逢瀬アキラ、これが2.5次元ロックアーティストの生き様

彼女自身ガチのアニオタでもあることから、2.5次元ロックアーティストとの異名を持っているが、彼女の本質はシンガーソングライターとしての実力にある。1stアルバム『真紅の革命』には、ハードナンバーから悲しきバラード、軽快なアニソン系ポップチューンまで様々な彩りを見せており、その作風のみならず声色や歌い方に至るまで、そのバラエティー豊かさは、まるでアミューズメントパークのようなワクワクとドキドキを誘引するものだ。このアルバムは逢瀬アキラの歴史そのものであり、全16曲多彩なバリエーションと練りこまれた楽曲で聴く者を飽きさせない完成度の高さは、現在の逢瀬アキラのベストアルバムとでも言うべき作品になっている。

そしてもう一つ、『真紅の革命』は裏のストーリーを持っている。ひとりの主人公の物語を表したコンセプトアルバムとなっており、1曲目の「Ms.Amyは夢遊病」で主人公は悩み、最後の銃声で自らの命を絶とうとする。この銃声によって「主人公の物語の終わり」の始まりが示されるのだ。次の楽曲からは、主人公のこれまでの経験が走馬灯のように表現される。喜び、楽しみ、落ち、様々な記憶が目の前に表現されていき、そして最後の曲「さよなら、あたし。」で現在の時間軸に戻り、主人公は最期の時を迎えるというのだ。

このコンセプトを念頭にアルバムを通して聴けば、ソングライター逢瀬アキラが作り出す世界が目の前に広がってくる。あたかも映画のワンシーンのように楽曲が映像となり物語が確立されていく。最後の曲が終わった時、逢瀬アキラが表現した物語が頭の中に焼き付くとともに、彼女の非凡さを実感することだろう。

このアルバムで表現されたコンセプトメーカーとしての逢瀬アキラに、是非とも触れてみて欲しい。2.5次元ロックアーティストの生き様が、これほどまでに刺激的で楽しくて悲壮なものなのか、狂おしいほどに伝わってくることだろう。



◆逢瀬アキラ・オフィシャルサイト
◆逢瀬アキラ・オフィシャルコラム「赤い彗星の俺」