【ライブレポート】宮沢和史、喜びと感謝に満ちたツアー初日「旅は始まったばかり」

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今月3日に無期限の活動休止を発表したロックミュージシャン・宮沢和史の全国ツアー「宮沢和史コンサートツアー2016 MUSICK」が11日、横浜ベイホール(横浜市)でスタートした。

◆宮沢和史 ライブ画像

昨年12月のベストアルバム『MUSICK』発売後から本ツアーへの期待が高まっていたこともあり、会場は休止前の姿を目に焼きつけようと集まった約1000人のファンで満員御礼。開場時刻のはるか前から長蛇の列ができ、ステージ前にも早い段階から観客が集まる。期待感はもちろんながら、ネットなどでは「活動休止に気持ちの整理がまだつかない」といったファンの声も見受けられるなど、様々な思いをはらんだ熱気の中での開演となった。

しかし、大歓声の中ステージに現れた宮沢は、ひとこと静かに「行くぜ」と呟いたかと思うと、1曲目「シンカヌチャー」からアクセル全開の歌唱を披露。30年近くのキャリアの中で出会ってきた実力派ミュージシャンと結成したバンド・GANGA ZUMBAとともに序盤を畳みかけ、圧倒的なエネルギーで客席をリードするその姿に、その場の誰もがたちまち引き込まれてゆく。


バンドメンバー紹介後に「佐藤健です。どうぞよろしく」と自己紹介して笑いを誘うなど、通常のライブと同じようにリラックスした姿を見せて客席を一気に解きほぐし、ファンの心をひとつにまとめたあとは、バラエティ豊かなレパートリーを次々と披露した。

MCでは「やりたいことをやりきり、自分の目標とする場所へたどり着けた、幸せな人生だった」とこれまでのキャリアを振り返りつつも、「そこに安住していてはいけない。新しい山を見つけて登らなければならない。まだまだ旅は始まったばかり」と語った宮沢。「旅の道のりそのものが幸せ」と、未来への希望と夢を追い続けられる喜び、現在のポジティブな心境を包み隠さず表現し、ファンとともに過ごすひと時を誰よりも楽しむかのようにステージを縦横無尽に動き回りながら、ときに激しくときにしっとりと、アンコールを含め3時間弱で全22曲を歌い上げた。

新たなる旅立ちを前に、ファンへの感謝を告げるツアーにふさわしい幕開け。ツアーはここから福岡、沖縄、愛知、大阪、広島と回り、1月31日(日)のZepp Divercity Tokyo(東京都)でファイナルを迎える。


text:安東嵩史
photo:ほりた よしか

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