【インタビュー】VAMPS、「ツアー＜JOINT 666＞で世界を広げていく」

■お互いの交流の部分でVAMPSが海外へ行ったときに
■一緒にライヴをやるきっかけにもなっていくと思う──K.A.Z

▲MY FIRST STORY

──ここからは日本の対バン相手ですが、MY FIRST STORYはVAMPS主宰＜HALLOWEEN PARTY 2015＞に続いての共演となります。

HYDE：MY FIRST STORYは音楽的にも凄くカッコいい！　あとは“俺たちが無くしたものを持ってるな”という（笑）。

──と言いますと？

HYDE：汚れてない感じ（笑）。

──くくく（笑）。

K.A.Z：これからが楽しみなバンドだと思います。新鮮な感じがするし、音もしっかりしてる。本当に“ロックバンド”というスタイルを持ってる子たちだと思う。

──MY FIRST STORYのメンバーに今回の対バンへの意気込みについて話を訊いたときにギタリストのShoさんとTeruさんは、「K.A.Zさんよりも速いギター回しをする」と言ってました（笑）。

HYDE：おっ！

K.A.Z：じゃあ、俺は回さないんで、MY FIRST STORYにいっぱい回してもらおうかな（笑）。

▲MONORAL

──いや、ぜひ対決を（笑）。2日目に登場するMONORALはHYDEさんとK.A.Zさんとの付き合いが古いですよね。

HYDE：昔からの知り合いなんですけど、初めて観る人には“日本にもこんなバンドいるんだ!?”って思わせることができると思いますよ。

──10月末に開催された＜MONORAL presents「Halloween Party」＞では、Ozzy OsbourneやDavid Bowieとか、いわゆるロックスター縛りの仮装をしていたんですけど、そのまま第一線級の来日アーティストを観ているようなステージでした。

HYDE：そうなんですよ。あんな音作りができるバンドは日本にいないじゃないですか。海外でも珍しいと思う。彼らは＜Halloween Party＞のほうが……ま、人のことは言えないですけど（笑）、MONORALの通常のライヴはエンターテイメントの部分が少ないから、＜Halloween Party＞のままでやったほうがライヴにたくさんの人が入りそうだなと思うけどね。だけど、そういう意見に耳を貸すわけではなく（笑）。

▲ASH DA HERO

──言うことを聞かないんですね、Anisさんたちは（笑）。そしてMONORALと同じくASH DA HEROはVAMPROSEに所属するアーティストで、デビュー前のニューフェイスです。

HYDE：そう、僕らと同じ事務所の新人なんだけど、印象としては“いい顔してるな”と。音楽を聴いても独特というか、洋楽とドメスティックな感じが混ざっているわけでもなく、巧く共存している。この間ワンマンを観に行ったんですけど、“久しぶりにいいライヴを観たな”と思った。凄くくるものがありましたね。

K.A.Z：音を聴かせてもらって、いいポップ感があるし、声もいい。ロックバンドの音だよね。

──ソロアーティスト名義ですけど、音はバンドサウンドですよね。この6組のほかに、まだ6公演分の未発表アーティストがありますが、どんな人たちになりそうですか？

HYDE：それは発表までのお楽しみということで。

▲APOCALYPTICA×VAMPS「SIN IN JUSTICE」

──では、先ほどのAPOCALYPTICAですが、VAMPSとのコラボによるシングル「SIN IN JUSTICE」が11月20日、アメリカ、ヨーロッパ、アジアを含めた全世界254地域で配信をスタートします。このコラボシングルはAPOCALYPTICAとVAMPSのイギリスツアーに加え、VAMPSとのツアー＜JOINT 666＞前にリリースされるわけで、ますますライヴへの期待感が高まるところです。そもそもこのコラボ曲が誕生した経緯というのは？

K.A.Z：APOCALYPTICAと一緒にSIXX:A.M.の全米ツアー（2015年4月開催＜SIXX：A.M. The Modern Vintage Tour＞）を廻っているなかで、フランクに話しかけてくれたりとか、お互いにふざけ合ったりとか（笑）。そういう親しみやすいところを持ってるメンツなんだよね、APOCALYPTICAは。「また何か一緒にできたらいいね」っていう話もしつつ、今回の楽曲はそれが実現したカタチです。コラボを想像したときの画として、ヴァンパイアっぽいような感じになるかなと。APOCALYPTICAはヨーロッパが思い浮かぶような雰囲気を持つバンドだし、サウンドとしても彼らはチェロとドラムがいて、VAMPSとマッチングがいい。アメリカサウンドではなくて、ヨーロッパサウンドが作れそうで面白いだろうなって。

──「SIN IN JUSTICE」の作曲はK.A.Zさんによるものですが、曲作りや選曲はどのように？

K.A.Z：コラボのためにAPOCALYPTICAのほうも曲を書いたり、自分たちも曲作りを進めたりして。それぞれの曲を持ち寄った中でこの曲をやろうかということになったんです。

──VAMPSはスケジュールが詰まりまくった中で、よくコラボのために新しく楽曲を書き下ろすことができたなと。

K.A.Z：APOCALYPTICAもツアー中にレコーディングしなければいけなかったし、VAMPSも中南米ツアーがあったりしたから、それぞれ結構タイトでしたね。確かに、よくその中で出来たなっていうスケジュールでした（笑）。

──ということは、K.A.Zさんの作った原曲を土台にレコーディングを進めていったという？

K.A.Z：お互いにデモを交換して、そこからはずっとデータのやりとりですね。ただ、ヨーロッパもネット環境がよくないから、送信するのに丸1日かかったり。こっちもこっちで中南米だから、データを送ることができないという（笑）。

──そういう過密スケジュールに加えて環境的な困難さがあった作品が完成されて、手応えは？

HYDE：今までにない感じというのかな。自分たちだけではこういう発想にはならないだろうなという楽曲に仕上がりましたね。普段、あそこまでチェロをフィーチャーしようとは思わないでしょ、“ここはチェロソロだな”なんて（笑）。それに、K.A.Zくんが作ってきた曲は“80sぽいな”って思ったんですけど、ちょうど僕もそういう雰囲気の曲がやりたいと思っていたので、ナイスタイミングでした。

──「SIN IN JUSTICE」の歌詞にはどのような想いが？

HYDE：“正義の中にも罪はある”っていう感じの……タイトルそのままですけど（笑）。戦場だと勝者が英雄化されるじゃないですか。“罪のない人も殺しておいて正義？”と。そういうところを比喩して書いています。

──APOCALYPTICAとの対バンライヴでコラボ披露されるのが楽しみです。では最後に、＜VAMPS LIVE 2015-2016 JOINT 666＞はどんなツアーになりそうですか？

HYDE：ファンと対バンとのいわゆる3Pみたいなものですよね……どっちが良かったんや？ん？みたいな（笑）。

──はははは！

HYDE：だからファンは二度おいしいですよね……そんなことないか（笑）。K.A.Zくんに聞いてください（笑）。

K.A.Z：VAMPSを観に来てくれる人にとっては、他のバンドにも触れるいい機会だと思うし。海外のバンドにとってはお互いの交流の部分で、またVAMPSが海外へ行ったときに一緒にライヴをやるきっかけにもなっていくと思う。対バンだからといって日本のバンドに限る必要がなかったのは、そういうところにもあって。お互いがそれをうまくつなげていければいいと思うし、それがお客さんに伝わっていけばいいですね。

取材・文◎梶原靖夫（BARKS）
撮影◎田中和子







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