【詳細レポート】<VAMPARK FEST>二日目、「日本人のカッコいいところ見せてくれよ」

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2015年2月18日から2日間にわたってVAMPS主宰<VAMPARK FEST>が開催された。その初日はNOTHING MORE、[Alexandros]、Gerard Way、VAMPSといった4組のアーティストが日本武道館を熱く燃え上がらせ、その熱気を引き継ぐように2日目の幕が開いた。2日目となる2月19日の公演にはBUCKCHERRY、sads、SIXX:A.M.、VAMPSという甘く危険な香り漂う大人のロッカーたちが集い、史上最強にセクシーでデンジャラスでグラマラスなロックナイトを繰り広げた。当日の速報レポートとphoto-gallaryはすでに公開しているが、詳細に迫るレポートを改めてお届けしたい。VAMPS×SIXX:A.M.による対談も公開しているので、こちらも併せてご覧いただきたい。

◆<VAMPARK FEST>二日目 画像

▲BUCKCHERRY(※画像5点)

2日目のトップバッターとしてBAD BOYS感を匂わせながら舞台に姿を現したのはBUCKCHERRYだ。Xavier Muriel(Dr)がバスドラを鳴らし、Keith Nelson(G)、Stevie D(G)、Jimmy Ashhurst(B)がオープニングからオーディエンスに手拍子を求める。迫力満点のマッチョボディから最初に繰り出されたのは、彼らのアンセム「Lit Up」だった。ハスキーな声を操るフロントマンのJosh Todd(Vo)はスレンダーボディの長身男。端正な顔立ちとは不釣り合いのキュートなピンク色のタンバリンをリズミカルに叩いている。見た目は相当コワい。でも自然と音に体が反応するドライヴ感満載の「Broken glass」、Xavierのカウベルからご機嫌なロックンロールが鳴り響く「All night long」など、彼らの音楽はとにかく即効性があって誰もが踊りたくなる、歌いたくなる。そんな危険な中毒性をとてつもなくはらんでいるようだ。

さらに、こんなにワイルドなロックンローラーたちが、いきなり素顔に戻ったようなバラード「Sorry」まで歌うのだからたまらない。この夜は、「Sorry」の歌唱でオーディエンスたちが見事に彼らにおちていった。その証拠に、歌い終わったあとの武道館には盛大な拍手が沸き起こったのだから。

武道館をBUCKCHERRYのものにしたJoshは、「Say fuck it!」(ICON POP「I Love It」のカバー)とタイトルコールした後、勢いよくシャツを脱ぎ捨ててTattooだらけの上半身を露にする。観客に「fuck it」の合唱を求めながら、髪の毛を耳にかける仕草に見とれるほど大人セクシーなJoshは、曲の最後にオーディエンスへ向かって「VERY NICE」と拍手をプレゼントした。そして「TOKYO! BUDOKAN! HOW MANY CRAZY BITCH?」と叫び、ラストは最強にfuckin'なロックンロールチューン「Crazy Bitch」で踊り狂って終了。場内はすぐさま祝福の拍手とともに、満ち足りた笑顔に包まれていた。

▲sads(※画像3点)

2番手に登場したのはsadsだ。耽美でゴシックなSEが流れ出すと、GO(Dr)、K-A-Z(G)、クボタケイスケ(B)が定位置に着く。オーディエンスはメロイックサインを掲げ、今か今かとフロントマン清春(Vo)の登場を待ち構える。するとグラマラスな雰囲気を引き連れ、ゆっくりとした足取りで清春が現れた。レイヤーに着くずした洋服の揺れ、無造作に巻いたロングストール、神経質そうな手の動き一つ一つがいちいちセクシーで、毒がありそうなのに目が離せない。彼が登場しただけで武道館はとたんに甘美な空気に包まれた。

