音楽が『Agitation Clysis ～INNER JOIN～』に入っている的なところはありますね。

──ちなみに、ここからの展開、今作に関するイベントなども考えているんですか。

須賀：そこはどうなんでしょう？

レーベルスタッフ：プロデューサーがやりたいと言えば。

須賀：前向きに検討します（笑）。ただね、それぞれがこれを機に、ライブに誘ったりできたらいいんじゃないかな。Dr.Comet Pandaなんかは、若いバンドだったりするので、諸先輩方の力を借りるという意味で、いろいろとね連絡したりして。

平塚：ぜひ、お願いします。

須賀：そういう繋がりが、作品を通じてできたらいいなとは思っていますね。

取材・文◎吉羽さおり




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