【インタビュー】フレデリック、『OWARASE NIGHT』に「自分の言葉で本当に伝えたいこと」

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■音楽に影響を受けて、また違ったカタチになって未来へ飛んでいく
■ものすごく夢があるじゃないですか

──なるほど。頭の中でループして1度聴けば口ずさめる。1曲目からフレデリックならではと思いました。ちなみに、「オワラセナイト」のサビはBメロの“終わらせないと 終わらせないと”というところですか? CメロもDメロも、どこをとってもサビな感じがするんですよね。

康司:そこは意識しているところもあるんです。サビって、日本人特有の考え方らしいんですよ。“サビ=良いところ”っていう捉えられ方があるじゃないですか。でも海外はそうじゃない。Aメロ、Bメロ、Cメロで分けられていて、その中でBメロがサビかもしれないし、Aメロがサビかもしれない。全部聴いていて気持ちいいっていうところは意識しました。

──Cメロあとのギターソロも気持ちいい。歪みが少ないからこそのエモーショナルなプレイです。

赤頭隆児(G):ありがとうございます。今、ここにギターがあったら弾きたい気分ですね(笑)。「オドループ」のとき同様、「オワラセナイト」でも長尺のソロをもらいました。

──楽曲によってギターソロが入る/入らないがありますが、その考え方は?

赤頭:「ソロ弾かせて、弾かせて」ってタイプではないんですよ、僕は。わりと引っ込み思案です(笑)。だから、「オワラセナイト」も、「ソロ弾いて」って言われて。そうしたら、絶対「いい!」って言わそうっていう気持ちになって気合いが入りますよね。リスナーの方々にも、たとえ1回は聴いてもらえたとしても、もう1回聴いてもらえるかはわからないじゃないですか。だからソロは印象に残るようなものにしたかったんです。

──演奏シーンもミュージックビデオの見どころのひとつですが、「オドループ」に続いて、美女おふたりが出てきます。これは何かつながりがあるんですか?

健司:前回の「オドループ」もスミスさんに監督をお願いしたんですけど、これは監督の意向ですね。スミスさんが女の子が好きなんやろうなって(笑)。前作も今作もそうですが、インパクトのある映像が頭から離れないという仕上がりが、僕らの武器としている頭から離れない中毒性のある歌詞やメロディーとばっちり当てはまっていますね。

──「オワラセナイト」だけじゃなく、全7曲には様々な“終わり”と“はじまり”が詰まっているなと思いました。たまに“どういう意味なのかな?”って感じさせるフレデリック独特の旨みのような歌詞フレーズもあるのですが。他の曲についてもいくつか質問させていただきます。「DNAです」は「オドル―プ」とリンクする部分もあるなと思いました。

康司:この曲は音楽ルーツのことを歌ってるんです。“時代は違うけど、いい音楽はいい”。俺たちもやっぱりいい音楽に影響を受けているんですね。好きな音楽に影響を受けて、また違ったカタチになって未来へ飛んでいく……ものすごく夢があるじゃないですか。もしかしたらこの先、僕らの音楽を聴いて音楽を始めてくれる人もいるかもしれないじゃないですか。その連鎖がずっと続いてほしいからこの曲を書いたというのはあります。

──“プラスチック”や“ラバーソウル”、“アイスランドの声”など、歌詞には音楽ルーツを連想させるワードが散りばめられていますし、サウンド的にみればニューウェイブやクラブミュージック的なアレンジが含まれている。音楽ルーツの永遠のループ、それが“DNA”だと?

康司:人種や生まれ育った場所は違うけど、好きなものは好き。邦楽でも洋楽でも、好きなものは好きって共有できる唯一のものが音楽だと思うんですね。好きなものは自由ということも書きたかったんです。

──「シャンデレラ」の歌詞も素敵でした。“シンデレラ”と“シャンデリア”で「シャンデレラ」?

康司:『OWARASE NIGHT』の歌詞はけっこう現実感のあるものが多くて、自分としても真っ直ぐな言葉が多いと思うんですよ。でも、その中でも昔の俺らの抽象的な感じの曲を作りたくて、この3作目にこの曲を持ってきたんですね。なので、これはちょっと空想のストーリーを歌詞にしています。

──リズム的にはバスドラとベースのコンビネーションが抜群ですね。

康司:その部分はだいぶ話し合いを重ねました。それこそ「シャンデレラ」は昔のダンスミュージックのテイストですよね。僕はシェリル・リンさんとかが好きなのでR&Bっぽさを出しつつも、俺ららしくビートとカッティング感を大事にニューウェイブテイストにしています。

Kaz.(Dr):リズムに関しては今回、本当に議論を重ねたんですよ。言葉とメロディーを立たせるためにはどうしたらいいかというところで。ベースとドラムだけじゃなくて、ギターもシンセも含めて最後の最後まで。

──「さよならカーテン」も意識的にベースとバスドラの位置を合わせたダンスアレンジですが?

Kaz.:そうです。レコーディング当日にリズムパターン変えるときもありますし、最後の最後まで何がいいかというのを人の意見も聞きながら、まずは4人とも前向きにやってみることにして。それがちゃんとカタチになったと思います。

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