そんなカリスマ性に満ち溢れた清春が、マイクスタンドを掲げるとヘヴィなギターリフから「See a pink thin Cellophane」でsadsのステージが幕開け。さっきまでの甘美な匂いを吹き飛ばすような清春のキレキレのシャウトが響き渡る。いきなり戦闘モード満載の彼らが次に繰り出したのはファストチューン「Hate」だ。このとき「Hey、武道館。暴れてください」と、珍しくよそ行きな言葉で観客を煽った清春。「今日はこんなフェスに呼んでいただいたことを光栄に思いますし、嬉しいです。あまりフェスとか出ないんだけど、出たときはだいたいブチ壊して終わるか、ひんしゅくを買って終わるかに命をかけてるんですが(笑)。今日は真面目にちゃんとやります。変に強く煽ったりもしないんで(笑)、たまには別のものも食べてみてください。きっと変な味がすると思います」というMCを聞いて、先ほどの謎の理由が解明。つまり、今日のsadsは真面目に本気ということだ。

このあとは「Tell me what you lie」「spin」を続けて披露。妖しくグルーヴィーな「WHITE HELL」でルーズな色っぽさをむき出しに攻め、「GOTHIC CIRCUS」へ。ここでは清春が軍帽をかぶり、敬礼をしながらフロントギリギリで客席にキスを投げながら唇を舐めるという挑発的な仕草を繰り返して観客を魅了した。そして、たっぷりオーディエンスを可愛がったところでキラーチューン「SANDY」を投下。狂ったように歌い叫ぶフロアに、最後は「WASTED」をおみまいして甘美な媚薬の後味をたっぷり残したままsadsのステージが終了した。

▲SIXX:A.M.(with HYDE ※画像8点)

3番目に登場したのは、先日までJAPAN TOURを行なっていたMOTLEY CRUEのベーシストNikki SixxのソロプロジェクトSIXX:A.M.だ。これが日本初ライヴということもあって、場内が暗転すると客席からは大歓声が巻き起こる。Nikki Sixx(B)、DJ Ashba(G)とサポートドラマーというバンド編成に2人の女性コーラスを加えた独特の布陣で定位置についた。ライヴは“HEY! HEY! HEY!”の掛け声が会場中にこだました「LET’S GO」で幕開け。長身のJames Michael(Vo)が歌い出したとたん、武道館が別世界になった。

まだ始まったばかりなのに、2曲目でいきなHYDEが飛び入り参加。Jamesと掛け合いながら歌った「STARS」、女性コーラスを交えてどこまでも広がっていったアメリカンロックの王道「GOTTA GET IT RIGHT」。声、サウンド、曲の佇まい、ポップセンス。なにもかもがハイクオリティー過ぎる。しかも、驚くほどパワフルなのに素晴らしく抜けがいい。そのスケール感、気持ちよさに客席は圧倒されながら、これが世界基準のライヴなのかと、テンションはどんどん高まる一方だ。彼らの登場で、武道館は曲が進むにつれてビッグな野外スタジアムへと変貌した。

そして「TOKYO! WE LIVE YOU」とJamesが甘い声で挨拶をしたあと、彼がピアノを弾きながら歌った「LIFE IS BEAUTIFUL」と「BEFORE IT'S OVER」のバラード。この2曲を連続でプレイしたシーンは、間違いなくこの日の彼らのハイライトだった。その素晴らしい美声、メロディ、サウンドに自然と胸が締め付けられていく。客席が感動にひたっているのが分かったのか、Jamesが場内を見渡しながら「ありがとう、みんな最高!」と覚えたての日本語を使って最大級の感謝の気持ちを伝えた。そのあとは、ゾクゾクするイントロからモダンなアメリカンロックへと展開するアッパーチューン「THIS IS GONNA HURT」へ。最後は「LIES OF THE BEAUTIFUL PEOPLE」を届けて、彼らは仲よく肩を組んでステージを後にした。

▲VAMPS(&SESSION)(※画像22点)

2日間にわたって開催された<VAMPARK FEST>のファイナルステージを飾るのは、もちろんVAMPSだ。真っ白いスモークが舞台に広がると客席からはVAMPSを求める手拍子が沸き起こる。この日はK.A.Z.の硬質なギターリフがオーディエンスを突き刺す「EVIL」で幕を開けた。しょっぱなからバンドアンサンブルが狂ったように客席を圧倒していく。音の洪水のなか、オーディエンスを陶酔へ導くHYDEの歌。まるで牙をむき出しにしたVAMPSがこちらに襲いかかってくるようにアグレッシブなオープニングから「LIPS」へと曲が変わると、ステージも客席もコンサートの終盤を迎えたかのようなとてつもない熱量でパンパンに膨れ上がっていく。そこに「DEVIL SIDE」が畳み掛けるように、客席の熱量を一気に破裂させた。アリーナがカオスと化していくなか、鬼気迫る表情で腕を振り下ろし、まだまだ歌で迫り来るHYDE。この夜の「DEVIL SIDE」は恐ろしいまでに神憑った破壊力を持っていて、観客をどこまでも狂わせていった。

