【インタビュー】横山ルリカ、勇気を足して自分が変わってきたことを実感できる「七色のプリズム」
4月3日、横山ルリカが所属するアイドリング!!!が2015年10月末で全員卒業するというニュースが飛び込んだ。ソロ活動も2年目となる横山だが、5月13日リリースとなる「七色のプリズム」は、そんな彼女の心境とも重なるような未来を切り拓くメッセージに溢れた曲。カップリングには自作詞の三作目「紫陽花」も収録され、表現者としての成長もたっぷり詰まった新作になっている。作品の聴きどころや制作秘話を聞いた。
◆横山ルリカ「七色のプリズム」~画像&映像~
■ただ足りないとか無いんだなって思うだけじゃなくて
■どう変わって行くかっていうところまでちゃんと考えている
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▲「七色のプリズム」初回限定盤A |
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▲「七色のプリズム」初回限定盤B |
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▲「七色のプリズム」初回限定盤C |
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▲「七色のプリズム」通常盤 |
横山ルリカ(以下、横山):そうなんですよ。レコーディングは発表よりも前だったので、特に意識していたわけではなかったんですけど、タイミング的にたまたま重なって。
――テーマとしては「自分を信じる」とか「未来は自分次第」とか、前作の「瞬間Diamond」と続いているような楽曲でもありますね。
横山:はい。「瞬間Diamond」と同じ方に作っていただいているので、曲の雰囲気も共通性がありますし、伝えたいテーマも一貫性があります。私の生き方とも近いし。
――歌詞の中で注目したのは、「勇気を足して」という部分なんです。「勇気を出して」ではなく、「足して」というのが、この曲の個性的なところかなと思います。
横山:ここはレコーディングでもすごい言われたところです。唄うときも、「“出して”って聞こえないように、“足して”ってはっきり発音して唄ってください」とディレクションされました。作詞の方もこだわっていた部分なんだと思います。自分でも「足して」って唄っているつもりでも、「勇気」というフレーズのあとって、「出す」っていう連想になっちゃうので、どうしてもそう聞こえがちなんですよね。
――横山さんは、この「足して」という部分を、どう解釈しました?
横山:勇気はもともとあるけど、それがもうちょっとあればっていう意味なのかなって。勇気がないわけではないというか。
――前向きに頑張っている人って、もうすでに勇気はあるし、もうじゅうぶん頑張っているもんね。この曲は、そういう、もうじゅうぶん頑張っている人に対してのメッセージとして説得力あるよね。いつもパワー全開の横山さんが唄うとさらに。
横山:ふふふ(笑)。今回、この曲自体はパワーっていうより、曲に合わせて爽やかな感じで唄わせてもらっているので、いつもとちょっと感じは違うかもしれないですけどね。2番のBメロに「まだ自分に足りないものがあるのは まだ変われる証拠」っていうフレーズがあるんですけど、私、ここが好きなんですよ。ただ足りないとか、無いんだなって思うだけじゃなくて、そこからどう変わって行くかっていうところまでちゃんと考えているっていうのがいい歌詞だなって思ったんです。
――横山さん自身、まだ自分に足りないものがあるって常に感じていますか?
横山:そうですね。私の性格自体がないものねだりなので(笑)。
――横山さんは仕事のたびに新しいことをやるとなると、それについてすごく努力しますよね。例えば「競馬予想TV!」のアシスタントをやるにあたって競馬について猛勉強したり。常に自分の足りていない部分を埋める努力をしているイメージがあるけど。
横山:足りないものや得意でないものを楽しむために努力をするのは、最初はすごく大変なんですけど、それが大事だなって最近わかってきたんです。ただ「いいな」って思っているだけではそれに近づけない。一歩踏み出すっていうのはすごく大事で。これは競馬の番組のお仕事をしていても思ったことなんです。それをやっていけるようになって、最近、楽しくなってきたんですけど、そこはこの曲で伝えたいこととすごく重なるんです。自分が変わってみて、自分が変わってきたことが実感できたという感じです。
――少し前の横山さんのブログにも、「6年前は周りの評価や他人の物差しに合わない自分に悩んでばかりだった」と書いていましたよね。自分が変わったことで、こういう悩みも克服できているのかな。
横山:そうですね。前は、周りに何か言われても、どうしてそれがいけないのかがわからなかったり、価値観が周りの人とズレていたんです。私、きっとマイノリティだったんだと思うんですけど、少数派の意見の中にいて、他にもいろんな意見があるという考え方ができなくて。“なんで私がやってることはこんなにダメって言われるんだろう”って6年前に思っていました。でも、いろんな世界を知って、いろんな人の話を聞いたりして、視野が広がったし、自分の感覚も変わってきたのは大きいです。昔、少数派の中にいて、「どうして?」って思った経験があったからこそ、今があるのかなということも感じるんです。
――カップリング「紫陽花」は、「Re-Start」、「瞬間Diamond」のカップリングの「初めての恋」に続いて、自分で作詞した三曲目ですね。「Re-Start」の時には、「今は恋愛に意識が向いていない」という話をしていたから、「初めての恋」で恋愛が描かれていて「おっ?」っと思ったんですよ。今回も切ない恋心を唄っていますよね。どういう心境なんですか?
横山:人生観を表すような曲は表題曲でもらっているし、他のカップリング曲にもたくさんあるから、たぶん私と恋愛みたいなものって皆さん、結び付かないと思って。そこで、意外性を見せたいなと。意外だからこそ、「こういう歌詞も書けるんだ!」って思ってもらいたいっていうのが自分の中でもありました。
――「紫陽花」はどんな感じで膨らませて書いたの?
横山:作詞は曲をいただいてから書くんですけど、「紫陽花」をいただいたときは、切ないメロディだったから失恋の曲にしたくて。そうしたら今作の3曲目「明日のために」が別れの曲だったから、同じ雰囲気になっちゃうなぁと。「どうしよう?」って考えた時に、アイドルって、恋愛禁止だけど、詞の世界では自由ですよね。だから、付き合っているカップルのことを書こうと思ったんです。でも、付き合ってる中で、お互いの気持ちがフィフティーフィフティーじゃないカップルっていうのは、世の中にきっといるから、そういうカップルを書いてみたいなって。彼氏の方は彼女のことがすごく好きなんだけど、彼女のほうがそうでもなくなっちゃっているとか。両想いで付き合っているのになんか不安っていうのはなかなか切ないですよね。
――その心情を「紫陽花」という花が上手く暗喩しているよね。紫陽花って「移り気」とかいろんな花言葉があって、花自体も、土の成分によって色が変わったり。移ろいやすい女心みたいな花で。すごく詩的。
横山:この時期、桜はもう散っちゃっているから、“紫陽花”とか“雨”が出てくる歌詞にしたかった。そうしたら、紫陽花の花言葉に「浮気」ってあるから、これは面白いなと。ファンの人にも想像してほしくて「紫陽花」にしました。最初、「雨」をモチーフにして書いていたんですけど、アイドリング!!!に「レイニーガール」っていう曲があって、それに似ちゃったんですよ。だから、一回全部消して。書いては消しての繰り返しで。2週間くらいかかったかな。いろんな言葉、語尾のニュアンスもちゃんと考えたかったから、単語帳のようなものを作って、毎日毎日、パズルのように当てはめてっていう、その繰り返し。一日ちょっとずつだけど、ジックリ考えました。
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