【インタビュー】flumpool、3年半ぶりアルバムに「あとは捨ててでも大切にしたいもの」
■ここまで明確にメッセージ性を伝えているのは
■今作が初めてなんじゃないかと思います
──誠司さんは、今回のアルバムの作り始めから完成に至るまで、意識の変化はありましたか?
誠司:僕も元気と同じ感覚で、最初の段階では、ここまで力強い、尖ったアルバムになるとは正直思っていなかったですね。最初は「今日の誓い」などのバラード系からレコーディングが始まったので。でも、「輪廻」あたりから変わって来て、「解放区」のときに作品の全体像が見えた気がしました。
──これまでにないものが一生さんから出て来たぞ、バンドとしても違う方向に振り切るんだぞ!といった感覚ですか?
誠司:そう、その感覚です。僕としてはむしろ、自分が好んでよく聴く系統の音楽なので、すんなりと受け入れられました。今回の作品は全体的に、大人の落ち着きと、力強さを感じるんですよね。それはただ“俺ら、ロックやってるんだぜ!”という表面的な強さじゃなくて。それは、隆太が最初に言ったような、自分の手で抱え切れるものは守るし、でもここから外れるものはもう守れないよ、という姿勢とも通じますし。それが今の自分たちのモードなんです。僕個人もそう思うことはよくありますよ。人に対しても、動物に対しても。猫が好きなんですが、守れるのは、今、家にいる3人だけですよ。その他の猫たちを守る!と言った場合、じゃあ、慈善活動をするのか? 募金なのか? それは果たして守ることになるのか?というと、“?”だと思うんです。それが対“人”に置き換えられただけのことで。ここまで明確にメッセージ性を伝えているのは、今作が初めてなんじゃないかと思います。
──隆太さんの歌い方も、いつになく激しかったり荒々しかったりして、自分自身を解き放とう、という気迫を感じました。
隆太:そうですね。僕自身、今の日本の風潮に息苦しさを感じていて、それを突破したいんですよ。SNSも、本当は言いたいことを言うためのものなのに、使い方が間違っている気がするんですよね。好きな人にすぐに想いを伝えることができるようになったはずなのに、いろんな人と繋がってしまって、逆にすぐに伝えられない、みたいな……。その“真逆へ行ってる”感じが息苦しいので、解放したい。全部を大切にするなんて無理だし、“皆を大事に、なんてしなくていいよ”と言いたいんですよ。綺麗ごとが大事な時もあるだろうけど、それを僕らバンドが言っちゃったら、おしまいですよね。「解放区」というエリアをどこまでに設定するか?がまた、すごく大事で。「解放するぞ!」という言葉は簡単に言えますけど、じゃあ、「俺の愛情を解放するぞ!」と言ってしまって、それを果てしなく広く捉えるんだったら、すごく薄っぺらく感じますよね?
──確かに。今回発信したいメッセージは、“皆大好きだ”という博愛ではないんですよね。
隆太:そう。でも、博愛が世の中の風潮じゃないですか?
