【インタビュー】CIPHER [D'ERLANGER]、「まとわりつくものを振りほどいて刺す」

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■自分なりに抱えてるバンドへの想いってものを
■ブレずに貫き続けていくべきだとは思ってますよね

──面白いもんですね。時間差のある作用の巡りあわせというか。それはともかく今の言葉にもありましたけど……25周年おめでとうございます!

CIPHER:ありがとうございます、いやっ、ちょっとちょっと(笑)。そう面と向かって言われると、うちは“中抜け”が長いですからねー(笑)。でも……まあ先のことなんかわからないけども、再来年になったら復活10年でしょ? そこに辿り着いた時のほうが多分、感慨深いだろうと思いますね。この25周年についてはホントに「すいません!」という感じやから、<BUCK-TICK FEST>に出させてもらった者としては。あれ(=BUCK-TICK)がホントの25周年ですからね。こんなバッタもんはアカンというか(笑)。

──出席日数足りないのに進級させてもらった感じというか。あわわ、失礼なこと言いましたね(笑)。でも、やっぱり大事なのは2年後の復活10周年だし、今回のアルバムが復活の日からちょうど8年後に出ていることで。正直なところ、8年前に今現在のこの状態というのは、見えてました?

CIPHER:全然(即答)。まったくそれはないです。野音しか見えてなかったですからね。結果、あのライヴをやることが決まって、それでアルバムリリースの話も決まって……。それを遂行することしか考えてなかったですからね、あの時点では。

──そこでどう視界が広がることになるのか、ということだったわけですね?

CIPHER:うん。だから日比谷野音での復活ライヴはあんなタイトルやったんですよ。

──2007年4月22日の復活公演。タイトルは<薔薇色の視界>でしたね。

CIPHER:……だったらいいいよね、というのがカッコのなかに入ってたわけなんですけど(笑)。

──ははは! でも、当時のその状態を考えると、今現在までD’ERLANGERが続いていること自体のほうがむしろ……。

CIPHER:確かにね。でも俺、アニイさん(=ヤガミトール/BUCK-TICK)に言われたことがあって。うちのライヴに来ていただいた時の打ち上げで「今度は僕たちより先に終わっちゃ駄目だよ」ってね。要は「おまえ、ちょっとやそっとのことで辞めんなよ!」と言われてるわけじゃないですか。もちろん何が起こるかはわからないし、約束はできないですよ。でも、腹積もりはそうですよね。辞められないっす、という。大先輩に嘘つけないっす、というのがある。なんかでも、あそこでアニイさんに、いい鍵をかけてもらえたというか。俺からすれば。

──自分から「絶対辞めません」と言う前に?

CIPHER:うん。自分でそれを言うのって、ちょっとアレじゃないですか。要はいい“振り”をいただけたわけですよ。それをいただけたっていうのがね、すごいありがたいわけで。「わかりました」ってそこで言えることが自分の決意であるわけで。それはやっぱ、薄っぺらいアンサーじゃ駄目なわけですから。

──ええ。確かに永遠に続くものなんてないわけですけど、僕も思いますよ。終わるまで続けて欲しい、と。いつか終わらせることを前提とするんじゃなく。

CIPHER:そういうことですよね。変な話ですけど、自分らの今までの仲間にしても、絡んできた人たちにしても、亡くなってる方もいらっしゃるわけで。そういう人が増えてくると……。要はどんな形であれバンドをやってる以上、1人じゃないわけじゃないですか。何が起こっても不思議じゃないわけで。だからこれは、ホントは約束できることじゃない。でも、なんかやっぱ……自分なりに抱えてるバンドへの想いってものを、ブレずに貫き続けていくべきだとは思ってますよね。

──そういうバンドであれているからこそ、それこそ25周年という冠の付いたアルバムを、こんなにも抜けのいいものにできちゃうんだと思うんですよ。

CIPHER:うん、うん。

──その冠に負けないような作品にしなくちゃという気持ちが変に働いてしまうと、それこそ過剰にドラマティックでCIPHER12号ぐらいまでお出ましになるようなものになってしまうんじゃないか、と(笑)。でも、その重要なタイミングに、2015年のリアルを投げることができる。これって強いよな、と思うんです。

CIPHER:そうですね。なんか、うん、難しかったんですよ、やっぱり。まとわりつくものというのを振りほどいて刺す、というのは。べつにそこで悩んだわけじゃないですけど、そういった想いがこういうことに繋がったというか。いちばん正直なところと言うと、そういうことになるのかな。なんかちょっと上手く言えないですけど。結局、いくつになろうと、どこに自分の感受性が引っ張られるかってところであって、それは俺だけの問題じゃないし、他のメンバーにもそれぞれあるだろうし。こんなふうに年をとっていきたいからこういうアルバムにしようとか、そういうのはないですからね。それで結果、こういう音が生まれてるっていう現状は、なかなかイケてるなとは思うんですよ。誰かがストレスを抱えながら嫌々やってるとか、そういうことではないはずだし。

