【インタビュー】Angelo、EP『FACTOR』完成「斬り込んでいくのは自分の役割」
Angeloが9月30日、6 tracks EP『FACTOR』をリリースする。これは30日間限定生産にて6曲入りの作品をリリースするというものであり、加えて12月には6 tracks EP『RESULT』のリリースも予告されている。“FACTOR”と“RESULT”=“要因”と“結果”。果たして、一連のコンセプト作品の意図は?
◆Angelo 画像
“量子力学”や“相対性理論”など、物理学の範疇にまでおよんだキリトのリリックは驚きに値するものだが、称賛されるべきはその手法ではない。無尽蔵な表現欲求と、それを音楽的に落とし込んだ感性こそが、前代未聞/賛否両論を呼ぶこのバンドの本質にあると言っていい。また、サウンド的にみればあまりにもコアなものから、限りなく広がりを連想させるものまで、果てしない。2作品の関係性、音楽的な未知、哲学的/文学的表現について、あらゆる角度からキリトとKaryuに話を訊いたロングインタビューをお届けしたい。凍てつくような緊張感とすべてを木っ端微塵に砕くような爆発力を伴うAngeloの音楽世界の魅力が伝わるはずだ。
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■何段階も層があるっていうことはPIERROTの時から言っていますよね
■もっと言うとキ○ガイじゃないと理解できない層まで用意してありますから
──2015年6月、ツアー<CREATING A SINGULARITY>がファイナルを迎えた際、キリトさんはステージ上にて9月に出る6 tracks EP『FACTOR』と、それに次いで12月に出す6 tracks EP『RESULT』に関して、「いろいろと関係性が複雑」であるとの予告的発言をされていました。この2枚は、そもそもどのような背景の中から生まれたものだったのですか。
キリト:まずですね。Angeloとしては現体制になってからの『BABEL』、『RETINA』、『FAITH』、そして前作の『PSYCHE』まで来たことで、作品としての質や世界観の深まり方がかなりの域に到達したんですよ。そこは多分、ファンの方たちも良く知っているところだと思うんです。じゃあ、そこからさらに次を目指すとなった時にはどうすべきなのか? そこを考えていた中で、僕は思うことがあったんです。
──と言いますのは?
キリト:単純にブランクの時間を少し作って、次の作品への準備期間とするのか。あるいは、新しい何かをさらに生み出し、吐き出し続けていくことによって、次へとつながるものを見つけ出していくのか。選択肢は、そのふたつだなと。
──つまり、Angeloが選んだのは後者だったというわけですね。
キリト:そう。今のAngeloは休んだり準備をするよりも、より激しく攻撃をし続けていくことでもっと大きな標的というのかな。自分たちにとっての、新たなポイントが見えてくるんじゃないかと思ったんですよ。そういう意味で、今回、この『FACTOR』と『RESULT』をこうして2枚連続で出すことには明確な意味があるんです。
──『FACTOR』=要因、そして『RESULT』=結果。このふたつのタイトルが織りなす相関関係も非常に気になりますし、『FACTOR』に収録されている各楽曲の歌詞を見渡してみても、随所に論文的論法のようなものが使われている点が、大変興味深いです。
キリト:文系寄りなロマンのあるストーリーと、それら裏付けるような理化学的アプローチを共存させるやり方は、もともと僕の得意技でもあるのでね(笑)。人の感情だとか、そこから生まれる現象。試してみたことの結果。それらを化学的に検証して裏付けをしながら、次の段階へと進めてゆく。作り手である僕ら側の心理と、受け手側の心理。それを融合させることによって生まれる現象も、きっとあると思うんですよ。
──Angeloの提示する深い世界をしっかり堪能しようとすると、これは受け手側もそれなりの知的レベルが問われることになって来ますね。
キリト:どうでしょう? 別にそういうことをやっていますよと特にスローガンを掲げるわけでもないし、バンドとしては純粋に超カッコ良いミニアルバムを出しますよ、というだけの話ですけど。歌詞の世界観的な領域というのは、僕ひとりの仕事だし。ソコはもう、好き勝手やらせてもらっているんですよね。ただ、これを本気で知ろうとすればそれは大変なことになりますよ。でも、現実的にはそこまで深くは知ろうとしない人がほとんどなんじゃないかな。実際、深いところまで理解出来る人は少ないと思う。別に、そんなことは知らなくても良いしね。作っている僕が納得行けば、それでいいんです。
──コアなファンの方々の間では、ネット上でキリトさんの書く詞について検証などもされているようですけれど。
キリト:そういうものもね。イイ線は行っているんですけど、もうちょっとかなぁ……と思うケースが多いです。まぁ、説明しろと言われれば何時間でも説明しますけど。それを記事として全部載せるなら(笑)。
──ははは、ぜひぜひ。
キリト:結局、どの詞をとっても、どの曲をとっても、何段階も層があるっていうことはPIERROTの時からずっと言っていますよね。なんとなく分かったような気がしたとしても、その下にはまだ層があって、さらに踏み込んだヒネた考えを持っている人にしか分からない層もあって、もっと言うとキ○ガイじゃないと理解できない層まで用意してありますから。そういう意味では、楽しもうと思えば何重にも楽しめる世界を用意してはあるんですよ。常にね。
──ではここで、『FACTOR』に収録されている各楽曲について、少し具体的なお話もうかがって参りましょう。まずは、「Experiment」について。
Karyu:これは、僕が作る王道的なリフが軸になっている曲です。イメージとしては、個人的に大好きなヨーロッパの危ない夜みたいな光景を思い浮かべていました(笑)。
──スリリングなスビード感に溢れているのは、そのせいだったのですね。
Karyu:インダストリアルとかゴスの雰囲気もちょっとあるので、これはあんまり人がマネ出来ないタイプの曲だと思います。
キリト:これはほんと、凄くKaryuらしい曲ですよ。相変わらず、彼は良い曲を書くなと思いました。ほんと、音楽の才能はあるんですけどねぇ。
──音楽の才能は、ですか(笑)。
Karyu:キリトさん、その話はそこまででいいですよ(苦笑)。
キリト:じゃあ、以下省略(笑)。
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