カラオケ世界大会「KWC 2015」日本大会決勝、圧倒的な歌唱力で会場を騒然とさせた男女各2名の日本代表が決定!
アマチュアシンガーのカラオケ世界王者を決める「KARAOKE WORLD CHAMPIONSHIPS(KWC)」が今年も開催される。その日本代表を決定する「KARAOKE WORLD CHAMPIONSHIPS 2015 JAPAN オーディション」が9月19日、六本木のニコファーレで行われ、インドネシア・バリで開催されるアジア大会に出場する男女各2名が決定した。
KWCは、アマチュアシンガーのカラオケ世界王者決定戦。それぞれの国の予選大会を勝ち抜いた男女各1名が国の代表として世界大会に参加する。2003年の第1回大会以降毎年開催され、日本は2012年より参戦している。今大会よりアジア大会が新設、10月のインドネシア・バリで開催されることとなった。アジアの17の国と地域から男女各2名が参加し、アジアNo.1を目指す。また、この中から各国の代表となる男女各1名が決定され、11月にシンガポールで行われる世界大会へと挑むことなる。
▲地区予選を勝ち抜いた18人がニコファーレに集結(左)。ステージと左右壁面がスクリーンで、天井にも派手な電飾が。最初に歌ったのは昨年の日本代表の馳平さん(右)。
この日のKWC日本決勝大会には、「DAM★とも」によるオーディションを経て全国7カ所で行われた地区予選大会を勝ち抜いた18名が集結。司会進行の辻よしなりさん、鮎河ナオミさんに呼ばれ、挑戦者18名が次々とステージへ上がると会場からは歓声があがる。それと同時にニコファーレならではのステージ背面と左右の壁面に用意されたスクリーンに、鮮やかなビジュアル・エフェクトとともにニコニコ生放送視聴者のコメントが飛び交う。そう、この模様は生中継されているのだ。ここで緊張の面持ちで並ぶ挑戦者を激励すべくKWC2014日本代表として出場した馳平恵大さん、倉舘麻美さんがゲストとして登場。倉舘さんの「会場の方々たくさんいるので、一人の方を決めて気持ちを込めて歌ってあげてください」とアドバイス、続いて馳平さんがTVアニメ「テラフォーマーズ」のオープニングテーマ「AMAZING BREAK」(TERRASPEX)をパワフルに歌い上げると、あっという間に会場はヒートアップ。手拍子で応える挑戦者たちも笑顔で少しはリラックスした様子。そして、1stステージがスタートした。
日本決勝大会は1stステージとファイナルステージの2段階で選出、1stステージから8名がファイナルステージへ進むことになる。いずれのステージも地区予選とは異なる楽曲を歌わなければならないというハードルが課せられているとのことで、出場者には厳しい環境だ。
ケルティック・ウーマン、レベッカを男性が歌うという2組の意外な選曲で始まると、出場者の緊張が伝わるのか観客は熱心に、そして比較的静かに歌に聞き入るという感じ。しかし、中部代表の松浦愛さんによる量感あるボーカルと抜群のノリで歌い上げる「愛情」(小柳ゆき)で会場の雰囲気が一変、歓声や拍手、手拍子が起こり、ライブステージを楽しむという方向へ。Superfly、Crystal Kay、HY、倖田來未、徳永英明といったカラオケの定番に加え、角田信朗や笠置シヅ子、THE YELLOW MONKEYといったちょっと意外なアーティストの曲、さらには見るものを笑顔にする演歌などバラエティに富んだ選曲。動き少なめでじっくり歌い上げる人から、こぶしを使って男らしさを見せるアクション、ステージを広く使って観客にアピールする女性など、パフォーマンスも千差万別。もちろん、歌のうまさはいうまでもないのだが、「カラオケ大会」を観ているというよりも、プロのアーティストによるオムニバスのライブを観ているという印象。とにかく飽きさせない、ハイレベルな戦いとなった。
▲最初からハイレベルな戦いが繰り広げられた1stステージ。写真は左上から益田勝志さん、松浦愛さん、浜野慎太郎さん、秋田桃子さん、吉田達彦さん、菅野幸世さん。
