【インタビュー】VAMPS、2015年疾風怒濤のライヴを語る「初心に帰る。まさにそういうこと」

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■負けないためにどうすればいいかっていう方向に向かっていくと
■バンドがどんどん太くなる──HYDE

▲<SIXX:A.M. The Modern Vintage Tour>2015.4.8@サンフランシスコThe Regency Ballroom

K.A.Z:あと、アリーナツアーの最中に約1ヶ月にわたるアメリカツアーを挟んだことも大きいですね。そこで得た経験や刺激があってバンドがいっそうタイトになってレベルアップしたと思います。ホントに濃い1ヶ月だったので。

──実際、アメリカだけでフェスを含めると20ヶ所ぐらい廻っていますよね。SIXX:A.M.のサポートアクトを務めた全米ツアーはVAMPSにとって初めてのことも多かったと思うので、ぜひエピソードを聞かせてください。

HYDE:まず、基本的にアウェイな状況でしたね。ほとんどのお客さんは僕らを観に来ているわけではないので、そういう状況の中、どれだけ振り向いてもらえるのか、こういうライヴをやっているとタフになりますよね。でも、今、思うのはやっておいてよかったということ。自分たちから出向いてこういう経験をしないと自分の立ち位置が見えなくなるんじゃないかと。

▲<SIXX:A.M. The Modern Vintage Tour>2015.4.8@サンフランシスコThe Regency Ballroom

──というと?

HYDE:日本にいると勘違いしちゃうというか、みんなにチヤホヤしてもらって自信をつけていくわけだけど、現地のバンドはすごくパワフルだから、“負けてるわ”って。でも、そう思うことが重要だと思うんですね。負けてるなら負けないためにどうすればいいかっていう方向に向かっていくと、バンドがどんどん太くなる。そこで負けるとダメだけどね。「もう帰ろう」と思ったら、やめて日本で頑張ればいいとは思うけど。

──戦いの日々だったんですね。

HYDE:そうですね。攻略したいわけだから、そういう経験をどんどん積んでいかないと自分たちがデカくならない。精神的に辛いこともいっぱいありましたけど、結果良かった。

──どうやって振り向かせるかとか、バンドの原点を思い出させる経験ですよね。

HYDE:僕は最初から調子に乗っていたので、あんまりそういう経験してないんですけど(笑)。

K.A.Z:ははははは!

HYDE:でも、ある意味、初心に帰る。まさにそういうことですよ。アメリカは僕がデビューしたときと一緒の状態。たとえば大きいフェスでも演奏し始めた頃に観ているお客さんの数は、パッと見300人ぐらいなんですよ。サイズ的にはちょうど大阪の難波ロケッツぐらい。そこからいかにZEPPぐらいのお客さんの数にして、次は代々木第一体育館ぐらいの数にしようとか。そういうことを励みにやってましたね。ときには「もっと増やしたかったけど、帰らないでいてくれて良かった」と思ったり、ときには「今日は増えてくれた。良かった」とか。

▲<SIXX:A.M. The Modern Vintage Tour>2015.4.8@サンフランシスコThe Regency Ballroom

──乗り越えるハードルがたくさんあったんですね。中でもいちばん大変だったことは?

HYDE:いちばん重荷だったのはMCでしたね。

──そうなんですか?

HYDE:もともと僕、MC好きじゃないんですよ。それを英語で伝えないといけないので。

──でも、英語で伝えると盛り上がりますよね。

HYDE:そうですね。簡単な言葉はさておいて、ちょっと難しいこと言おうとすると勉強が必要だし。どういう言葉がいちばん的確で似合うのか現地の人に聞いたりしましたね。日本で習った英語だと「初めまして。VAMPSです。よろしくお願いします」みたいな硬い感じになるじゃないですか。

──確かに。「では次の曲は……」って。

HYDE:そう、「次の曲は○○を歌います」って(笑)。ロックバンドとは全然違うノリになっちゃうんですよね。

──じゃあ、日本でのVAMPSのMCをそのまま英語に置き換えたんですか?

HYDE:ホントは全く同じことをやりたかったんですけど、初めて観る人が多いので、ナチュラルな感じを目指しました。

──では、逆に嬉しかったリアクションは?

HYDE:フェスとかSIXX:A.M.とのツアーもそうだったけど、ライヴが終わった後に向こうのごっついオッさんが「良かったよ!」って言ってくれたりすると、「あ、伝わったんだな」って。いいと思わなかったら感想なんか言わないと思うし。わざわざ走って伝えに来てくれたりね。

K.A.Z:そうそう。

HYDE:「おー、オマエら、さっきのステージ、最高だったよ!」とか。ちょっとテレ気味に「良かったです」って言ってくれた人もいて、あとニッキー・シックスに「今日のオマエら、ヤバかったよ!」って言われたのも嬉しかったですね。

K.A.Z:アメリカツアーも最初の頃はアウェイだと思っているから、気持ち的に気張りすぎていたんですね。6~7曲の中で伝えるべきことを伝えないといけないって。でも、後半にいくにつれて気負いがなくなって、お客さんに対してどんどん親しみを感じるようになったんです。1曲目より2曲目、2曲目より3曲目ってライヴが進むにつれて会場の人たちの腕が上がる数が増えたり、歓声がデカくなっていくと手応えを感じましたね。観ている人たちが受け入れてくれるから、自分たちも入り込める。

──収穫が感じられたんですね。

K.A.Z:そうですね。最後まで演奏して反応が変わらなかったら、相当メンタル的に打たれていたでしょうね。さまざまな環境下で演奏することによってタフになったし、SIXX:A.M.やApocalypticaと一緒に廻ったんですが、和気あいあいと。フェスでもApocalypticaと気合いの入れ合いしたり、励ましあったり、いい関係性が築けましたね。

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