【インタビュー】がんばれ!Victory、バンドルが繰り広げるオールドロックの真髄『十代発表』
【絶対生音主義】【平成オールドロック】をバンドコンセプトとして掲げ、勢力的に活動を続けている、佐賀県出身のガールズバンド・がんばれ! Victory。小学校の同級生である、あやき(Vo)、れな(G)、みなみ(G)、しのぶ(B)、まゆこ(Dr)は、インディーズシーンで、2011年の11月にCDデビューを果たし(インディーズシーンでは3枚のシングルをリリース)、2014年にはフルアルバムをリリースし、同年には年間ライヴ本数100本を達成させた、バンド街道まっしぐらな体育界系女子である。2015年の5月にシングル「全力!スタート/夢のつづき」でメジャーデビューを果たした彼女たちは、2016年3月16日に待望のメジャー1stアルバム『十代発表』をリリース。初登場となる今回は、結成の経緯から、彼女たちの音楽ルーツ、そして、最新フルアルバムについて語ってもらった。
◆がんばれ!Victory~画像&映像~
■バンドルとしていろんな活動をしているので
■バンドとアイドルの両方を楽しんでる感じ
──まずバンドの結成の経緯から聞いてもいい?
あやき:はい。結成の経緯は、小学校6年の頃にギターのみなみが、“みんなでバンドやろう”って声をかけてくれたことでした。
──いきなりバンドやろうって?
みなみ:はい。いきなりバンドやろうって(笑)。小学校5年生の頃に、6年生の先輩たちがバンドをやってるのを見て、楽しそうだなと思って、思い出作りに自分もやってみたいなって思ったので、みんなに声をかけたんです。
──すごいね。小学校6年生って、まだギターもベースも解らないくらいなんじゃない? まだ鼻たれ小僧の延長というか、男子にも興味ないです! みたいな感じじゃないっけ小学校6年生って。
しのぶ:あははは。私たちもそうでしたよ(笑)。
れな:泥だらけになってドッヂボールとかやっていました(笑)。
まゆこ:泥団子とか作ってましたよ(笑)!
あやき:ホント、そうなんですよ(笑)。何やってても楽しい時期というか。だから、バンドが何かも分かってなかったんですけど、“バンド? 何それ? あぁ、この前先輩がやっとったやつ? なんか楽しそうだね! やるやる!”みたいなノリだったんです。だから、泥団子作る感覚と同じだったというか。だから、楽器とか本当になんにも分かってなかったですよ。“ドラムって足で叩くんでしょ? どうやってやんの?”みたいな。
しのぶ:小学校の担任の先生が、趣味で生徒にバンドを教えていらっしゃる方で、みなみが先生に“バンドやりたい”って言ったら、“メンバー集めておいで”って言われたみたいで。
みなみ:よく一緒に遊んでいた友達だったんで、みんなに声かけて、集めたんです。
あやき:みなみから突然授業中に“バンドやるっちゃけど、一緒にやらんと?”って言われて、“うん、いいけど”みたいな軽いノリだったんです、最初は。本当に泥遊びとかかくれんぼ感覚でしたね。
まゆこ:私はちょうどやりたかったんですよ、バンド。5年生のときにバンドやりたいって、先生に言っていたので、みなみが集めてくれたときには、ヤッター! って思いました。
しのぶ:私は休み時間に誘われて。お母さんに聞いたらいいよって言ったので、“お母さんいいって言わしたけんが、する!”って返事したんです。
れな:私は、ちょっと別で、5年生のときにギターを弾きたくて、その先生にギターを教わったことがあったんで、みなみたちがバンドやるって集まるからって誘ってもらったんです。
──パートはどうやって決めたの?
まゆこ:集まったときに、自分のやりたいパートを紙に書いて提出したんです。ちょうどバランスよくバラけたんで、それで決まった感じでした。でも、みなみは最初ベースやりたいって言ってたけどね。
みなみ:そうなんです。別に根拠はなかったんですけど、ベースがいっかなぁと思ったら、先生に、“オマエの手はギター向きだからギターにしろ”って言われたんで、ギターにしたんです(笑)。それくらい無知だったんで(笑)。
──バンド名は最初から決まってたの?
れな:いえ、先生が、何か目標が無いと上手くならないからって、コンテストに出ることを目標に、1ヶ月に1曲ずつコピーしていこうってことになったんですけど、コンテストに出るとなるとバンド名がないと出られないから、そのときにVictoryっていうバンド名にしたんです。「がんばれ!Victory」になったのは、後々のことで、2014年にダイエット企画失敗のペナルティとして、Victoryの前に“がんばれ!”がついたんです。
──なるほどね。それぞれの音楽ルーツは?