「武道館、楽しもうぜ。好きにやっちゃっていいから」というHYDEの挑発から曲は、へヴィネスが地底から体を突き上げるような狂気に包まれた「DAMNED」へ。客席には一斉にヘドバンが広がる。スモークが吹き出るステージ、その重厚な空気を覆すように「REVOLUTION II」が始まった。「聞こえなーい! もっともっと声出して」とHYDEに煽られ、ものすごいボリュームで“Bang on stomp everybody”と歌い出した観客たち。この曲を歌うお客さんはVAMPSの一員であり、BLOODSUCKERSだ。それを愛おしそうに見つめるメンバーたち。ひとつになった気持ちを「AHEAD」でさらに加速させ、「ヘイ、BLOODSUCKERS! 日本人のカッコいいところ見せてくれよ」というHYDEの煽りから「BLOODSUCKERS」へ。曲間では「武道館、もっとくれよ。血が足んねぇ!」とHYDEが舌を出し、激しく観客を挑発した。拳を突き上げ、頭を振って叫び尽くした客席に容赦なく「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」を畳み掛け、最後はありったけのエネルギーで限界を突き抜けるまで暴れ倒していった。

ヘロヘロになりながらも、まだまだオーディエンスはVAMPSを求め続ける。その声に応えて彼らが再び舞台に登場した。「本当にありがとう」といって出演者、観客に感謝の気持ちを伝えていたHYDEが「最後にみんなで1曲」と、sadsの清春とK-A-Zを呼び込むと、客席は悲鳴に包まれる。「ギターはこれでダブルK.A.Z(K-A-Z)だね」と微笑むHYDE。その横に立つ清春は黒い衣装のHYDEとのコントラストが美しい白い衣装にチェンジしていた。「あと、もう一人」とNikki Sixxを呼び込むと場内が狂喜乱舞。「ちょっと…泣きそう……。じゃあいいかな」と始まったのはMOTLEY CRUEの「Live Wire」のカバーだった。10代のHYDEが、MOTLEYをギターでコピーしていた頃は想像もしていなかったことが現実になった瞬間。すべての演奏が終わると、NikkiからベースをプレゼントされたHYDEは、驚いた表情でNikkiとハイタッチを交わしながら目を潤ませていった。こうしてHYDEの夢を叶えつつ、<VAMPARK FEST>が第1回目にしてフェスとしても大成功を収めた。

取材・文◎東條祥恵 撮影◎今元秀明/岡田貴之

■VAMPS主宰<VAMPARK FEST>
2015月2月19日(木)@日本武道館セットリスト

【BUCKCHERRY】
1.Lit Up
2.Broken Glass
3.All Night Long
4.Somebody Fucked With Me
5.Sorry
6.Say Fuck It
7.Ridin'
8.Gluttony
9.Crazy Bitch
【sads】
1.See A Pink Thin Cellophane
2.Hate
3.tell me what you lie
4.SPIN
5.WHITE HELL
6.GOTHIC CIRCUS
7.SANDY
8.WASTED
【SIXX:A.M.】
1.LET'S GO
2.STARS
3.GOTTA GET IT RIGHT
4.DRIVE
5.LIFE IS BEAUTIFUL
6.BEFORE IT'S OVER
7.THIS IS GONNA HURT
8.LIES OF THE BEAUTIFUL PEOPLE
【VAMPS】
1.EVIL
2.LIPS
3.DEVIL SIDE
4.DAMNED
5.REVOLUTION II
6.AHEAD
7.BLOODSUCKERS
8.SEX BLOOD ROCK N' ROLL
EN1.LIVE WIRE

