【ライブレポート】森友嵐士、BOΦWYなどカバー20曲「原点に立ち返ることができた」
1990年代にT-BOLANのボーカルとして数々の名曲をヒットチャートに送り込み、時代を駆け抜けた森友嵐士、完全復活。心因性発声障害による長期間の活動休止期間を経て音楽活動を再開し、2015年にはソロアルバム『PEACE ROCK』をリリースするなど精力的に活動を続ける中で3月29日から31日の3日間、Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて2016年のキックスタートライブ<森友嵐士 2016 DEMONSTRATION LIVE>を開催した。その3月30日公演“COVERで嵐”の模様をレポートしたい。
◆森友嵐士 画像
この日のステージは80年代から90年代に日本のヒットチャートを賑わせた楽曲を中心に演奏するカバーライブとなるもの。バックメンバーにも原田喧太(G)、人時(B)、そうる透(Dr)、菊池圭介(Key)という強烈なメンツを集め、重厚感溢れる演奏で森友をサポートしていく。
オープニングナンバーはCOMPLEXの「BE MY BABY」だ。まさかの楽曲に集まった満員のオーディエンスから大きな歓声が沸き起こる。本家COMPLEXでドラムを叩いた経験もある、そうる透の強烈な8ビートに合わせて大きなクラップも巻き起こり、そこに乗る森友の伸びやかなボーカルが絶好調である。
続くアン・ルイスの「あゝ無情」での激しくアレンジされた演奏に導かれるように、森友の歌声も次第に激しさが増していく。女性ボーカルのナンバーにもかかわらず、自身の色に染め上げる森友の強力な存在感に集まったオーディエンスも圧倒される一方だ。
「ON BASS、人時!」のメンバー紹介と共に弾き出されたのは黒夢の「BEAMS」。リリース当時にサポートドラムを担当していたそうる透と人時の息の合った演奏を味わえるとは、なんと贅沢な瞬間であろうか。この一曲は前半戦のハイライトとも言えた。
中盤はGLAYの「ずっと二人で」、秦基博の「ひまわりの約束」などのバラードが続けて披露される。数々の名バラードでヒットチャートを彩ってきた森友嵐士の真骨頂ともいえる快演に、オーディエンスも魅了され続ける。続くは尾崎豊の「I LOVE YOU」。色濃い世界観を持つ楽曲も、あたかも自身の楽曲であるかのように歌い上げる様は圧巻の一語に尽きる。
そしてサポートメンバーによる「千本桜」(和楽器バンド)が超高速バンドアレンジにて披露された。そうる透と人時による一分の隙も無いリズムセクションに、原田喧太とムーチョによる超絶ギターソロが乗る。そして、これら彩りのそれぞれ違う数多くの楽曲を同ライブ用に全てアレンジしきったバンドマスター菊池圭介の手腕も特筆すべきところであろう。
ライブ後半にはホーンセクションも登場。ラッツ&スターの「め組のひと」のファンキーなアレンジに乗る森友のエモーショナルな歌声も味なもの。大編成のバンドによるゴージャスなサウンドメイクにも大きな歓声が湧き上がった。イントロで驚きの声が上がったバブルガムブラザースの「WON’T BE LONG」ではオーディエンスも腕を高く振り上げ、90年代のお茶の間を席巻したお馴染みのコールアンドレスポンスが満員の客席に響き渡っていく。
本編ラストはBOØWYの「DREAMIN’」をステージ全体で叩きつけるように披露。80年代のバンドシーンを席巻したタテ乗りの高速8ビートを激しく歌い上げる森友に、オーディエンスは大きな歓声を送っていた。
アンコールではなんと沢田研二の「勝手にしやがれ」も登場。これがまた森友に似合っていたのである。我々が“かつて毎週テレビで見ていたスター像”をそのまま体現するように、客席を指さし激しく歌うその様は“究極のロックスター像”そのものである。
アンコールラストは「始まりの歌を」とのMCに導かれ、T-BORANの初期の代表曲「Hold On My Beat」を披露し、この日のステージは幕を閉じた。カーテンコールの後、ステージ上のスクリーンに流されたのはニコ動でも話題の映像クリエーターお菊とのコラボレーション映像「BOY」、その完成度の高さに大きな拍手が巻き起こった。
カバー曲のみを演奏という大胆な試みも大成功。「改めて音楽を楽しむという原点に立ち返ることができた」という彼の言葉にもあるように、自身の原点を見つめながら新たな地平に向かう森友嵐士の今後にご注目を。
取材・文◎加藤龍一
■<森友嵐士 2016 DEMONSTRATION LIVE「COVERで嵐」>
3月30日@Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREセットリスト
02.あゝ無情 / アン・ルイス
03.ONE DAY / サザンオールスターズ
04.そして僕は途方に暮れる / 大澤誉志幸
05.ずっと好きだった / 斉藤和義
06.激しい雨が / THE MODS
07.BEAMS / 黒夢
08.わがままジュリエット / BOØWY
09.ずっと二人で / GLAY
10.ひまわりの約束 / 秦基博
11.I LOVE YOU / 尾崎豊
12.千本桜 / 和楽器バンド
13.POISON / 布袋寅泰
14.め組のひと / ラッツ&スター
15.フリフリ’65 / サザンオールスターズ
16.WON’T BE LONG / バブルガムブラザース
17.DREAMIN’ / BOØWY
encore
en1.勝手にしやがれ / 沢田研二
en2.ff (フォルティシモ) / ハウンドドッグ
en3.Hold On My Beat / T-BOLAN
■<森友嵐士 2016 DEMONSTRATION LIVE>
2016/3/30(水)「COVERで嵐」Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
2016/3/31(木)「激しい嵐」Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
開場 18:15/開演 19:00
※2日目と3日目のバンド編成は異なります。
一般席:前売¥6,800(税込) 当日¥7,300(税込) *ドリンク代別
※未就学児童入場不可
【チケット一般発売】
・チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:289-021)
・ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:72113)
・イープラス http://eplus.jp(PC・携帯共通)
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888(平日 12:00-19:00)
◆森友嵐士 オフィシャルサイト
◆T-BOLAN オフィシャルサイト
この記事の関連情報
【ライブレポート】T-BOLAN、シングルベストツアーの千秋楽で「“できるかできないか”ではなく“やりたいかやりたくないか”」
T-BOLANのメンバーと一緒のステージで歌えるチャンス、大好評実施中
T-BOLAN、初のシングルベストツアーが埼玉で開幕
T-BOLANと一緒のステージで歌えるチャンス、DAMコラボ企画がスタート
T-BOLAN、自身初シングルベストツアーを8月より開催「'90年代に愛された曲たちを全て」
T-BOLAN、亀田興毅プロデュース<3150FIGHT>初のハーフタイムショー出演へ
T-BOLAN、全227曲サブスク解禁
T-BOLAN森友嵐士やキズ来夢が初参戦、<VOCAL SUMMIT>9月開催
【ライブレポート】T-BOLAN、全国ツアー開幕「今、こうして30周年を迎えました」