【ライブレポ】DEZERT、黒百合と影ら4組が<Visual Parade>で激突
ヴィジュアル系の王道をひた走る様な、攻撃的なバンドばかりがしのぎを削る、名門事務所Ains。そこから当イベントに殴り込みをかけてきたのは、黒百合と影だ。転換時に雰囲気たっぷりに物悲しいクラシックを流し、登場前からの抜かりのない演出には流石の一言。1曲目は「とおりゃんせとおりゃんせ」のメロディが怪しく響くハードチューン「「便所」」だ。赤いライトと不気味なギターリフが渦巻く中で、ゴミ袋を被って赤いランドセルを背負った烏名鳴(Vo)が頭を振り回して暴れ狂う。続く「チヒロちゃんの眼球舐め」では烏名が“卑猥”と書いた習字の紙を振りかざし、弦楽器も一気に前に飛び出してフロアの熱を煽った。「小学校は処女だから美味しいんです。小学生食べよう…!」という烏名の危うい曲フリから、3曲目は「ぺど。」 。黒百合と影はこのイベント唯一のツインギターのバンドなのだが、そのことが効果的に機能していると感じられた。同曲でも、不安感を煽るギターサウンドが楽曲のフックとなっていた。
中盤もとにかくアッパーに「絵の具まみれ」「ヨコハマメリー。」を畳み掛け、ノンストップでメガホンを使ったパフォーマンスがインパクト大の「ギチギチ」へ。同曲中に「ギターソロなんて観るもんじゃありませぇーん」とこよみ(G)の前に立ちはだかったり、「断崖地獄喉輪落とし」でステージ中央に寝そべったりとやりたい放題の烏名。挙げ句の果てには「こんにちはー。すわってくれませんかねえ」とオーディエンスを座らせてヘドバンさせ、客席に降りていて行ってマイクオフでMCをするなど、フロアまで巻き込んで楽しむ手腕はお見事! ラストの「「未遂」」ではモッシュで会場が揺れた。ステージセンターにフロント4人が集まるパフォーマンスと、総力戦でぶつけられるハードなバンドサウンドが五感全てに訴えかけてくる。この日の出演バンドの中で、“ヴィジュアル系というジャンル”に一番まっすぐ向き合っているのは彼等だと筆者は感じた。ヴィジュアル系ライヴの楽しさを再確認させてもらったファンも少なくなかったのではないだろうか。
■黒百合と影 セットリスト
02. チヒロちゃんの眼球舐め
03. ペど。
04. 絵の具まみれ
05. ヨコハマメリー。
06. ギチギチ
07. 断崖地獄喉輪落とし
08.「未遂」
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