【密着レポ】藍井エイル、ツアーファイナル東京「泣くつもりじゃなかったのに」
■【ライブレポート──豊洲PIT】
■「いま最高の気持ちです」
オジー・オズボーンの「BARK AT THE MOON」がオープニングSEに変わり、客電が落ちるとオーディエンスが照らすペンライトでフロアはたちまちオーシャンブルーカラーに染まる。SEとともにファンの手拍子も止み、やってきたのは一瞬の静寂。そのなかで、藍井エイルが静かに「Lament」歌い出す。オープニングから場内の緊張感がマックスに高まったところで、バンドインしたサウンドがその緊張を一気に解き放ち、フロアからは地鳴りのような“Oiコール”が沸き起こった。“何度失敗しても、この先にある光り輝く未来を求めて進んでいくんだ”というメッセージが、藍井エイルのストレートなボーカルとマッチして聴き手の気持ちをどんどん奮い立たせる。“一緒に騒いだり楽しむだけじゃない。みんなを心にエールを届けるために歌うから”。そんな藍井エイルの音楽に向かうアティテュードを伝えるかのようなライブ冒頭だ。
その後の「空蝉アルティメット」はイントロからファンが激しく襲いかかる。ドラムの楠瀬タクヤが繰り出すキレのある8ビートに合わせてツッチーこと土屋浩一(G)がお立ち台に飛び乗り、ペコキングこと新井弘毅(G)は身体を後方に反らせながら気持ちよくツッチーのギターにフレーズを重ねていく。ローリンこと黒須克彦(B)が右腕を振り上げてフロアの“Oiコール”に応戦し、永井亮介(Key)と藍井エイルは身体を激しく揺らしながら頭を振って、全身全霊で客席に負けないパワーを放つ。こうして序盤2曲はバンドとオーディエンスがせめぎ合い、お互いの気持ちを盛り上げた。直後の“キミの声が聞こえた”と歌う「KASUMI」へと展開することで、藍井エイルは“キミのことを思ってる。キミの心とつながりたいんだ”という今回のツアーテーマを音楽を通して観客ひとりひとりにメッセージする。そして、この後のMCで藍井エイルは、それを言葉にして観客に投げかけた。
「今日はツアーファイナル。ひとりひとりの心の距離をゼロにして思いっきり音楽を楽しんでいきましょう。さっそく心と心の距離をつなげるナンバー。聞いて下さい。「ツナガルオモイ」」
この流れにオーディエンスのテンションはさらに上昇。手拍子とともに大合唱が巻き起こる。そんなファンとステージの心をつなげるかのように、ここでは舞台照明とフロアが同じブルーのエイルカラーに染まった。「サテライト」は笑顔を呼ぶポップチューン。楽しそうに手を左右に振るオーディエンスに向けて、“どんな時も側にいるから”と歌うこの曲では柔らかな声色を混ぜたボーカルで観客の心にタッチしていった。
「一緒に手を振ってくれてありがとう。ここで質問! 今日初めて藍井エイルを見たという人!?(フロアの約半数が挙手)。おぉ~。初めまして藍井エイルです。今回のツアーは激しい曲もあったりします。気分が悪そうな人を見つけたら、すぐにスタッフに声をかけてあげて下さいね」
▲相川七瀬&藍井エイル(画像3点) |
相川七瀬がステージに現れると、観客の興奮はマックス越えて狂乱状態。“相川さーん!”という歓声が沸き上がるなか、「相川さんのトリビュートアルバムに参加させていただいてありがとうございます」とまずは藍井エイルがご挨拶。すると、相川七瀬からも「エイルちゃんこそ、アルバムにまで収録してくれて、こちらこそ感謝してます」という言葉が贈られた。そして、さっそく始まった「BREAK OUT!」。リズムに合わせて足で“グーパー”を繰り返すイントロのダンスもバッチリ揃い、藍井エイルと相川七瀬がリレー形式でメロディを歌い継ぐと、とたんに場内が華やかな空気に包まれる。“ウォーウォーウォーウォー”のコーラスを観客がひとつになって合唱、Dメロ部分では相川とエイルが同時にお立ち台へ。その凛々しいロックな立ち姿に、観客からは歌がかき消されるほどの歓声が上がった。
こうして最終日のサプライズが大成功した後も、その興奮を「シンシアの光」「サンビカ」「INNOCENCE」といったキャッチーなサビを配したアッパーチューン3連発で引き継ぎ、場内はこれでもかという汗だくの盛り上がりを見せるハイライト。会場の士気をさらに高めたところで、今回のツアー恒例となった「Bright Future」を投入し、この日最大のコール&レスポンスを作り上げた。そこからエイルバンドにヴァイオリニストを加え、パワーチューン「ラピスラズリ」「IGNITE」の2連発で激しい“Oiコール”の嵐を吹かせ、最終曲「MEMORIA」で美しく本編を締めくくった。
