【ライヴレポート】D’ERLANGER、研ぎ澄まされた大阪の夜について

全国ツアー＜Spectacular Nite -狂おしい夜について- TOUR 2015 2nd＞を開催中のD’ERLANGERが11月3日、大阪クラブクアトロ公演を行った。ニューアルバムリリース後、日本を二周する形となり、ますますパフォーマンスのクオリティも上がりつつある同ライヴには、早くから熱心なファンが詰めかけ、開演前にも関わらずフロアを熱気で満たしてゆく。

◆D’ERLANGER 画像

オープニングナンバーは「狂おしい夜について」。艶やかなkyoのヴォーカルに劇的な演奏が重なった瞬間、フロアのテンションが一気に上がるなど、バンドのパフォーマンス能力の高さが冒頭から証明される。セットリスト前半に配された「Dance with me」「SWEET EMOTION」をはじめ、ニューアルバムからの楽曲もオーディエンスには完全に浸透しており、バンドとの融合性も高い。



セットリスト中盤には「Singe et Insecte」「LULLABY」と、“D’ERLANGER流POP SIDE”とも言える楽曲が続けて披露された。ある種、鋭いイメージがピックアップされることの多いこのバンドではあるが、実はライヴではシンガロングできる曲も多数存在する。キャリアと共に幅広い楽曲を誇るD’ERLANGERならではの懐の深さと言えるだろう。また、＜Spectacular Nite -狂おしい夜について- TOUR 2015＞でも何パターンか披露されていたメドレーがこの日も登場。ツアー中が故に、その詳細について記すことはしないが、古くからのマニアでもあっと驚く曲が披露され、大きな歓声が巻き起こったことは記しておきたい。

後半は畳み掛けるかのように激しい演奏が続く。「柘榴」ではSEELAとTestuによる怒涛のリズムセクションに呼応するかのようにkyoのシャウトも激しさを増していく。「dummy blue」でのCIPHERの鋭いギターカッティングと共に放たれる視線の強さも、バンドの大きな魅力の一つだと言えるだろう。「Dance naked, Under the moonlight.」「Masquerade」と現在のD'ERLANGERを代表する二曲をフロアに叩きつけ、本編の幕が閉じた。



「まさに“同じ釜の飯を食う”かのごとくであった」と伝えられるL.A.レコーディングを経て、改めて“バンドとは？”という本質を自身に問いかけるように作られたアルバム『Spectacular Nite-狂おしい夜について-』を代表する「CRAZY4YOU」をラストに、大阪の宴の幕は閉じた。

“バンドのあるべき姿”をまざまざと見せつけるこのツアーは、11月７日の名古屋E.L.L公演、そしてファイナル11月15日の東京リキッドルーム公演と残り2本となる。また、毎年恒例のFC限定クリスマスライヴ開催と＜MAVERICK DC presents DOUBLE HEADLINE TOUR 2016「M.A.D」＞への出演も発表になるなど、D’ERLANGERは同ツアー終了後も走り続ける。

取材・文◎加藤龍一　撮影◎Takeshi "GUTS" Nakatani





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