──ええ。しかし今、こんなアルバムができてしまったとなると……。

CIPHER:だから次はシアトリカルですよ(笑)。超大作(笑)。デヴィッド・リンチが映画のサントラに使いたいっていうオファーが来るような(笑)。

──正直、そういった反動も楽しみだなと思っています。

CIPHER:そうですね。まあでもね、やっぱ、何をしたって、これにしたって、生きててあんま先のプランまで立てるのも嫌だし、今のことだけで一杯一杯ですし。だから……ね、またそこで何を想うか、ですよね。タイミング的にはあれでしょ? 今回はうまい具合に復活からちょうど8周年の日に発売を迎えて。次は綺麗に2年後の10周年に何かを出さないとマズいですよね、形としては。

──もちろん! もっと早くてもいいんですけどね、本当は(笑)。

CIPHER:2年後か……。どうなりますかね。出せるのかな。

──駄作でいいんですから(笑)。

CIPHER:よっしゃ!(笑)。

──冗談はさておき、ホントに思うんですよ。ちゃんと動いてるバンドって、いろんなところで結果的に辻褄が合うものなんだって。

CIPHER:今回のアルバムの発売日なんてホント、見事ですよ。曜日が合わなかったら4月22日という発売日自体が設定できなかったわけですからね。上手いこといったなあ(笑)。

──今になって、去年アルバムを出さなかったことの言い訳が成立してしまいました(笑)。

CIPHER:確かに(笑)。でも良かったです、ホントに。

取材・文◎増田勇一





■7thアルバム『Spectacular Nite -狂おしい夜について-』

2015年4月22日(水)発売
メジャー・デビュー25周年!約2年ぶり7枚目のワーナーミュージック移籍第2弾アルバム
【初回限定盤デラックス・エディション[CD+DVD](三方背BOX仕様)】WPZL-30994/95 \5,556(本体)+税
<DISC 1:CD>
1. SEX ON THE CARPET
2. 狂おしい夜について
3. Cherry
4. Dance with me 
5. SWEET EMOTION 
6. DARLIN’-2015-
7. BABY 
8. LULLABY-2015-
9. Skelton Queen
10. CRAZY4YOU

<DISC 2:DVD>
D'ERLANGER
Dance naked, Under the moonlight TOUR 2014
20141109 渋谷 CLUB QUATTRO
1.IS THIS LOVE
2.Rose of Thanatos
3.SWEET EMOTION
4.Beast in Me
5.Masquerade
6.LULLABY
7.Dance naked,
 Under the moonlight.
[EXTRA FEATURES]
1.D'ERLANGER in L.A #1
2.LULLABY -2015- (IMAGE CLIP in L.A)
3.D'ERLANGER in L.A #2

【通常盤】WPCL-12064 \3,000(本体)+税
1 SEX ON THE CARPET
2. 狂おしい夜について
3. Cherry
4. Dance with me 
5. SWEET EMOTION 
6. DARLIN’-2015-
7. BABY 
8. LULLABY-2015-
9. Candy In The Shape Of You -2015- 【通常盤のみのボーナス・トラック】
10. Skelton Queen
11. CRAZY4YOU

■ツアー<D'ERLANGER Spectacular Nite -狂おしい夜について- TOUR 2015>

2015/5/02(土) 名古屋Electric Lady Land
OPEN17:30/START18:00
[問]サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
2015/5/03(日) 梅田クラブクアトロ
OPEN17:00/START18:00
[問]キョードーインフォメーション 06-7732-8888
2015/5/09(土) HEAVEN'S ROCK熊谷VJ-1
OPEN17:30/START18:00
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999
2015/5/17(日) 仙台HOOK
OPEN17:30/START18:00
[問]ニュース・プロモーション 022-266-7555
2015/5/19(火) 札幌cube garden
OPEN18:30/START19:00
[問]WESS 011-614-9999
2015/5/22(金) 金沢AZ
OPEN18:30/START19:00
[問]FOB金沢 076-232-2424
2015/5/23(土) 長野CLUB JUNK BOX
OPEN17:30/START18:00
[問]FOB新潟 025-229-5000
2015/5/28(木) 福岡DRUM Be-1
OPEN18:30/START19:00
[問]福岡DRUM Be-1 092-737-5300
2015/5/30(土) 岡山IMAGE
OPEN17:30/START18:00
[問]夢番地岡山 086-231-3531
2015/6/14(日) 赤坂BLITZ
OPEN17:00/START18:00
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

前売:¥6,000- 税込・オールスタンディング/※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児童入場不可/小学生は要保護者同伴・有料

※赤坂BLITZ:1F立見¥6,000-(税込)※入場時ドリンク代別途必要
2F指定プレミアムシート¥10,000-(税込)※プレミアムグッズ付
※入場時ドリンク代別途必要

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