アンコールは、まずメンバーの挨拶からスタート。「更新し続けた“最高”を、今日も更新しました」(楠瀬タクヤ)。「いろんな思い出があって、最高に楽しいツアーでした」(黒須克彦)。「俺たちのことまで名前を呼んでくれて、すげぇ嬉しかったです。“バンド”としてツアー回れたと思ってます」(土屋浩一)。「ヒロキングからペコキングに名前が変わったツアーです。終わるの寂しいから、1曲目からもう1回やりたいよー!」(新井弘毅)。「ゲストの相川七瀬さんと歌ってる姿を見てたら泣きそうになりました。いままでで最高の思いをさせてもらってます」(重永亮介)。そして、「ボーカルの藍井エイルです」という挨拶からこう話しを続けた。
「こうして迎えたファイナル……いまは複雑な心境です。みんなの笑顔見てたら、いま最高の気持ちです。アンコール、タオルの準備はできてる? 楽しんでいくよ!」と元気よくタオルを回しながら、アンコール1曲目は「コバルト・スカイ」をパフォーマンス。歌い終えて、手にしていたタオルをオーディエンスにプレゼント。再び藍井エイルがしゃべりだした。
「みんなが支えてくれて、私の夢だった“BEYOND THE LAPIS”という青き月の向こうに広がる青い世界がこうして見られて、幸せだと思います……ありがとうございました(と泣き出す。フロアからは“エイルコール”が巻き起こる)。どんなにありがとうと言っても伝えきれないので、歌に全身全霊を込めて、一人でも多くの人の心に寄り添える歌を届けたいと思います。聴いてください」
披露された「虹の音」が本当に美しかった。ステージとフロアをレインボーカラーの照明が照らし、目の前の美しい光景とともに藍井エイルの歌声をみんなの心に焼き付けていった。この後は藍井エイルの指示で観客全員が隣りの人と手を繋ぎ、JUMP&WAVEを繰り返す。そして身体の距離もゼロに。
アンコールを締めくくった「シリウス」ではフロアに銀テープが舞い降り、最後にみんなで「エイエイルー」を一緒に叫んでライブが終了。「ファイナル、笑顔溢れる最高の時間をありがとう。また会いましょう。したっけー!」と藍井エイルが生声で挨拶を届け、ツアー最終日の幕を閉じた。
「お疲れさまでした!」とステージから楽屋に戻ってきた藍井エイルは、清涼飲料水で喉を潤しながら、テーブルに置かれた差し入れをチェック。この後にCD購入者とのハイタッチ会、さらに『CDTVスペシャル -音楽の日 朝までライブ-』への生出演も控えているため、ここで腹ごしらえを。東北の名菓「萩の月」、クリスピークリームドーナツ、バームクーヘンをパクリ。そんな藍井エイルにライブの感想を聞いてみた。
まずは、最後尾までお客さんで埋まっていたファイナル公演の感想から。「すべて見えてましたよ。最後尾のお客さんの表情まで見えるんですよ、この会場は。だから、広いけど私はとてもやりやすかったです」と笑顔。アンコールでの感動的な涙の理由については、「なんだろう……気がついたら泣いてたんですよ。恥ずかしい(笑)。ステージに出る前のみんなのアンコールが凄くて、それが楽屋まで聞こえてたんですね。それにまず感動して、なんかこみ上げてくるものがすでにあって。これでもうツアーも最後かと思いながら話してたら、8ヶ所のライブ会場で見たひとりひとりのお客さんの笑顔が走馬灯のように蘇ってきたんですよ。その人たちも引き連れて、いま目の前にある新しい景色が見られてるんだなと思ったら、込み上げてきちゃったんですよね。泣くつもりじゃなかったのに(笑)」。
心と心のゼロ距離をテーマに始まった今回のツアー。そのファイナルでは、ツアーに来てくれたファン全員を引き連れて、豊洲PITというライブ会場に新しい景色を作ることができた。藍井エイルはワールドツアーを敢行した後、11月2日に日本武道館でみんなと一緒に新しい景色を目指す。
取材・文◎東條祥恵
■3rdアルバム『D’AZUR』
【初回生産限定盤A (CD+BD+Photobook)】SECL 1714~15 ¥3,704+税
●特典Blu-ray付
●フォトブック「The Blue Nightmare」封入
●三方背スリーブケース仕様
★初回仕様:フォトカードA封入
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?cd=SECL-1714
【初回生産限定盤B (CD+DVD+Photobook)】SECL1716~17 ¥3,426+税
●特典DVD付
●フォトブック「The Blue Nightmare」封入
