【イベントレポート】<地球劇場フェス2015>、笑いと涙と感動と
谷村新司がツタエビト(MC)となりゴダイゴ、平原綾香、さだまさし、加山雄三、THE King ALL STARSらが参加した<地球劇場フェス2015>が、8月8日(土)横浜・赤レンガパークにて開催された。これはBS日テレの音楽番組『地球劇場~100年後の君に聴かせたい歌~』が発信する初の野外イベントだ。
◆<地球劇場フェス2015>画像
冒頭、ツタエビト(MC)として谷村新司が登場し開会宣言、ステージには鳩型のバルーンが空に舞い上がり<地球劇場フェス2015>が華やかにスタートした。
オープニングはゴダイゴ。お馴染みの曲を次々と演奏するグレイテスト・ヒッツな構成。モニターには歌詞も映し出され、お客さんも一緒になって歌い、一瞬にして30年以上前へタイムスリップしたような気分にさせてくれる。モンキーマジックのサビではボーカル、タケカワユキヒデの両手からお約束のクモの糸が飛び出すとお客さんも大喜び。演奏後のトークで谷村は、アリス時代に初めてゴダイゴを聴いた時、凄いバンドが出てきたと脅威を感じていと話し、今日もリハーサルで聴いて涙ぐんだと告白した。
2番手はTHE King ALL STARSだ。加山雄三の「よろしく!」という掛け声から演奏スタート、懐かしのモズライト・ギターから流れるイントロで場内は拍手喝采の渦となった。会場の赤レンガパークの左手は海。サーフロックの名曲で映画『パルプ・フィクション』のテーマ曲にもなった「ミザルー/Misirlou」では、この会場の雰囲気にぴったりとはまり、5曲目には、この日参加出来なかったメンバー、キヨサク(MONGOL 800)が作った新曲も初披露された。
ここで舞台にはen塾の面々が登場。番組では、ASEAN10ヶ国で日本語を学ぶ学生に、番組で収録した歌を日本語学習の教材として役立ててもらうというプロジェクトに取り組んでおり、en塾はインドネシアで日本語のミュージカルを作っている学生だ。4声の爽やかなハーモニーで美しい日本語の詞で綴られたオリジナル曲「桜よ~大好きな日本へ~」を歌い、その綺麗な歌声で、客席から涙を誘った。
続いてステージには、長崎・浦上天主堂でのコンサートを終えて会場に駆けつけた平原綾香が上がった。曲は谷村のリクエストで「Jupiter」。崇高で凛とした雰囲気をまとった平原のパフォーマンスに観客もじっと聴き入る。続いて番組の人気コーナーのひとつでもある、谷村とゲストがコラボレーションするDREAM SONGパートへ突入、平原綾香と谷村が「いい日旅立ち」を歌うことに。「まさかご本人と一緒に歌わせて頂けるなんて一生の思い出になります!」と平原も感激の様子だ。
「(平原さんの参加で)ステージがこんなに華やいだ後でなんですが…」と次の出演者を呼び込むと「悪かったな、華やがなくて」と毒づきながら現れたのは、さだまさしだ。谷村が「この時期(お盆)に聴きたいあの名曲を」と向けると「お盆といえば私!世界広しといえど、お盆ディナーショーやれるの僕だけだよ」と二人の息の合ったトークの応酬は、まるで漫才を見ているようだ。なかなか曲に移ろうとしないさだにヴァイオリンを持たせ、ようやく1曲目の「精霊流し」に。続いてのコラボレーションは「案山子」。息が合うのはトークだけでなく歌声も完璧で、ふたりの美しいハーモニーに観客も酔いしれ、貫禄のパフォーマンスを存分に見せつけた。
そして番組の第1回ゲストでもある加山雄三が、今度はソロで登場。このイベントの実現を谷村が考えていた頃、「やるなら出るよ!」といちばん最初に声をかけたのが加山だったという。この一言がなければ、地球劇場フェスの開催はなかったかも知れないというキーパーソン的存在でもあったのだ。ここでは「君といつまでも」が、観客のペンライトの波とともに大合唱が起こり、両者のコラボは永遠の名曲「海 その愛」とつながっていく。横浜、港、遠くにハーバーライト…と、絶好のロケーションで贅沢過ぎる空間ができあがった。
オオトリは谷村新司だ。2曲目の「チャンピオン」では、こらえ切れなくなったのかオーディエンスも総立ちとなり、この日いちばんの盛り上がりを見せた。ラストは谷村と加山が揃って舞台に立ち、さらに出演アーティスト全員も加わっての「サライ」だ。もうまるで「24時間テレビ」の武道館のように、ステージと3000人の客席がひとつになって大合唱する感動のフィナーレを迎えることとなった。
この日の模様はBS日テレ『地球劇場~100年後の君に聴かせたい歌~』で9月12日(土)19時より放送される。
PHOTO:KEIKO TANABE
<地球劇場フェス2015/演奏曲目>
●ゴダイゴ
モンキーマジック/ビューティフルネーム/ガンダーラ/銀河鉄道999
●THE King ALL STARS
(Vo&Gt 加山雄三/Gt 佐藤タイジ/Gt 古市コータロー/Bass ウエノコウジ/Dr 武藤昭平/key 山本健太/tp タブゾンビ)
Sweetest of all/I feel so fine/MONKY CRAZY
ミザルー Misirlou/continue/I Simple Say
●en塾(インドネシアで日本の文化を学んでいる劇団)
桜よ~大好きな日本へ~
●平原綾香
Jupiter/いい日旅立ち with 谷村新司
●さだまさし
精霊流し/案山子 with 谷村新司
●加山雄三
君といつまでも/海 その愛 with 谷村新司
●谷村新司
遠くで汽笛を聞きながら/チャンピオン/昴/サライ with 全出演者
◆地球劇場~100年後の君に聴かせたい歌~/番組サイト
この記事の関連情報
言語聴覚士・介護福祉士の芸人サッチィー、オーラルフレイル予防のに新曲「パタカラ音頭」リリース
『進撃の巨人』オーケストラコンサート、世界20都市以上でのワールドツアー開催決定
台湾のインディー音楽アワード「金音創作賞」、11月2日(土)開催
【コラム】いま聴きたい! 注目の女性アーティスト6選
『【推しの子】』ドラマシリーズ全8話の主題歌アーティスト決定
国内最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」、2025年5月に開催
渋谷に“やりすぎ”なライブハウス「SHIBUYA FOWS」、2025年春に誕生
キングレコードの新レーベル「HEROIC LINE」、初の主催イベント開催決定
<Ponta パス Station>、KAWAII LAB.やICExらが渋谷を盛り上げる