【インタビュー】gibkiy gibkiy gibkiy、「傷で言えば、血だらけでベトベトなものがいい」
kazuma (Vo/ex.Merry Go Round、Smells)、aie (G/ex.deadman、the studs、the god and death stars、THE MADCAP LAUGHS、KEEL)、kazu (B/ex.蜉蝣、STEREO.C.K、the god and death stars)、sakura (Dr/ex.L’Arc〜en〜Ciel、ZIGZO、Rayflower、THE MADCAP LAUGHS)といった錚々たるメンツが集結したバンドがgibkiy gibkiy gibkiyだ。2016年2月24日にニューアルバム『不条理種劇』をリリースした彼らは現在、ツアー<TOUR 2016『the dark side of the monochrome』>で全国を廻っている。
◆gibkiy gibkiy gibkiy 画像
“音で会話する”とは、バンドを形容するときに用いられる言葉だが、彼らのスタイルはまさしくその極み。なんの決め事もない、なんの制約もない。それぞれが発する音に瞬時に反応して、自らの音を衝動的に重ねていく。という言う意味では即興音楽だが、インプロというにはあまりにも自由度も緊張感も高く、アバンギャルドなアート性が滴り落ちるように濃い。
kazumaとaieが2010年に始動したhighfashionparalyzeは、後にsakuraが加わり、2015年にkazuを迎えた。そして、バンド名も新たに制作された『不条理種劇』はsakura曰く、「まったく白紙だったものから、こんな彩りの絵、というものを見てもらうことになった」アルバムだ。つまり、日々カタチを変えていた即興的な楽曲が、ひとつのフォーマットとして提示された作品集でもある。この未知数なバンドの成り立ちや自らによる音楽分析など、4人に深く語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。
◆ ◆ ◆
■最初はヴォーカルとエレキギター1本だけで
■歌詞も決めずとか、そういう音楽をやっていた
──gibkiy gibkiy gibkiyとしての初作品がアルバム『不条理種劇』となりますが、前身となるバンドhighfashionparalyzは、2010年にスタートしているんですね。
aie:kazumaさんと僕のふたりでhighfashionparalyzeをはじめたのが、2010年ですね。それを近くで見ていたsakuraさんが、「叩いてみるわ」っていうことで、現場によってはhighfashionparalyze+sakuraとして3人でライヴをしたり。といっても、それこそインプロヴィゼーションというか、sakuraさん自身も「あまり曲を聴かずに即興的に叩いたほうがいい」っていうこともあって、その場で合わせるようなライヴをしていたんです。
──そこで3人の体勢も固まって。
aie:で、いつだったか、kazuさんと一緒のライヴ現場があって。その打ち上げの時、highfashionparalyze+sakuraでのツアーが決まっていたので、なんとなく「kazuさん、スケジュールが合えばベース弾いてみませんか?」と誘ったら、うっかりスケジュールが空いていたもので「やってみます」と(笑)。その時の感触がよかったんですよね。それで、「kazumaさん、この4人のバンドでどうですか?」っていう感じになっていったという。
──ということは、最初から形が決まっていたバンドではなかったんですね。ふたりの時はどういう形だったんですか?
aie:ヴォーカルとエレキギター1本だけで。
──ギターの音のみで、即興的に音楽を奏でるような?
kazuma:キーワードだけで、というね。
aie:歌詞も決めずにとか。そういう音楽をやっていて。あまり、リピーターが出ないバンドというか(笑)。
kazu:フォロワーが誰もいないような(笑)。
aie:すごいのはわかるんだけど、という。
▲kazuma (Vo) |
aie:そうですね、どうしていいのかわからない、というのが正解だと思いますね。というところからはじまって、今はわりとお茶の間も視野に入れていこうというのが、4人の共通認識ですね。
──曲としての形も、はじめはあってないようなものだったんですか。
aie:はい。今回のアルバムは、kazumaさんとふたりでやっていた頃の曲を土台に、4人で作り直しているものなので。曲自体はそれこそ2010年くらいからやっているものもあるんです。
──sakuraさんは、このバンドのどんなところに興味を惹かれて一緒にやろうと思ったんでしょうか。
sakura:まず、kazuma君のことは25年くらい前から知っているんですよ。だから、どういう世界観やヴィジョンを持っていて、どんなことを旨としているかは、勝手に理解していたんです。それにaieとは今、THE MADCAP LAUGHSで一緒に活動しているので、ふたりの人となりは知っていて。hifashionparalyzeは、そのふたりがやってる、ふたりの会話のようなものだったんですよね。
──だからこそsakuraさんが加わることも当然の流れだったという。
sakura:ただ、kazuma君とは旧知の仲であるけれど、一緒に音を出したことがなかったので。最初は、「ちょっと俺も混ぜてよ」みたいな感じだったんです。音楽的には、ふたりでやってるもので完成していたんですよ。ふたりで完結しているものに対して、加えるだけのドラムというのでは違う。そこに加わるのに、自分のなかですったもんだした記憶はありますね。
◆インタビュー(2)へ
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