●三方背スリーブケース仕様
★初回仕様:フォトカードB封入
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【通常盤 (CD)】SECL1718 ¥2,778+税
★初回仕様:フォトカードC封入
http://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?cd=SECL-1718
<収録曲>01. awakening [作曲・編曲:篤志]
02. IGNITE [作詞:Eir, 小川智之 / 作曲:小川智之 / 編曲:Saku]
~TVアニメ『ソードアート・オンライン II』OPテーマ~
03. ラピスラズリ [作詞:Eir, 加藤裕介 / 作曲・編曲:加藤裕介]
~MBS/TBS系TVアニメ『アルスラーン戦記』EDテーマ~
04. ゆらり [作詞・作曲・編曲:安田貴広]
05. シンシアの光 [作詞・作曲・編曲:新井弘毅]
~PlayStationR3 & PlayStationRVita『ソードアート・オンライン -ロスト・ソング-』OPテーマ~
06. Quit [作詞・作曲・編曲:篤志]
07. Bright Future [作詞:Eir / 作曲・編曲:黒須克彦]
~5月20日より超先行配信スタート!~
08. JUMP!!! [作詞:Eir / 作曲・編曲:増谷賢]
09. 幻影 [作詞:Eir, 大塚利恵 / 作曲・編曲:津波幸平]
10. ずっとそばで [作詞:Eir, Saku / 作曲・編曲:Saku]
11. GENESIS [作詞:唐澤美帆 / 作曲:丸山真由子 / 編曲:佐藤あつし, 清水武仁]
~TVアニメ『アルドノア・ゼロ』EDテーマ~
12. ツナガルオモイ [作詞・作曲:Eir / 編曲:水木峻、石塚英一朗]
~TBSテレビ『ランク王国』10・11月度OPテーマ~
13. 青の世界 [作詞:Eir / 作曲・編曲:重永亮介]
14. BREAK OUT! [Bonus Track] [作詞・作曲:織田哲郎 / 編曲:篤志]
◆初回生産限定盤特典映像(初回A・初回B共通)
01. 「IGNITE」 Music Video
02. 「ツナガルオモイ」 Music Video
03. 「GENESIS」 Music Video
04. 「ラピスラズリ」 Music Video
05. 「シンシアの光」 Music Video
06. Making of 「D'AZUR」
◆初回生産限定盤特典フォトブック
全48Pオリジナルストーリー仕立ての豪華フォトブック 「The Blue Nightmare」
■「Bright Future」先行配信スタート
【mora】 http://mora.jp/package/43000001/4547557039184/
【レコチョク】 http://recochoku.jp/artist/2000081230/
■<藍井エイル ワンマンライブ@日本武道館>
OPEN / START 17:30 / 18:30
¥6,000(税込)全席指定
※3歳以上チケット要
チケット一般発売:9月12日(土)
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
■<Eir Aoi LIVE TOUR 2015 -BEYOND THE LAPIS->
5月30日(土)徳島県・徳島 club GRINDHOUSE
5月31日(日)石川県・金沢 vanvan V4
6月04日(木)広島県・ナミキジャンクション
6月07日(日)大阪府・なんばHatch
6月10日(水)愛知県・名古屋 ボトムライン
6月14日(日)福岡県・福岡 DRUM LOGOS
6月18日(木)北海道・札幌 PENNY LANE 24
6月27日(土)東京都・豊洲PIT
■初のワールドツアー<Eir Aoi WORLD TOUR 2015 -ROCK THE WORLD!->
7月よりフランス・パリを皮切りにスタート
詳しい情報はオフィシャルサイトにて
◆BARKS内藍井エイル特集ページ
◆『D'AZUR』特設ページ
◆藍井エイル オフィシャルサイト
◆藍井エイル オフィシャルTwitter
◆藍井エイル オフィシャルFacebook
◆藍井エイル オフィシャルYouTubeチャンネル
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