【インタビュー】toconoma「仕事と両立しつつ、いつか日比谷の野音で」
■WEBサイトなのにテーマソングがあるのは面白いじゃないかというアプローチ
■「Circle h」のプロジェクトそのものがチャレンジ、というメッセージ
──「Circle h」のサイトにPVがアップされているんですが、サイトにテーマ曲があるというのが面白くて、これはタイアップという表現とはちょっと違うのかな?と思ったり。
石橋:確かに。そこはけっこう新しいところですね。WEBサイトにテーマソングがあるというのは。もともと、ホンダアクセスさんという会社は自動車メーカーのホンダのグループ会社で、ホンダの車に関わる純正用品を扱っている会社なんです。でもそれだけではなく、たとえば車に乗って行った先で使う、アウトドア・グッズとか、ゴルフ・グッズとか、もっと多くの人に関わりながらモノや車を売りたい、作りたい、と「Circle h」を立ち上げられているんですね。その話をうかがった時に、ただサイトにモノを並べて売ってもほかと同じになってしまうから、商品力だけで勝負するのではなく、そこにある情報とかキャラクターとか、温度みたいなものでも人を惹きつけられないとダメなんじゃないかと会社の同僚と話しまして。そのメインになる何かがほしいという時に、仕事のかたわらギターをやっている自分がいるということで、「歌はどうだろう?」という流れでした。きっかけはコピーライターがプレゼンした歌詞というか詩だったんですが。
■ビッグ・プロジェクトなのに手作り感が感じられる
■子供を大切にする人たちのためのプラットフォームになりたい
──そして石橋さんは、その歌詞をもとに曲を書いて。
石橋:そこはまさにデザイン的に考えて、作りました。車を扱う会社なので、車に乗って気持ちいいぐらいのテンポというか、ドライブ・ミュージックとして機能する曲にしなきゃと思って。かといってあんまりBPMが速くても違うなと。テンポはかなり刻んで検証しました。スピード感は感じさせつつ、かつ、エモーショナルな部分が伝わるテンポはどのぐらいなのか、とか。細かい話になっちゃうんですけど、シンコペーションを多用して、前に前に進んで行くというものと、このサイトの、外に出て行っていろいろ遊ぼうという姿勢をリンクさせたりとか、そんなことをやっています。
──歌入れについてはどうでしたか?
石橋:そうですね、歌に関しては……字引くんの声質を最大限に生かしたほうがいいと思って。fulaも、曲によってはわりと攻撃的な曲とか、癖の強い曲も多いんですけど、そこのところはちょっと置いといてもらって、歌う前にまず性格付けというか……このサイトの持つ性格として、ほがらかで誠実で、人生と向き合って、ちゃんと前を見ている人という人格になって、あまり癖をつけずに歌ってほしいということとか。自分が子供の頃の、両親の気持ちを想像して歌ってほしいとか。エモーショナルな部分を、胸に抱いて歌ってくれたらいいなと思ったので、そういうことを伝えました。
──まさに、そういう歌だと思います。
石橋:歌もので、J-POP的な要素と、toconomaらしさをうまく融合できたらいいなということは、作曲の段階ですごく考えていました。でも歌を乗せたのが初めてだったので、普段だったらここで完成というところに、さらに字引くんの歌を入れた瞬間、声にならない驚きというか「曲になった!」という感動を普段よりも強く感じました。メンバーもみんな顔を見合わせていましたし。ボーカル入りというのはすごく面白いと思って、またやりたいなと思いました。
──では、最後に。toconomaとしての、バンドとしての野心について聞きたいです。
石橋:そうですね……シーン的な立ち位置で言えば、フェス周りというか、ハッピーな空間になるべく長くいたいなと。恥ずかしながら、めちゃくちゃ売れたいと思って始めたバンドではないので、メジャーを目指してガツガツやっていくぜ、というスタンスの人たちとは、根本的に立ち位置が違うとは思っていて。みんな仕事してるから、逆に好きな音楽が出来るという部分もあると思うし、そこをブレずに、出来るだけ長く続けられればいいかなと思いますね。メンバーに家族が出来ても、そことうまくバランスを取って音楽を続けられたらなと思います。……全然覇気のないコメントですけど(笑)。
──いや。いいと思います(笑)。それは立派な野心だと思いますよ。それが一番大変じゃないですか。
石橋:うかもしれないですね。あ、でもtoconomaの野心、ありました。この前、代官山UNITでワンマンをやらせてもらって、まさかのソールドアウトで、誰も予想してなくてびっくりしたんですけども。それに気を良くして、いつかは日比谷の野音でやりたいと思いました。できれば仕事も続けながら。
取材・文●宮本英夫
■「Circle h」とは?
「Circle h」は、遊びや趣味に必要な道具を中心に、みんなでわいわい言いながら、もっといいモノ、もっといいコトを探して、見つけ、つくっていくためにホンダアクセスが立ち上げた通販モール。フィッシングやゴルフやアウトドアなど、遊びや趣味をもっと楽しみたい!という人たちに便利で楽しい商品を提案。それらを使う人たちの意見を集めながらさらに新しい商品につなげていく。そんな新しいアクティビティの場所を提供することで、ホンダアクセスとクルマを使う人をつないでいく。近日中に、ドッグ用品も販売予定。
今回、2つのバンドが手掛けた「ハローマイライフ」は、クルマに乗って出かける楽しさ。そこにある暮らし、そして未来に繋ぐ生命を軽快で疾走感あるサウンドで表現。PVでは自然の中を戯れる親子の肖像を描いている。PVは「Circle h」のサイトで見ることができる。
Circle h URL: https://www.circle-h.jp/shop/
■fula
fula(ふら)は日本の4人組ジャムポップバンド。サッカーチーム所属時に意気投合し今に至る。ジャムを基調にした野外で聴きたくなる開放感のある楽曲に、あたたかい歌声を乗せるプレースタイル。サーフ、ダンス、ジャズ、レゲエ、アフロビート、ときどきラウド、メタル、ミクスチャー。それらを長短様々なパスで紡ぎあげ、聴く人の心のゴールへ深く突き刺す。小洒落たアンサンブルの合間から時折顔を出す土臭いリズムが笑顔を呼び、優しさ時々エモーショナルな歌声が泣きを誘う。三十路による電光石火のカウンターはとどまることを知らず、今季も絶好調。
toconoma ライブ・イベント情報
4.11 SYNCHRONICITY’15
4.26 Sing Your Song 2015
5.23.SAT-24.SUN Natural High! 2015
5.24 Natural High!
5.30.SAT Shimokitazawa SOUND CRUISING 2015
6.07.SUN jizue × toconoma
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