【ライブレポート】MICHAEL、主宰フェス開幕「濃過ぎて、初日から張り切り過ぎ」

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MICHAEL初主宰によるフェス<MICHAEL Summer Night Circus 2015>が7月10日から20日までの8日間にわたりZeppブルーシアター六本木にて開催中だ。ついに幕を開けた初日公演“MICHAEL vs BULL ZEICHEN88 vs Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE”の模様を中心に、現在まで3公演が終了した同公演をレポートしたい。

◆MICHAEL 画像

やはり、だたのフェスではなかった。松岡充という男、『MICHAELを中心に置くと、こんなイベントも創れるのだ』というステージを初日からまざまざと見せつけるような、そんなMICHAELならではの夏のサーカスが幕を開けた。

なにはともあれ、全8日間の出演者ライナップを見て欲しい。松岡が主題歌&ライダー役も務めた仮面ライダーチームMitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEをはじめ、レジェンドであり以前所属していた事務所の大先輩JUN SKY WALKER(S)、そして松岡充主演舞台『私のホストちゃん』の共演者(これをきっかけに松岡プロデュースでシングル「STELLAR」まで作ってしまった)からD-DATEの荒木宏文。さらには松岡のニコ動番組からつながったROOT FIVE、2014年にMICHAELが参加した夏フェスで共演したことからつながったK-ROCK勢CNBLUEの後輩バンドN-Flying。また、MICHAELを慕う後輩バンドのMUCCとSadie。以前からお互いのライブに足を運ぶなど交流のあったゴールデンボンバーなどなど。とにかく出演者すべてがMICHAELと深い縁でつながったアーティストばかりなのだ。徹底して本人同士のつながりを最優先しながらも、これだけジャンルレスで豪華なラインナップを自ら揃えられるのは、音楽シーンでも彼らしかいないだろう。そして濃厚な関係性を持ったアーティスト同士が、連日ステージで顔を合わせてステージを創っていくというのだから、単なるライブで終わるはずはない。その予感は見事に的中した。

まずは初日、記念すべき幕開けを飾った出演者は、MICHAEL、BULL ZEICHEN88、Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEという3バンド。出演者全員が映った豪華な巨大パネル(出演者が連日ここに生サインを入れていく)を横目に場内へ。すると、ライブの開演前に出演者が舞台に出てきて、オーディエンスの目の前でこの日の出演順を決めるバトルを展開した。のっけから予想外のサプライズにファンは大爆笑しまくり。この日のトップバッターに決まったのはMICHAELだ。主宰者がいきなりオープニングを飾るというのも珍しい。

MICHAELのステージは松岡(Vo)による「Amazing Grace」の重厚かつ聖なるアカペラで場内の空気を一瞬にして締める。緊張感をたっぷり高めた後、ジルのギターがオーディエンスの身体を徐々にドライブさせていく「Overture」へ。ライブ冒頭は流れるようなリズムで空間を作っていった。

「今日はトンコツのこってり味、濃い3チームが勢揃いですから覚悟して下さい」

と松岡がオーディエンスに注意を投げかければ「リスペクトするバンドと共演できて俺は最高にHAPPYやで。イェー!」とジルがおどけてみせるなど、凸凹コンビのトークも絶好調。この後、松岡は「連日通ってくださる方もいるので、MICHAELは毎回違う曲順でやります」と宣言した。そして、「今日中にしっかり憶えて帰って」といきなり新曲「TRUE BLUE」を初公開して客席を沸かせ、ラストナンバーまでその勢いが衰えることはない。演奏を終えた後は、MICHAELの秋ツアーが開催されることをフェス初日に駆けつけたファンにどこよりも早く口頭で伝え、彼らの舞台が終了した。

2番手は、Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEのメンバーでもあるIKUO(B)と淳士(Dr)のバンドBULL ZEICHEN 88だ。ステージに上がった4人は円陣を組んで気合いを入れた後、ライブをスタートさせた。場内がOiコールでどんどん暴れモードになってきたところで「MONSTER」、新曲「WENDY」を投下。4人4様のカラフルなヘアーカラー同様、複雑な変拍子で構成された楽曲を各々がどこまでも圧倒的スキルをもって攻めまくるバンドサウンドは圧巻のひと言だ。なにもかもが普通じゃない超絶プレイ満載のこってり感に、MICHAELファンは驚きを隠せない様子でもある。

「こんな我々ですが、せっかくなので自分たちがリスペクトしていたSOPHIAの曲をやります」

という栄二郎(Vo)のMCに続けて、彼らがSOPHIAの「Believe」のカバーをプレゼントすると場内に大合唱がわき起こった。そこから後半は栄二郎が客席に降りてオーディエンスをさらに盛り上げ、気がつけば会場を見事にBULL ZEICHEN 88ワールドへと引き込んでいった。