みなみ:私はバンドを始めるまでまったく音楽を聴いていなかったんですよ。でも、1ヶ月1曲コピーする課題曲として、先生が与えてくれた音楽が好きな音楽になっていった感じでした。
あやき:バンドをやるならこれを聴いておけって、オールドロックのオムニバスアルバムみたいなのを、先生が自分で作ってみんなにくれてたんですよ。
みなみ:そこに入っていたのが、AC/DCとかNIRVANAとかビートルズだったんです。そこから本格的にバンドをやるようになって、NIRVANAを掘り下げて聴くようになったんです。
あやき:私もみなみと同じですね。新体操とか外で遊ぶこととか、そっちの方に興味があったんで、音楽はバンドをやるまでまったくで。でも、みなみと同じように、バンドをやるようになってから先生がくれた曲を聴くようになって、音楽のカッコ良さを知ったって感じでしたね。その後に、チャットモンチーさんの音楽を聴くようになって、ライヴを見てからは、すごくバンドに興味を持つようになりました。今は、オールドロックバンドとして支持していただけているのもあるので、もっとその時代の音を勉強したいなと思ってフー・ファイターズやKISSとかも聴くようになって、すごく好きになりました。
まゆこ:私は、幼稚園の年長さんくらいからピアノを習っていて、クラッシックとかは身近にあったんですけど、小学校3年生からダンスを同時進行でやり始めて、そこでHIP HOPとかJ-POPとかも聴くようになっていったんですけど、バンドを始めた頃から、コピーする課題曲とかを聴くようになったんです。でも、私はまだ課題曲として貰っていた頃は、そっち系の音楽にそこまでハマることがなかったんです。だけど、中学校に入って、たまたまONE OK ROCKさんをみつけて、“あ、私がやりたい音楽ってロックだったんだ!”って改めて知った感じだったんです。まだ、そんなにONE OK ROCKさんが有名じゃなかった頃だったんですけど、本当に衝撃だったというか。その後、高校生になって、<ティーンズロック ひたちなか>っていうコンテストでグランプリをいただいて、<ROCK IN JAPAN>のフェスに出ることになって、そこで初めてちゃんとドラムの先生に習いに行くことになったんです。そこでドラムの先生にKornを教えてもらって、レイ・ルジアーを知って、そこからずっとレイ・ルジアーが大好き。高校3年生のときに、今の事務所に入ったんですけど、事務所に入ってからレッド・ツェッペリンとかそっち系の音ばっかり聴くようになりましたね。
しのぶ:私は、両親が音楽好きで、子供の頃から音楽が流れていたんです。X JAPANとかMALICE MIZERがかかっていたりしていて。なので、バンドを始めてから、そういう音楽を聴きながら、“あ、これがドラムの音なんだ。これがベースの音なんだ”って思うようになっていきました。そういうルーツもあるので、もともと激しい音楽が好きになっていったみたい。バンドでベースをやるようになってから、“ベースで有名な人って誰なんだろう”って思って調べてみたら、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーっていう人に辿り着いて。YouTubeで動画とか見て感動したんです。めっちゃ激しく動くし、フレーズもすごく多彩だし。“私がやってるベースと全然違う。こんな風に弾けるようになりたい”って思って、そこからはずっとフリーみたいになりたいって憧れているんです。
れな:私の家も常に音楽が流れている家庭だったんですけど、バンドを始めて最初の頃にギターでカバーせてもらっていたYUIさんとか木村カエラさんとかが個人的にすごく好きでした。事務所に入ってオールドロックを追求していく上で、楽器の音が生っぽく生きてる音にすごく魅力を感じたんです。そこで、生の楽器の音を探し求めていたところ、エアロスミスに辿り着き、そのサウンドとメロディにすごく惹かれたんです。そこから自分たちで楽曲を作るようになって、バラードを作りたいと思ってU2とかレディオヘッドとかを聴くようになって、3Dというか、クランチ系の音も好きになっていったんです。
──なるほどね、5人のルーツを聴いて納得。最初に5人を見たときは、見た目のヴィジュアルだけで音を想像してしまったから、ポップなガールズバンドだと思ったのね。でも、今回のアルバムの音を聴いたら、1曲目の「WONDER JOURNEY」からかなりシブくて、野太いサウンドだったから、“あれ?資料間違えたかな?”って思ったの。それくらい衝撃で。もっと正直に言うなら、“絶対にスタジオミュージシャンが弾いてる……”って思ったの。
一同:(爆笑)
まゆこ:よく言われます。大人の力が加わってるんじゃないかって(笑)。
──そう言われちゃうよね、このスキルだと。いや、でも本物だね。筋金入りって感じ。
れな:そうですね。でも、バンドの魅せ方として、バンドとアイドルを掛け合わせて、バンドルとしていろんな活動もさせてもらっているので、両方楽しませていただけてる感じなんです。自分たちとしては、視野を広くして、いろんな経験が出来るので、今の立ち位置的にはすごく感謝しています。
──実力があるからこそ、なんと言われても気にせずにいられるんだろうね。9年やってるんだもんね。それに、今言ってもらったところがルーツであるから、5人にとって、がんばれ! Victoryで放つ音は、“それが当たり前”なんだろうね。
れな:そうなんです。そこが着地点でもあるので、自然とそうなっちゃうんです(笑)。
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