■<JAPAN NIGHT>ジャカルタ(インドネシア)公演

2015年4月4日
・出演:VAMPS、[Alexandros]、TOKYO SKA PARADISE ORCHESTRA
・会場:The Kasablanka @ Kota Kasablanka Mall, Jakarta
・開場17:30/開演19:00
・VIP席(シーティング前方ブロック:Rp 1,600,000(約\15,000)
※JAPAN NIGHT特製ポスター付き
・スタンディング(後方ブロック):Rp 750,000(約\7,000)
・チケット販売日:2月18日(水)10時0分~(インドネシア現地時間)
・チケット販売サイト:www.rajakarcis.com、www.tiket.com
・日本からのお問い合わせ:inquiry@crooner.com.sg

■<VAMPS全米ツアー>

■<SIXX:A.M. The Modern Vintage Tour>
4月08日(水)サンフランシスコ@ The Regency Ballroom
4月10日(金)ラス・ヴェガス @ The Joint
4月11日(土)ロサンゼルス@ Club Nokia
4月13日(月)デンバー @ Ogden Theatre
4月14日(火)カンサス @ Midland Theatre
4月16日(木)ヒューストン @ Warehouse Live
4月17日(金)ダラス @ Bomb Factory
4月19日(日)ミネアポリス @ Mill City Nights .
4月20日(月)シカゴ @ The Vic Theater
4月21日(火)デトロイト @ Royal Oak Music Theatre
4月28日(火)フィラデルフィア @ Electric Factory
4月29日(水)シルバー・スプリング @ The Fillmore
チケット情報:http://www.axs.com/artists/211925/sixx-a-m-tickets

■<ロック・フェスティバル>
4月25日(土)フロリダ州フォートマイヤーズ @ Ft.Rock Festival
http://www.fortrockfest.com/
4月26日(日)フロリダ州ジャクソンヴィル @ Welcome to Rockville
http://welcometorockvillefestival.com/
5月15日(日)オハイオ州コロンバス@ Rock On The Range
http://www.rockontherange.com/

■<ヘッドライン公演>
5月1日(金)ニューヨーク @ Best Buy Theater
チケット情報:http://hyperurl.co/VAMPS_LIVE_NY2015

■<VAMPS LIVE 2015 HONG KONG>

2015年5月8日(金) 8:00pm AsiaWorld-Expo Hall10
【チケット】
HK$780 (約12,200円)
HK$480 (約7,500円)
※オールスタンディング
※ブロックによりチケット価格が異なります。
チケット発売:2015年3月25日(水) 10:00am
●店頭販売 HK Ticketing venue box offices / K11 Select / Tom Lee Music Stores
●お電話 HK Ticketing Ticket Purchase Hotline (Enquiries: 31 288 288)
●インターネット販売 HK Ticketing >> http://www.hkticketing.com/eng/
※手数料が発生します。
[問]info@dreams-salon.com info@puffinent.net

●<JAPAN NIGHT>台北(台湾)公演

2015年5月23日(土)
・出演:VAMPS、the GazettE、The BONEZ
・会場:台大総合体育館1F多功能球場
・開場 17:00 / 開演 18:00
VIP席 NT$3,600 ※JAPAN NIGHT特製ポスター付き
スタンディング Aブロック:NT$ 2,800
スタンディング Bブロック:NT$ 2,400
スタンディング Cブロック:NT$ 2,000
※12歳以下入場不可
チケット発売日:4月11日(土)日本時間13時00分~
[問]contact@abigart.com(大鴻藝術 BIG ART:土日、台湾の休日を除く11:30~20:30)
[問]華娯售票 http://www.walkieticket.com/

■<VAMPS LIVE 2015 “BLOODSUCKERS” -FINAL->supported by uP!!!

2015年5月30日(土) さいたまスーパーアリーナ
開場 18:00 / 開演 19:06
2015年5月31日(日) さいたまスーパーアリーナ
開場 16:00 / 開演 17:06
料金 9,200円(税込)(アリーナスタンディングブロック指定 / スタンド指定席)
<チケット発売>
一般発売 2015年4月5日(日) AM10:00
[問]ディスクガレージ 050-5533-0888 (平日11:00~19:00)

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◆<VAMPARK FEST>BARKS内特集ページ

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