【ライヴレポート】D’ERLANGER、25周年ツアー最終公演で「また会おう！」

D’ERLANGERが11月15日（日）、恵比寿リキッドルームにて＜Spectacular Nite -狂おしい夜について- TOUR 2015 2nd＞と題された最新アルバムのアンコールツアー最終公演を開催した。

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デビュー25周年。初の海外レコーディングをはじめ、日本を二周まわる二回の全国ツアーを展開するなど、長きに渡る活動の中でも2015年は過去に類を見ない充実の1年だっただろう。4月にリリースされたアルバム『Spectacular Nite -狂おしい夜について-』のアンコールツアーの最終公演は、客席の熱気にも格別のものがあるようで、バンド史上初のリキッドルーム公演にして超満員のオーディエンスの期待感は開演前から膨れ上がっていた。この夏、フェスやイベントをはじめとする他流試合にも数多く出演するなど、バンドのパフォーマンス能力も長年のキャリアを経た現在もますます高まっているのだ。


BGMの音量が上がり、フロアの熱量も高まる中、場内暗転。怒号にも似た歓声の中、メンバーが登場した。その自信みなぎる佇まいが頼もしい。この日のライブは「狂おしい夜について」からスタートした。艶やかかつ激しい演奏に、オーディエンスは一気にD’ERLANGERの世界観に引きずり込まれる。「Cherry」のエンディングではCIPHER（G）がピックをステージに叩きつけるなど、バンドのテンションも冒頭から高い。



「Dance with me」「SWEET　EMOTION」「IS THIS LOVE」とアルバムの楽曲がセットリスト前半から惜しみなく披露される。この日の彼らは前半戦から演奏の集中力が異常なほど。Tetsu(Dr)の叩き出す感情豊かな激しいビートに、寸分のずれもなく寄り添うSEELA（B）のベースプレイはこの日も大きな注目を集めた。この鉄壁のリズムセクションがあるからこそ、D’ERLANGERは自由度の高い演奏を展開できるのである。

続く「Singe et Insecte」「LULLABY」ではkyo(Vo)の伸びやかな歌声に乗り、オーディエンスのシンガロングも一層大きく響く。セットリスト後半に配置可能でもあるこのキラーチューンを中盤戦で惜しげもなく披露するところにも、このツアーの充実度の高さがうかがえた。



メドレーに続いて、一瞬の空白の後、披露されたのはTestuのドラムソロだ。ホイッスルでオーディエンスを煽りながら、手数の多いフレーズを巧みに取り入れたこのソロが、バンドにとってもサプライズであったことが後のMCでkyoから明かされると、驚きの声と共にさらに大きな歓声がフロアから沸き上がる。そしてバンドデビュー25周年の感謝を伝え、バンドがステージの中で向き合いながら演奏が始まったのはニューアルバムからの「BABY」。バンドの集中力の高さにオーディエンスは圧倒され、ただただ息の飲むばかりである。



その静寂を打ち破るかのようにCIPHERのギターリフが放たれ、間髪入れずに鋭い演奏で「柘榴」が披露された。高まりを頂点まで沸騰させたのは「dummy blue」。雷鳴のようなドラムフレーズに続いてギターリフがオーディエンスの耳を引き裂く。再結成後直後にリリースされた「LAZZARO」に収められたこの楽曲の浸透度は高い。本編ラストには「Masquerade」を熱気あふれる演奏でたたきつけ、バンドはステージを降りた。

超満員のオーディエンスからの熱いアンコールに応え、立て続けに「Skelton Queen」「the end of eden」を妖艶な演奏で披露した後、kyoの「Tokyo、また会おう！」というシャウトに導かれて、ラストにはじき出されたのは「CRAZY4YOU」だ。サビのブレイクではTetsuが乾坤一擲の咆哮をフロアに浴びせ、会場の興奮をこの日一番の沸点に導いた。


この曲がラストであったが、この日はツアーファイナルにふさわしく、スペシャルサプライズとして「Angelic Poetry」を披露。メンバー全員の充実した表情と共に、ツアー最終公演の幕は閉じた。

デビュー25周年というアニバーサリーイヤーを素晴らしい演奏で締めくくったD’ERLANGER。物語の続編を楽しみしておこう。

取材・文◎加藤龍一　撮影◎Takeshi "GUTS" Nakatani




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