──博愛を隠れ蓑に、表明したら叩かれそうなことは、心で思っても言わないでおく、とか。
隆太:人間の欲求の中でも、自己実現の次に満たしたいと思うのが、博愛という欲求ですよね。自己実現できる世の中だと思うし、次に求めるものは博愛ではあるんですけど、それが果たしてそれでいいのか?と言われると……バンドが、僕らが歌うことじゃない気がする、というかね。やっぱり、線引きをしないと。
▲完全限定生産パッケージ『スクランブルエッグBOX』 |
──浸透しやすい“最大公約数”を目指した内容であれば、緩い感じで入ってこられるけれども……。
元気:それで生まれるのは結局、希薄な人間関係というか。でも、作品の主張が強いほど、聴く人との繋がりって深くなると思う。賛同する側の意思もそこには入ってくるので。強い分、より賛同してほしい、という想いのあるアルバムになったかな?と思いますね。
──多くの人が賛同してくれたら、広がりはするけど、薄くなるわけではないですしね。
元気:そうですね。そこに乗り掛かっても、その主張が薄まるわけではないですし。でもやっぱり、強い意思って、より理解してほしい、と思うものなんですよね。愛着もある分、そういう強さみたいなのは、自分の中でも感じるかな。
誠司:僕も同じようなことは考えますね。人間関係が希薄になっていて、例えば、年明けて「あけましておめでとうございます」とメールで一斉にバーッとただ送るのって、操作としては簡単だけど……。
元気:まあ、それすら俺には全然こないけどね。
誠司:ははは! じゃあ、一斉送信じゃなくて、いざハガキという形でちゃんと送ろう、と思った時に、アドレス帳の中から“選ぶ”わけじゃないですか? その作業ってすごく大変だと思うんですよね。その分労力も要りますし、“本当にこの人には書くべきなのかどうなのか?”とか考えるのも精神的に大変だし。それをする、今という時代がヘンだな、と。昔はそんなこともなく、“皆さんに送りましょう”と言って送っていたわけで。意識は一緒なのかもしれないですけど、センテンスが増えている、というか。そういう今の状況を気持ち悪いな、と思いますね。
──アルバムを引っ提げたツアーが4月2日からスタートしますが、意気込みやプランを聞かせていただけますか?
一生:僕は裏でライブアレンジを考えたりSEを作ったりする役割で、演出は隆太、元気がたぶん主役になって、いろいろと考えてくれると思います。今回のアルバムは、ライブで盛り上がるような曲を作りたいなと思ったので、EDMっぽさとバンドサウンドが融合した、ノレるタイプのものもありますし。曲と曲の繋げ方とか、細かいところにもこだわっていきたいですね。これまでで一番音楽的なライブになると思うので、期待していてください。
隆太:歌うこと、音楽をやることに対しての僕らの想いや姿勢には、今すごく強いものがあります。ライブでは、目の前にいる人たちに向かって、flumpoolがどういう人間で、どういうふうに今まで生きて来たか?ということを伝えたいですね。そこでは、僕らの人間力も試されると思います。こちらが線引きするのと同じように、聴いてくれる人にとっても“必要なもの/そうじゃないもの”の境界線があるわけで、flumpoolがその“内側”にいられるようなバンドになっていかなきゃな、と思っています。
取材・文◎大前多恵
■4th Full Album『EGG』
【初回限定盤(CD+DVD)】AZZS-42 ¥3,800(tax out)
<DVD ※4大特典映像集>
E=Exclusive Session for "EGG"
G=Gig at Taipei International Convention Center in Taiwan on July 4th, 2015
G=Gig at Zepp DiverCity and documentary of LIMITED TOUR 2015
S=Special Footage on Music Video「夜は眠れるかい?」(Music Video and Documentary)
【通常盤(CDのみ)】AZCS-1051 ¥2,800(tax out)
1.解放区 ※日本テレビ系「スッキリ!!」3月テーマソング
2.夜は眠れるかい? ※映画&TVシリーズ「亜人」主題歌
3.World beats
4.今日の誓い ※ブルボンアルフォートミニチョコレート「メッセージデコ」篇TVCMソング
5.DILEMMA ※ブルボンアルフォート「かんたんスモア」篇TVCMソング
6.絶体絶命!!!