初日のトリはMitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEだ。松岡充(Vo)を筆頭に、音楽コンポーザー兼プロデューサーのtatsuo(G)、サポートミュージシャンとしても超売れっ子のIKUO(B)と淳士(Dr)。この4人が揃ったステージを見られること自体、奇跡のような出来事であり、彼らがステージに並んでいるだけで、なんともいえないゴージャスな雰囲気がただよう。そして、TVでお馴染みの「SUPRISE-DRIVE」や「time 」が放たれると、とたんに目の前がパッと開けていった。普遍的なメロディーとテクニカルでありながらも“歌”を押し出すサウンド、メッセージ性の高い歌詞。すべてがプロフェッショナルなのだ。その整合感ある音楽に感動すると同時に、強い気持ちをかきたてられた。

さらにこの日はMitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEにジルをフィーチャーするという、このタイミングでしか見られないバンド編成で、SOPHIAの「cod-E ~Eの暗号~」をパフォーマンス。客席から特大の拍手が起こったところで「新曲やります」と8月リリースの3rdシングル「re-ray」も披露した。最後はなんと、出演者全員が楽器を持ってステージに大集結。Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEの「sing my song for you」をオールキャストで歌い演奏して、みんなを笑顔にしていった。出演者一同が手を繋ぎ観客に挨拶して、初日ライブが瞬く間に終了した。

奇跡のような豪華メンバーの集結はもちろんのこと、開演前の催し、SOPHIAのカバー、出演者揃ってのパフォーマンスなど、単なるライブだけでは終わらないレアなメニューで観客を驚かせ、楽しませ、充実感たっぷりな気持ちにしてくれた初日だった。

先輩バンドJUN SKY WALKER(S)を迎えた2日目は、主宰フェスにもかかわらず先輩を立てて先攻でLIVEパフォーマンスを行なったMICHAEL。さらに、JUN SKY WALKER(S)のステージでは名曲「MY GENERATION」に松岡とジルを加えるカタチでのセッションも。解散を経て今、オリジナルメンバーで活動を続けている先輩バンドの勇姿は、SOPHIA/MICHAELファンにとって、大きな財産になったのではないだろうか。

3日目は、D-DATEリーダーとして活動し、この春にソロアーティストとしてメジャーデビューを果たした荒木宏文との共演だ。松岡主演舞台『私のホストちゃん』での共演をきっかけに交流を深めた彼らは、次作の楽曲提供およびプロデュースを松岡が担当。その新曲が初披露となった。さらにはこの日限りの舞台版『私のホストちゃん』番外編も上演されるなど、ただのライブでは終わらなかった。

今後もきっと、このイベントだからこそ、その日限りでしか実現できなサプライズが待ち構えているに違いない。<MICHAEL Summer Night Circus 2015>が気になっていた人、従来の夏フェスに飽き足りない人はぜひとも足を運んでみてほしい。最後に3公演を終えた松岡から到着したメッセージをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

「濃過ぎて、初日から張り切り過ぎて首が痛いです(笑)。
いままでSOPHIA時代もやったことがない、無謀とも言われかねないライブ週間がスタートしました。対バンバトルはいろいろなところでやられていると思いますが、僕らが主宰した今回のイベントは形だけじゃないんです。自分たちと関係の深いバンドや表現者、アーティストを集めて、彼らと一緒にステージを創っていくというこの温度感は、他では味わえないと思うんですね。
だから、1日に多くても3アーティストしか出ないんです。連日、その日限りのスペシャルな内容になってるので、連チャンで来られる方はたくさん素晴らしいステージが楽しめると思います。時間的に無理してでもやる価値、見る価値があると思っているので、ぜひとも足を運んで下さい。
最終日まで駆け抜けます!!」──松岡充

   ◆   ◆   ◆

取材・文◎東條祥恵 撮影◎山内洋枝

■<MICHAEL Summer Night Circus 2015>

2015年7月10日(金)開場:17:30 開演:18:30
 MICHAEL vs BULL ZEICHEN 88 vs Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE

2015年7月11日(土)開場:17:00 開演:18:00
 MICHAEL vs JUN SKY WALKER(S)

2015年7月12日(日)開場:17:00 開演:18:00
 MICHAEL vs 荒木宏文

2015年7月14日(火)開場:17:30 開演:18:30
 MICHAEL vs MUCC vs Sadie 

2015年7月15日(水)開場:17:30 開演:18:30
 MICHAEL vs ROOT FIVE

2015年7月18日(土)開場:17:00 開演:18:00
 MICHAHEL vs N.Flying

2015年7月19日(日)開場:17:00 開演:18:00
 MICHAEL vs ゴールデンボンバー

2015年7月20日(祝月)開場:17:00 開演:18:00
 MICHAEL ワンマン公演

場所:Zeppブルーシアター六本木(東京都港区六本木5-11-12)
チケット:指定席:7,560円(税込)※年齢制限:未就学児入場不可
http://tickets.yahoo.co.jp/special/michael/
・Yahoo!チケット:http://tickets.yahoo.co.jp/tour/hnfaa152/
・ローソンチケット:http://l-tike.com/ 0570-084-003(Lコード:76689)
・チケットぴあ:0570-02-9999 http://t.pia.jp/(Pコード:261-352)
・イープラス:http://eplus.jp

◆MICHAEL オフィシャルサイト
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