そしてあっという間に18組の歌唱が終了、この中から男女4名ずつ計8名がファイナルステージへ進出することとなった。審査は難しく紙一重の差だったというが、「歌がうまいのは当たり前、パフォーマンスのライブ感を重視した」ほか、「アピール度」や「世界で戦った時の総合力」、そして「感動するか・涙が出たか」などが評価の決め手となったという。
発表後は間髪入れずにファイナルステージが男性からスタート。1stステージでケルティック・ウーマンに挑戦した益田勝志さんはまたも女性の曲、「今、風の中で」(平原綾香)を魅力ある歌声で観客にうったえるように歌い上げる。1st/ファイナルで違う面を見せたのは浜野慎太郎さん。德永英明「レイニーブルー」とは真逆のアップテンポなTUBE「太陽のサプライズ」をカラダ全体でリズムにのり、のびやかで抜群の安定度を誇る歌声で響かせた。
日本代表となったのは寺中章人さんと猪俣優也さん。寺中章人さんは「空へ」(角田信朗)に続きHANZOの「スサノオ〜愛の神〜」を男らしく熱唱、1stステージ以上の安定度と力強さを見せる。同じく日本代表となった猪俣優也さんはロック魂を炸裂させたTHE YELLOW MONKY「球根」から一転、エリック・クラプトンの「Tears In Heaven」を歌詞をかみしめるようにしっとりと歌い、1stステージとはまったく違う大人の男の魅力を感じさせた。その歌には観客には涙を浮かべる人も。
▲寺中章人さん
▲猪俣優也さん
続く女性4人はいずれも英語曲でチャレンジ。1stステージの「ジャングル・ブギー」(笠置シヅ子)で観客を笑顔にした秋田桃子さんはアレサ・フランクリン「Think」を、抜群のノリとフェイクで歌い上げた。1stステージはハッピにねじりはちまきで「河内おとこ節」(中村美律子)を楽しく聴かせた菅野幸世さんは、「I will Always Love You」(ホイットニー・ヒューストン)をフルスロットルに情感を込めて熱唱した。
その歌唱力とパフォーマンスで別格と思わせたのが、日本代表となった女性の二人。右から左へとステージ全体を使い、パワフルな歌声とパフォーマンスで、レディー・ガガもカバーしたスティービー・ワンダーの「I wish」を歌ったのは齋藤伶奈さん。ドスの効いた低音から伸びやかな高音、抜群のグルーヴで会場からは手拍子が湧き上がる盛り上がり。続く大山未夢さんはミュージカルさながらのステップでバーブラ・ストライサンドの「Don't Rain On My Parade」をパフォーマンス。テンポの緩急も見事に歌いこなして歌の世界の広がりを感じさせ、会場からの大きな歓声を浴びた。
▲齋藤伶奈さん
▲大山未夢さん
挑戦者の歌唱後は再び昨年のKWC 2014日本代表となり世界を見てきた倉舘麻美さんが登場し、圧倒的なの歌唱力でDestiny's Childの「Stand Up for Love」を披露。「世界の人達は若い子からお年寄りの方まで音楽っていうものをカラダでわかってる方が多い」「日本人は恥ずかしがり屋さんが多い」としながらも「日本人も負けてない」「世界に行っても通じる」とエール、会場からは拍手が起こった。
▲審査を待つ間、昨年のKWC日本代表の倉舘さんが圧倒的なパフォーマンスを披露(左)。直後の最終結果発表では涙する受賞者も(右)。
「鳥肌の量といいますがか、得体のしれない興奮をわけてくれた方」と選考理由が審査員から語られたとおり、観る者・聴く者を感動させてくれた4人。この日本代表となった4人は、10月9日〜11日にインドネシア・バリ島で行われるアジア大会に出場し、アジアNo.1を競うことになる。さらにアジア大会で男女各1名が選出され、11月20日〜22日にシンガポールで行われる世界大会へ進出する。日本代表の活躍を期待したい。
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