【インタビュー後編】バトル・ビースト「いつだって1980年代スタイルのヘヴィ・メタルよ」

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──「タッチ・イン・ザ・ナイト」はアルバムの流れで「スピード・イン・ザ・ナイト」と続けて聴くと、素晴らしいコントラストがありますね。

ノーラ・ロウヒモ:その通りよ。私たちはどの曲にも全力を注ぐけど、決してシングルズ・バンドではないし、アルバムを通して聴いて欲しい。最近では曲単位でのダウンロード販売が盛んだけど、私たちはそんなあたりも1980年代スタイルで、アルバム・バンドでいたいのよ。

──最初の3枚のアルバムでは三浦建太郎の漫画『ベルセルク』の世界観をモチーフにした曲があり、それで日本のファンが親しみをおぼえることができましたが、次のアルバムでは『ベルセルク』の要素はなくなってしまうのでしょうか?

ノーラ・ロウヒモ:まだニュー・アルバムの歌詞は書いていないし、どうなるかわからないけど、私自身『ベルセルク』は好きだし、大勢のファンと世界観を共有できるから、やってもいいんじゃないかと思う。原作コミック版は読んでいないけど、バトル・ビーストに加入して最初にしたことは、『ベルセルク』のDVDボックスを買うことだった。ダークなヒロイック・ファンタジーは子供の頃から好きだったのよ。

──「アイ・ウォント・ザ・ワールド… アンド・エヴリシング・イン・イット」は映画『スカーフェイス』から触発された曲でしたが、この世界観は続いていくのでしょうか?

ノーラ・ロウヒモ:どうかしらね(笑)。あらゆる可能性についてオープンでいたいし、1人メンバーが抜けたからといって、ファンが求めるバトル・ビースト像の扉を閉ざしてしまう必要はないわ。

──その他に最近、インスピレーションを受けた題材はありますか?

ノーラ・ロウヒモ:いろんな本や映画から影響を受けているし、それでクリエイティヴな刺激を得ることがあるわ。最近では映画『仮面の男』からインスピレーションを受けたわね。ただ、それはクリエイティヴなヒントということで、まったく異なった形で音楽になるかも知れない。さらにフィンランドの伝説や民話にも興味があるし、バトル・ビーストはこれからも進化を続けていくわ。

──バトル・ビーストがどんな進化を遂げるか、楽しみにしています。

ノーラ・ロウヒモ:アントンが脱退したことはピンチだったけど、これは私たちにとって大きなチャンスでもあるのよ。これまで彼に任せっきりだった部分を自分たちでやることで、新しい可能性が生まれるからね。既にニュー・アルバムに向けて、新しい曲を書いているところよ。ヤンネのソングライティングが大幅にフィーチュアされることになるだろうし、私もメロディや歌詞で新たな要素をバンドに加えていくつもりよ。バンド全員が新しい方向性についてスリルを感じている。赤ちゃんが生まれる直前の気分よ。まだどんな顔か、どんな性格か判らないけど、とにかく未来に向けて高揚感があるわ。さらにパワーアップして日本に戻ってくるから、期待して欲しい。

取材・文/山崎智之
Photo by Mikio Ariga


『アンホーリー・セイヴィアー』バトル・ビースト

通販限定CD+Tシャツ+直筆サイン入りブックレット付き ¥5,000+税
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通常盤CD ¥2,500+税
1.ライオンハート
2.アンホーリー・セイヴィアー
3.アイ・ウォント・ザ・ワールド…アンド・エヴリシング・イン・イット
4.マッドネス
5.シー・オブ・ドリームス
6.スピード・アンド・デンジャー
7.タッチ・イン・ザ・ナイト
8.ザ・ブラック・ソーズマン
9.ヒーローズ・クエスト
10.ファー・ファー・アウェイ
11.エンジェル・クライ
12.プッシュ・イット・トゥ・ザ・リミット(ボーナストラック)
13.ワイルド・チャイルド(日本限定ボーナストラック)

◆バトル・ビースト『アンホーリー・セイヴィアー』オフィシャルサイト
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