【インタビュー】SuG、予想を超えた裏切りのないSuGを最高水準でみせつけた『BLACK』

■「BLACK」をちゃんとライブで再現できたらファンも泣けると思います
■俺らがちゃんと演奏できればだけど（笑）。ライブまでに頑張ります

▲『BLACK』3939BOX

▲『BLACK』LIMITED EDITION

▲『BLACK』STANDARD EDITION

──ではyujiさんの押し曲を教えてください。

yuji：僕は「神様の悪戯」。

──これはジャパニーズR&B？

yuji：ジャンルとしてはR&B、HIPHOPですね。バンド本位ではなく楽曲本位なアレンジができてるところが気に入っています。楽曲のよさが出せたんじゃないかなと思いました。

masato：この曲はレコーディングしながら「いいわ～」って思った。

yuji：アレンジが好きなんですよ。こんなアレンジをした曲を出せるバンドは他にいないんじゃないかと思うんだけどね。

Chiyu：確かに。俺ら”バンド”やもんな？

yuji：と思うぐらいの曲ができたと思います。

shinpei：ドラムは打ち込みですからね。普通、バンドだったらここは生にこだわるところを。

yuji：打ち込みにしました。バンド本位になると全部弾かなきゃってところで曲の個性が薄くなっちゃうと思うんで、これは曲の個性を最大限に引き出すことを優先してみました。

──武瑠さんの歌も大人セクシーでいいですよね？

yuji：俺はどちらかというと、クラブ帰りにチャンネーとドライブデートしてる感じのイメージで作ってたんですけどね（笑）。武瑠の受け取り方はスイートな感じだったみたいですね。それはそれで一つのケミストリーかなと思います。

──ではshinpeiさんは？

shinpei：「oveflow」ですね。これも相当高度なプレイをやっています。この曲は全体的にリズムが本当に大変でした。楽曲としては“バンドサウンド”押しでめちゃくちゃカッコいいんですよ。リズムもかなりやりきるところまでやりきってるし。ベースもそうです。

Chiyu：ぐわんぐわん弾いてます。

shinpei：でも、本当にやるのは大変でした。レコーディングしたのはかなり前だったんで、最近個人練習でスタジオ入ったときにやってみたらできませんでした（笑）。ライブでこの音源の勢いを出すためにも。

yuji：この曲は本気でスタジオに入ってやんないとヤバいね。

──ではmasatoさんは？

masato：「HELLYEAH」ですね。浮気者で先に出ていたEDMなアレンジの楽曲を、今度はSuGとしてバンドでアレンジしていくとどうなるのかドキドキしていたんです。ライブでは（アルバム発売前から）すでにやっていて、バンドバージョンになってもすごいノリがよかったんです。だから、この曲に関してはツアーで初めてやるアルバム曲よりも先にお客さんがノッてくれるのかなと思っています。

yuji：ライブでファンが飛び跳ねてノリやすいっていうところを一番重視してアレンジしましたからね。

──そのような曲たちが、アルバムの最後「影炎」～「BLACK」という重厚感あるナンバーで締めくくられる。本作はここで押し寄せてくるハイライト感が凄かったですね。

yuji：そうですね。「影炎」のアレンジを聴く限り、ここでアルバムが終わってもおかしくない感じになっているんです。だから、ライブ本編は「影炎」で終わって、「BLACK」はエンドロールというイメージですね。

──「BLACK」を演奏しているSuGとか、復活前とは違う説得力があってすごくいいんですよ。これを聴き終えて、新生SuG誕生という気がしました。

yuji：これをちゃんとライブで再現できたら、たぶんファン的にも泣けるぐらいの感動はあると思います。俺らがちゃんと演奏できればだけど（笑）。ライブまでに頑張ります。

shinpei：でも、大人になったよね。アルバム聴いて思ったよ。

masato：みんな成長した。

──活休があるのとないのでは、完成したアルバムも違っていたと思いますか？

yuji：相当違うんじゃないかな。活休までの流れって、本当にヴィジュアル系の流れできた活動だったんで、どうしてもそっちのファンのノリとかを意識しながら曲作りなり、アレンジをしていたんです。そうすると、そのぶん楽曲の幅が狭くなるところがあったと思うんです。そこが活休で一旦リセットされたんですよ。それで、いまはもっと俯瞰で自分たちの活動や楽曲を見られるようになった。それがないと、アレンジはここまで振り切れなかったんじゃないかなと思います。

Chiyu：そこまでやりきったからこそ、自分らはこれをすごい自信を持って出せているんですよ。「これを受け入れられへんかったら解散してもいい」というぐらい、本当に自信があるアルバムなんです。

yuji：これでダメだったらダメなんだろうなっていうぐらい、自分たちのなかにもう何も残ってないんですよ。

Chiyu：次に何したらええか分からへん。

yuji：本当にそれぐらい出し切りましたから。だから、このアルバムで評価されたいんです。

──つまり、SuGの勝負作ってことですか？

yuji：そうです。俺らがわざわざ復活した意味、これを出すために復活して1年やってきた結果がこの作品なんです。コレがダメだったら復活した意味もないんです。

shinpei：ほんとそうだね。

──わかりました。では、そんなお話の後に大変恐縮なんですが、アルバムのタイトルに引っ掛けて、みなさんの好きな色を教えてもらってもいいですか？

Chiyu：黒。洋服とかも黒いし、自分にとって落ち着く色ですね。苦手なのは黄色。

yuji：俺は青が好きです。清潔感があるから。自然な色じゃないですか。澄みわたった青空とかの色は。

shinpei：あれ……青空とかいうキャラだっけ？

yuji：俺、ネイチャーだから。自然が好きなんですよ。自然界の色が落ち着きます。だから、緑とかも好きです。苦手な色はないかな。

shinpei：俺は最近、冬なのでモノトーンが好きですね。苦手は色は俺もないかな。

masato：僕は紺が好きです。色味的に濃い青、紺と金の組み合わせが好きですね。

──次は、今日はここに武瑠さんがいらっしゃらないので、みなさんが思う武瑠さんとはというのを聞かせてください。

全員：変人（笑）。

yuji：俺の真逆なんです。常に変化がないとダメなところがあるよね？

shinpei：そうだね。

yuji：俺は、普通に何もない日常があればそれが一番いいというタイプなんですよ。

Chiyu：武瑠とはホンマに真逆やな？

yuji：俺が一番いいのは凪の人生なんですけど、そこから真逆の人生を望んでいるのが武瑠。常に変化がないと耐えられないんですよ。いまはまだやってないことがあるからいいけど、このまんまやり尽したときが怖いです。

shinpei：刺激を常に求めてる人で、普通では面白くないという考えがブレない人です。

──ではそんな武瑠さんが「カワイイな」と思う瞬間は？

全員：えぇーーーー（笑）。

Chiyu：なにこの質問……（照れながら）ご飯食べるときに、ほっぺたにいっぱい食べ物詰め込んでるときですかね。

shinpei：ハッとデザインとか思いついたときに、すげぇ嬉しそうな顔していきなりバーと書き始めるときがあるんです。そういうとき「すげぇカワイイな」と思ったりします。


──では、最後にこれから始まるツアーに関してメッセージをお願いします。

Chiyu：まずアルバムを耳で聴いてください。ライブは、体でも音を感じられると思うので、しっかり体で感じさせられるクオリティーのライブを僕らは届けたい。そのためにもアルバムを聴け。それにつきます。

取材・文●東條祥恵






◆インタビュー（１）へ戻る