7.LINE
8.Dear my friend
9.産声
10.とある始まりの情景 ~Bookstore on the hill~
11.夏よ止めないで ~You're Romantic~ ※スカパー!2015 Jリーグ TVCMソング
12.輪廻
13. Blue Apple & Red Banana
14.明日キミが泣かないように ※KKBOX「一緒に聴く」篇TVCMソング
■完全限定生産パッケージ『スクランブルエッグBOX』
販売場所:STAR RISE TOWER内 (http://starrise-tower.com/)
【パッケージ内容】¥3,500(税込)
●『EGG』通常盤CD
●カウントダウンライブ ライブ音源CD(約75分収録予定)flumpool COUNTDOWN LIVE 2015→2016「ヒツジの皮を被ったサルたちの歌合戦」LIVE SELECTION
●EGG Artwork Special Post Card 5枚組セット
●特典<Let's talk about “EGG” with its Art and Films>イベントチケット
■イベント<Let’s talk about “EGG” with its Art and Films>
3月19日(土) STAR RISE TOWER (http://starrise-tower.com/)
【スケジュール】
初回は、12:30開場/13:00開演。以降、複数回の開催を予定。
完全限定生産パッケージ《スクランブルエッグBOX》をご購入された順番によりご入場回が決まります。
販売数には、限りがございますので、お時間には余裕をもってお買い求めください。
【入場方法】
イベント当日限定販売される、完全限定生産パッケージ『スクランブルエッグBOX』に付属する特典イベントチケットをお持ちの方。
(問)amuse-s-e@front-works.co.jp
■全国ツアー<flumpool 7th tour 2016「WHAT ABOUT EGGS?」>
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)BEA 092-712-4221
4月3日(日) 福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)BEA 092-712-4221
4月10日(日) 福島・郡山市民文化センター 大ホール
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)チケットGIP 022-222-9999
4月16日(土) 石川・本多の森ホール
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
4月17日(日) 新潟・新潟県民会館
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100
4月23日(土) 広島・広島上野学園ホール
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)夢番地(広島) 082-249-3571
4月24日(日) 広島・広島上野学園ホール
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)夢番地(広島) 082-249-3571
4月29日(金・祝) 神奈川・神奈川県民ホール
OPEN 16:45 / START 17:30
(問)キョードー横浜 045-671-9911
4月30日(土) 神奈川・神奈川県民ホール
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)キョードー横浜 045-671-9911
5月5日(木・祝) 大阪・フェスティバルホール
OPEN 16:30 / START 17:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
5月6日(金) 大阪・フェスティバルホール
OPEN 17:00 / START 18:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
5月15日(日) 静岡・静岡市民文化会館 大ホール
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999
5月21日(土) 北海道・ニトリ文化ホール
OPEN 16:45 / START 17:30
(問)ウエス 011-614-9999
5月28日(土) 香川・アルファあなぶきホール 大ホール
OPEN 17:00 / START 17:30
(問)デューク高松 087-822-2520
5月29日(日) 愛媛・松山市民会館 大ホール
OPEN 16:30 / START 17:00
(問)デューク松山 089-947-3535
6月5日(日) 宮城・仙台サンプラザホール
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)チケットGIP 022-222-9999
6月11日(土) 愛知・名古屋センチュリーホール
OPEN 16:45 / START 17:30
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
6月12日(日) 愛知・名古屋センチュリーホール
OPEN 16:15 / START 17:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
6月18日(土) 大阪・グランキューブ大阪メインホール
OPEN 16:30 / START 17:30
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
6月19日(日) 大阪・グランキューブ大阪メインホール
OPEN 16:00 / START 17:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
6月25日(土) 東京・東京国際フォーラム ホールA
OPEN 16:30 / START 17:30
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
6月26日(日) 東京・東京国際フォーラム ホールA
OPEN 17:00 / START 18:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
指定 6,500円
■ツアー<WHAT ABOUT EGGS?>アジア追加公演
2016年7月9日(土)台北国際会議中心(TICC)
START:19:30
チケット発売日:2016年4月9日(土)11:00
プレイガイド情報:拓元售票 https://tixcraft.com
●<flumpool tour 2016 「WHAT ABOUT EGGS?」 ~Singapore Special~>
2016年7月23日(土)MILLIAN
※3 Sentosa Gateway #01-05 Singapore 098544 https://millian.sg
OPEN/START:19:00 / 20:00
(問)Facebook https://www.facebook.com/Amuse.Inc.Asia/Email info@sg.amuse.co.jp
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